ミルの葛藤
私たちは旅をしていた。
蒼弥とそしてロジンと色々なことがあった。
今はそれぞれ自由に動いていろいろ探っているけどまだそれといった成果はない。
蒼弥たちとこうしているのはなんだかわくわくして嫌ではないけどやっぱり帰りたい。
帰るためには……まだ何をしたらいいのか分からないけど、多分蒼弥たちを頼ってればどうにかしてくれるはず。あの施設の時もこの世界の時もずっとそうだった。でも、頼ってばかりではだめだとも思う。私はあのクラスでは試験の順位で言えば1番良かった。それは施設の時もそうだった。でも、そんな私でも蒼弥とかロジンとかこの世界の敵には遠く及ばない。蕾の時だって私は身を守ることしか出来なかった。それも魔力がギリギリでもっと戦いが長引いてれば死んだかもしれない。
――少なくとも私が足手まといになるのは嫌だ。
今は私の目的のためにも2人のためにも強くならないと。
強くなるって言っても……私の魔力量はもう伸びきってるって先生も言ってたし自分でもそう思う。魔法は……氷、水と熱が上手く使えるけどそれ以外は正直不得意。
それを得意にするのもありかもしれないけど、器用貧乏で生きれる世界ではない。役に立ちたいなら1つを伸ばすのがいいと思う。
氷魔法を伸ばすと言っても詠唱時間を縮めたりするのはありだけどそんなことしてもだ。
私は最初から結論が出ていた。私の学校では魔法は決まった文字を書き込むことで決まった魔法を打てるという、ある意味暗記科目のような扱いだった。
ただ、蒼弥と出会ってそれは違うんだと思った。
蒼弥に魔法を教えると私の教え方が悪かったのか蒼弥は自分で思う言葉、使いたい言葉を次々と書き込んでいって、私も見たことの無い魔法を発現させた。
魔法は固定されたものではなく、限りのない自由な物なんだって分かった。
私はそれから少しづつだけど考えてた。
時間とか余裕がなくて魔法を使ったりじっくり考えたことは無かったから今はそれをやろう。
なにかすごい魔法が出来たら役に立てるかもしれない。
氷を使ってなにかできるのだろうか。
それから色々考えてみたけどあまり浮かばなかった。魔法の原理として1度世界に出した水を凍らせることは魔法ではできないからそんな強いことはできない……いや、出来るかもしれない。
とりあえずやってみる。
まずは氷魔法に「大雨、極低温」と書く。
すると雨が凍った氷が降り始める。
そして、風魔法に「強風、極低温」と書く。
そうするとその氷が横薙ぎの吹雪になる。
辺りの温度がどんどん下がっていき、術者の私ですら逃げ出したくなる。
土が凍り、私の頬が凍り始める。
――後ろで大きな音がする。
その音を見てみれば私に襲いかかろうとしていたそれはまず足と地面がくっつき、手の先から白くなっていく。
しばらくすると体全体が白くなり、試しに氷の槍を飛ばしてみると触れた瞬間にバリンと音を立ててそれが碎ける。
そろそろ限界。
寒い。
私がその場を離れようとすると正面から炎の息を吐きながら緑色の龍が空から降りてくる。
それは私に向かってきているみたいだ。
しかし、その体は既に白くなっていたり、体から血がところどころ滲んでいる。
その龍をのことはたまに空を飛んでいるのを見たことがあるがこんな遅い動きではなかった。
炎の息が私に届く寸前熱いのが伝わってくる。これを食らったらまずい。氷属性で壁を作る。
炎に溶かされると思ったがミシミシ言うだけで溶けない。
一通り凌ぎきった後、地面から氷の槍を5本出して龍に刺す。その腹からはたくさんの血が出るがその血は黒く凍りかけている。
動きが止まり動ける部分だけで動いたり氷の槍を溶かそうと炎の息を吐いている。
こんなものにとどめを刺すつもりもない。
私はいち早くその場を離れる。
――しばらくその場には吹雪が吹き荒れていた。
後々考えてみるとこれだけでは不安だが今は自分にもあの龍を容易く倒せるほどの強さを手に入れた満足感から一旦拠点に戻ることにした。
拠点に戻るとちょうど蒼弥がこっちに近づいてくる。
蒼弥からよく分からない魔道具のことや回復魔法のことについて聞かれた。そして私は吹雪のことを話した。話してる間にロジンも帰ってきて3人で成果報告することになった。私はそのまま吹雪のことを話した。すると蒼弥がなにか言い、ロジンは感慨深そうに笑う。
何を話したか聞くとこの世界には北欧神話というものがあるらしくそれに登場する?「フィンブルの冬」というシーンがあるらしい。
そして、それを聞いたあとロジンは驚いた顔をして再び蒼弥と話していた。
しばらくすると蒼弥も驚いてその後納得したように見えた。
ロジンが言うにはどうやらこの世界に伝えられていた北欧神話、その他の神話は実話、それも異世界での出来事を綴った物らしい。
ロジンさんの行った世界の中にその北欧神話の結末、ラグナロクの後の世界に酷似していたらしい。
確かに旅行すればそれをほかの世界に伝えることは可能だと思う。
それは置いといてそのフィンブルの冬というのはラグナロクが起きる前に発生した前兆とも言える出来事らしい。
蒼弥はそれを私の魔法に見立てたらしい。
それが実話だとしたら「雨」のように実際にあるものを魔法に書き込んでそれを発生させることは可能だと思う。次にあの吹雪、ファンブルの冬を使うことがあれば書き込んでみよう。
こんにちは!桜坂神楽です!
今回はミルちゃんの視点でした!
書いてみたいなーって思ってたんですけどついに夢が叶ったって感じです笑
どんどん終末に近づいているので…ひぇー
ってことで!
桜坂神楽でした!
Twitterとかいいねとかよろしくお願いします!




