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憂鬱な目覚め
部屋のカーテンを開いても光が入らず、明かりを点けても薄暗い。窓から外を覗けば灰色の雲が空を覆いどんよりとした空気を地上に封じ込めているかの様だった。
散らかってはいないが片付いている訳でも無いこの部屋の住人、線が細くて背も低い少年は隅っこにある台所で古びたオーブントースターにパンを一つ入れて、ダイヤルを回す。
パンが焼かれている間に少年は眠たそうに瞼を擦りながら郵便受けへ歩み寄る。恐る恐るといった様子で腕を伸ばし郵便受けへ突っ込む。触り慣れた感触。自身の手が磁石とチラシが入った水道会社の封筒を咥えて戻って来ると彼はホッとした表情で戻って台所のマグカップを取り、机についた。
彼は封筒を机に置くと席を立って窓を開けた。網戸を通して伝わる外界の人々の声。午前八時。学生達がアパート脇の通りを楽しそうに笑って歩いている。
少年は少し羨ましそうに彼等を眺めた後、部屋の奥へと戻って行った。今日も一日が始まる。
暗いのは好きだけど、書いてると少しずつ気が滅入る。
なのでモチベ維持で予定二週に一回の不定期更新で行きたい所存です。