表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/43

第27話

 洗濯機を回して、太陽の輝く深緑色をした森の中で干して、洗濯したばかりの制服からはとてもいい匂いがする。

 下着やバスタオルからも同じ匂いがする。お日様の匂いだ。(なんだか眠たくなってしまう)

「少しお昼寝しようか?」

「うん。する」

 素敵な秋の提案に私はすぐに返事をする。


 私は夢を見る。とても不思議な夢だ。

 私は古い家にいる。白い壁の青色の屋根の小さな家。その家の中で私は一人でぼんやりと過ごしている。あるいは、私はもしかしたらお留守番をしているのかもしれない。夢の中の私はとても幼く見える。お父さんとお母さんが帰ってくるのを待ち焦がれている、小さな小さな子供に見える。

 大きな窓は開いている。外は晴れているようだ。青色が見える。白いカーテンが風に少し揺れている。私は大きなソファに座っている。そのに座って、じっと開いた窓の外を見ている。私は白いワンピースを着ている。足は素足でぱたぱたとときおり足を動かしている。

 穏やかな時間が流れている。ここは『私の居場所』なんだと思う。ずっと私が求めていた場所。時間。(そして空気。あるいは色彩)

 私の思考はいつも以上なとても遠くにまで跳んでいるように思える。それきっと秋のおかげだと思った。秋の思考が、あるいはこの森の中のアトリエが私にいつも以上の思考の飛躍を与えてくれている。

 私はこの場所にきっと一人では何歳になったとしてもたどり着くことはできなかったと思う。

 今私がこうしてこの場所にいられるのは、きっと、きっと全部秋のおかげだった。

 私の意識は泣いている。ぽろぽろと涙をたくさんこぼしている。でも白い古い家の中にいる私は笑っている。ずっと幸せそうな顔で笑っているのだ。(普段から私は笑っていただろうか? 秋のように? 今私が見ている幸せな女の子のように)

 私は思い出す。私が私のことを大好きだったことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ