きゃんでい・どろっぷ
■きゃんでぃーどろっぷ■
『キーンコーンカーンコン』
夏の日差しが眩しい、PM12:00過ぎやっと昼休みだ。
教室は午前の授業が終わりみんな給食の準備をしている。
僕は中学二年生のとき恋をしていた。
教室の向こうのほうには、当時僕が好きだったみきちゃんがいた。
話しかけようにも、ドキドキして話しかけられない。
給食が終わり休み時間の時、僕は外に出ず教室にいた。
教室には女子が残っていた。
そして、何を喋るでもなく休み時間喋れるかどうか期待して待っていた僕がいた。
僕はバスケ部だった。
授業が終わり、体育館へ行く。みきちゃんはテニス部だった。
体育館の下の窓からテニス部が見える。
友達とあの女の子はどうのなんて話していた。
当時友達がみきちゃんと仲の良い友達と付き合い出した。
その都合でバスケの試合の応援に来たんだ。
もう、浮かれちゃって嬉しくて一生懸命頑張った。
今でも覚えてる。
『けんちゃんってバスケ出来るんだ!!』
僕は照れて何も言えなかった。耳も真っ赤でまるで真夏のなまはげのようだった。
その後、僕は毎日毎日意識するようになり、帰りの掃除の時間。斑行動、天にみきちゃんと一緒にならないかと願った。
僕は部活が無かったある日、、、
当時携帯電話が無かった時代。
自宅に戻ると、急いでクラスの名簿を探しみきちゃんの家へ初めて電話した。
ドキドキ・・・
もうこのまま核爆弾を落とされてもいいぐらいの気持ちだった。
『もしもし、鈴木ですけど。』
お母さんが出た・・・
『あああの・・・おおお同じクラスの・・・鈴木ですけど・・みきさんいますでしょうか・・・??』
みきちゃんのお母さんは変な顔もせずちょっと待ってねって。
何秒たったかわからないが保留が5時間くらいに思えた。
『けんちゃんどうしたの??急に。』
『えっと、、ね。』
5分くらいだんまりしてしまった。
『わかった〜部活のことでしょ??試合するんだって?』
『違う・・・んだ・・・』
『じゃあなぁに?』
『みきちゃんのことが好きだから付き合って欲しい・・・』
『いいよ!!付き合おうよ。ね?』
僕は何度も『本当に?本当に?』と聞き返した。
夢じゃなかった。
『じゃあ、また明日学校でね!!』
僕は電話を切ったあと、1階の自宅の居間で叫んだ。
『おっしゃああああああああああ!!!!』ってね。
そして、僕らは映画を見に行く約束をした。
『インデペンデンス・デイ』
当時はこの映画で世界は驚愕していたのを覚えてる。
映画の冒頭、、
『みきちゃん!みきちゃん!!7月2日アメリカの独立記念日で7月3日は僕の誕生日なんだよ!!』
目をキラキラさせて言ってた。
そして、夏休みに入った。
地元の神社のお祭り。僕らは毎年のように友達行ってた。
だけど今年は違う・・みきちゃんとお祭りに行った。
待ち合わせした時、みきちゃんは浴衣姿だった。
『うわぁ、、かわいいなぁ。。。』
友達同士じゃなく彼女という存在が今隣にいることを再認識した。
手を繋いで神社を回った、、時間というものはあっという間にすぎる。
帰り、僕はみきちゃんを家まで送った。
みきちゃんの家の近くの駐車場の角で少し話してた。
まだ、、帰りたくないんだ、、、
だけど僕らはまだ中学生。帰らなければいけない。
そして別れ際。
『みきちゃんキスしていい?』
心臓がお月様まで飛んで行きそうなくらいドキドキした。
『いいよ、、』
僕のファーストキスだった。
軽く歯が当たったのを今も覚えてる。
その日は帰りに友達と会ってキスしたことを自慢したものだ。
その後僕らは色々なところへ遊びに行った。クリスマスパーティーとか楽しかったな。
僕はスピッツのチェリーについていたステッカーを貼った手紙とか渡してた。
当時は手紙が主流だったから。
3年生にあがり、クラスは別々になった。
僕らは部活を引退し、受験勉強という壁にぶち当たっていた。
だけど、定期的に小学校の前で夜1時間くらい会ってた。
『僕、みきちゃんのこと18歳になったら迎えに行くから!!』
当時18歳が遠くて、大人になんてならないんじゃないかなって思ってた。
そして修学旅行。
僕は修学旅行のときバスガイドさんが可愛くて可愛くてちょっかいばっか出してた。
みきちゃんはさすがに怒った。そして僕は土下座した。
一生懸命『すいませんでした!!』って言ってたな。
その後、みきちゃんは他の男の子と仲良くしだしてしまった。
当然だと思う。だけど、どうしても焼きもちを焼いてしまって。
中学三年生の終わり、僕は彼女を呼び出して別れを告げた・・・
そして、僕らは別々の高校へ進んだ。
僕が高校時代に地元の書店でみきちゃんに再開した。だけど一言二言で僕はそそくさと書店を出た。
そのれから月日が流れ、みきちゃんと連絡すら取らなくなった。
ある夜、地元の少し悪い友達と集まってた。
よくあるだろう?罰ゲームでの告白。
僕らをまとめていた宇田川という人がゲームで負けた僕にみきちゃんに告白しろと言われた。
僕は嫌な顔をせず、みきちゃんの家に電話した。
久々の声だ。
『けんちゃん、元気してる??』
『元気だよ!!僕とやり直さない?』
『え?急に言われても。。』
宇田川が拍車をかけた。
『もういいじゃん!!バカにして電話切っちゃえよ!!』
本当は30分、、いや1時間、、、ずっと電話してたかった。
僕がその時放った言葉だ。
『は?本気にしてるの?バカじゃねえの?』
そこで電話を一方的に切った。
僕は最低だ、、、
最低で最低で最低で最低で最低で最低で最低で本当に最低な男だ。
それからお互いに接点は生まれなかった。
『僕、みきちゃんのこと18歳になったら迎えに行くから!!』
それから11年という月日が流れた。
僕はその言葉を言った日からずっと今日まで後悔した。
僕は高校を出て、自由に暮らし就職しなんら変哲の無い生活をしていた。
そんなある日。某巨大SNSで地元の中学校のコミュニティーを見ていた時だ。
みきちゃんがいた。僕はもう無視されるのを覚悟でキーボードに向かった
まずこうメッセージを送った。
みきちゃんですか?
違かったら人違いですすみません><
みきちゃんからこう返ってきた。
こんばんわ☆はい私はミキです(笑)
あなたは?
僕はけんちゃんだよー!覚えてるかな??
何か、昔すごい酷い事言って電話を切ったことがすごいつっかえてて。
謝りたかったんだよ〜
心にもないこと言ってごめんね。
元気かい?みんな大人になってね不思議な感じだよ^^
僕は謝った。みきちゃんは優しかった。
えぇぇ〜けんちゃんかぁすごぉぉく懐かしいね
元気だよぉけんちゃんも元気かな
昔かぁ…懐かしいね(笑)あの頃は大好きだったなぁ…
18歳になったらお嫁さんにしてくれるって言ってたのに、気が付けば今年で26歳…ビックリだ
昔のことはいい思い出だよ
けんちゃんは今は何してるの
そんな風に言ってくれて僕は救われた。涙が止まらなかった。
その後連絡先を交換するが再会するまでは至らなかった。
みきちゃんは立派な保母さんになってて、すごいなと思った。
そして2009年になったある日、SNSを開くとメッセージが一通届いていた。
紹介文ありがとう
キレイにはなってないけど、ミキも久しぶりに会いたいなぁ〜って思うよ。
すっけんはいつが暇?
今週の金曜日の仕事後とか暇なんだけど、忙しい?
正直逢っていいのかわからなかった。何度もメッセージは送らないと思ったけど。
時間が経つにつれてみきちゃんから待ち合わせのメッセージがくる。
やっぱり、顔を見て謝ろうと思った。それが筋だと思うし、心に決めた。
新宿駅南口PM8:00電話がかかってきた。
前から大人になったみきちゃんがやってきた。
11年ぶりに11年前の空気に包まれた。
11年前は二人とも制服で、希望に満ち溢れ毎日がお祭りみたいだった。
一瞬中学校の正門の前で帰りの待ち合わせをしてるかのような錯覚に陥った。
『久しぶり!!お互いすごい大人になっちゃったね!!』
それから少し洒落た飲み屋に入り昔話をした。
11年前と同じだ。
『けんちゃんどうしたの??急に。』
『えっと、、ね。』
『わかった〜仕事のことでしょ??』
『違う・・・んだ・・・』
『じゃあなぁに?』
『みきちゃんに心にも無いひどいこと言ってゴメンね。』
『もう!!昔のことはいいんだよ?ね?』
優しかった。11年間胸につっかえてた物が取れた気がした。
お互いの空白の色々時間を話した。
みきちゃんには7年間付き合ってる彼氏がいた。少し寂しい気がした。
みきちゃんはニコっとして僕にこう言った。
『18歳になったらお嫁にもらってくれるって言ったじゃん〜!』
『僕、みきちゃんのこと18歳になったら迎えに行くから!!』
憶えててくれたんだね・・・
『けんちゃんからもらった手紙とかニット帽まだ家にあるんだよ??』
正直、泣きそうになった。
そして、時間は早く過ぎるものだ。
僕らは店を出て、帰宅した。
僕は帰宅して、携帯電話をボケーっと眺めながらみきちゃんにメールを打った。
『日曜日暇?夜東京湾へ写真撮りにいきたいんだ。』
みきちゃんからすぐにメールが返ってきた。
『東京湾!!行こう!!』ってね。
嬉しかった。また一緒にいられる時間があるんだと思ってドキドキして眠れなかった。
地元の駅で集合して車で城南島へ。
外はすごく寒かった。僕は羽田空港方面を撮りながらみきちゃんと話してた。
昔のこと、今のこと。
みきちゃんが寒くてしゃがんでる時頭をポンポンってやってみたら。
みきちゃんは笑顔でこっちを見てくれた、、
そして、お台場方面を見に行ってみた。
するとすごい光景があった。
みきちゃんは海のほうへ駆け寄り、
『すごい!!!キレイだね!!!!!!やばいよ!!!!』
僕はこう言った。
『キャンディードロップみたいだね!!!宝石みたいだよ!!!キレイすぎるって!!』
船の自由信号(F’)が僕らを照らしてくれてた。
その後ご飯を食べにお台場まで行った。僕はもうここで付き合ってるの?って錯覚してしまった。
週末の夜、二人きりで夜景を見に行き食事をするなんて、、、
食事をしてるとき僕はお手洗いへ掃けた。
友達にこうメールを打ってた。
『僕に勇気を下さい』
友達からメールが来た。
『つ勇気』
僕は大きく息を吸い込み覚悟を決めた。
レストランからはレインボーブリッヂと東京タワーが見えた。
夜遅いので既に電気はしていなかったけど、キレイだった。
そしてお店を出た。
お店を出て信号のところで。
『久しぶりに僕と手繋ごう?』
彼女は黙ったまま手を差し伸べた。
11年ぶりのみきちゃんの手、みきちゃんの体温、みきちゃんの脈。
僕はすごい素敵な空間へ誘われた。
車までは数十メートルだった。
このまま時間が止まって下さいと何度も思った。
その後みきちゃんは僕を自宅近辺まで送ってくれた。
最後にギュっと抱きしめて僕は帰宅した。
僕はみきちゃんのことが好きだ。何と言われようと好きだ。
だけどみきちゃんには結婚を考えてる大切な彼氏さんがいる。
僕はみきちゃんの幸せを奪うことは出来ない。
僕は家に帰りメールでみきちゃんにこう言った。
『本当に好きだよ。けど返事はいらないよ!ありがとうね。』って一言だけ。
僕は多分この先みきちゃんと会うことはないと思う。
それは僕が彼氏さんとの幸せな時間に邪魔することは出来ないからだ。
だから僕は11年前と今感じた思い出を大切にしてこれから死ぬまで生きていきたい。
本当の宝物だよ。僕は僕の幸せを見つけにいこうと思う。
『僕、みきちゃんのこと18歳になったら迎えに行くから!!』
さようなら。ありがとう。
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