表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

仮設風向計/詩集その3

救う

作者: 浅黄 悠

子供の頃の僕は大きい空の下で毎日宝物を探していた

夢に出てきた人は

いつか僕の目の前に本当に現れるものだと思ってたし

誰でも金色のバラを一つ持って生まれてくるものだと

密かに信じていた

願いは諦めなければ必ず叶うものだと思っていた

誰かを救えるようなヒーローになりたかった


僕にも何もかも信じられなくなっていた頃があった

みんな時が経ったから大人になっただけだと気が付いた

どこにも正解がないことが正解で

言葉にある業の深さを知った僕は

君になんて言えばいいのか分からなかった

ただ君を救いたかっただけだというのに


慰めの言葉なんて掛けられたくなかっただろう

容易く愛してるなどと言われたくはなかっただろう

生きることを強制されたくなんてなかっただろう

誰かの傷を紛らわせるための

踏み台になんてなりたくなかっただろう

それでも君は苦しいという


本当は救われたがっているのは僕なんだ

いつもいつも不安で仕方ないんだ

あの頃に戻りたいよ

君に会いたいよ

一輪花を挿した瓶の水を換えながら

日々が続いているのに時々情けなくなる

それだけ何もできない僕なのに

気付けば君の傷を癒したいと呟いている


僕も変わってしまうことが怖いよ

これだけ変わってしまったのにどこへ行くのか

僕の嫌いな僕になった僕が

平気で今の僕を足蹴にしていたとしたら

僕は生きていていいのか分からなくなるから


植物のように生きたかったけど

綿毛かシャボン玉のように生きたかったけど

泣きながら進んだら

いつか泣き止めるはずだよ

君は思っているよりも簡単に変わらないから

何に悩んでいたのか忘れて

僕のことを忘れたとしても

雨上がりに仰ぐ空の美しさはきっと覚えていられるはずだよ


最近こういう詩ばかり書いてしまっていますがブームだとでも思ってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ