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ももたろう

ももたろう。

『はじまりはじまり』


むかあしむかし、あるところに おじいさんとおばあさんがすんでいました。

おじいさんはやまに『しばかれ』に。

「じいさん最近調子に乗ってるなあ」

『見るからにチンピラな男たちがおじいさんを取り囲み威嚇しながら木の棒を振り回す』

「あいやーぁ、やめてくれえー」

『ガタガタと震えるおじいさん』


まてまて、そんな物騒なはなしじゃなかったぞ。ごほんっ。失礼しました。


むかあしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました。

おじいさんはやまにしばかりに。おばあさんは川へ、せんたくにいきました。


おばあさんが川でせんたくをしていると、かわのうえのほうから、どんぶらこっこ、どんぶらこっこと、『なんと、おじいさんがながれてきました』。

「おじいさん、なにやってるんですか」

「暑いからおよいどったんよお」

『おじいさんはそのままかわしもまで流れていきました』

「夕方には帰ってくるんですよお」

『おばあさんは手を振って見送りました』


あれあれ、そんなはなしでもなかったですよね。ごほんっん。失礼しました、よみなおします。


おばあさんが川でせんたくをしていると、かわのうえのほうから、どんぶらこっこ、どんぶらこっこっと、大きなモモがながれてきました。

「まあ、なんて大きなモモでしょう」

おばあさんは大きなモモをひとりで全部食べてしまいました。とっても美味しかったそうです。

『めでたしめでたしっ』


めでたくないぃ。ごほんっ、ふたたび失礼しました。まじめによませていただきます。


おばあさんが川でせんたくをしていると、川のうえのほうから、どんぶらこっこ、どんぶらこっこっと大きなモモがながれてきました。



おばあさんはモモをいえにもってかえり、おじいさんとたべることにしました。


おじいさんとおばあさんがモモをわってみると、なかからげんきなおとこのこがうまれてきました。

おじいさんとおばあさんはおとこのこに、モモからうまれた、ももたろうとなづけました。


おとこのこはすくすくとせいちょうし、やがてりっぱなわかものになりました。

あるひ、ももたろうは言いました。

「おじいさん、おばあさん、私はこれから、オニガシマへおにたいじに行こうと思います。おばあさん、きびだんごを作ってください」


ももたろうはきびだんごをもち、オニガシマへと向かいました。

ももたろうが旅をしていると、いっぴきの犬がやってきてももたろうに言いました。

「ももたろうさん、ももたろうさん、おこしにつけたきびだんご、ひとつわたしにくださいな」

ももたろうは言いました。

「これからオニガシマへ、おにたいじに、ついてくるならやりましょう」

「いきましょう、いきましょう。オニガシマへおにたいじについていきます!」


そうして、ももたろうと犬は旅を続けました。


ももたろうと犬が旅をしていると、いっぴきのサルがやってきてももたろうに言いました。

「ももたろうさん、ももたろうさん、おこしにつけたきびだんご、ひとつわたしにくださいな」

「あげましょう、あげましょう。これからオニガシマへ、おにたいじに、ついてくるならあげましょう」

「いきましょう、いきましょう。おにがしまへ、おにたいじについていきましょう」


そうしてももたろうと犬とサルは旅を続けました。

ももたろうと犬とサルが旅をしていると、いちわのキジがやってきてももたろうに言いました。

「ももたろうさん、ももたろうさん。おこしにつけたきびだんご、ひとつわたしにくださいな」

「やりましょう、やりましょう。これからオニガシマへ、おにたいじに、ついてくるならやりましょう」

「いきましょう、いきましょう。オニガシマへ、おにたいじについてゆきます」


そうして、ももたろうは犬とサルとキジといっしょに、オニガシマへとやってきました。

「やいやい、悪いおにども、覚悟しろ。このももたろうがせいばいしてくれる」

ももたろうはかたなで鬼にきりかかります。

犬は爪でひっかき、サルは牙でかみつき、キジはするどいくちばしでつつきまわします。


「あいたたたっ、もうやめてくれ」

「ひいい、勘弁してくれ」

「まいった、もう悪さはしません。許してください」


鬼たちは地面に、はいつくばってあやまります。

「おわびに、集めた宝物はすべてさしあげます」


鬼にもらった宝物を持って、ももたろうは家に帰りました。

おじいさんと、おばあさんは、たいそう喜びました。

そうして、おじいさんと、おばあさんと、ももたろう、犬、サル、キジはなかよく、しあわせに暮らしましたとさ。

『めでたし、めでたし』


ふう、無事に終わった。おつかれさまです。

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