終わりの詩
あゝ 長きにわたる この世界も
遂には終わりを告げてきた
始めは素敵なものだった
花は咲き、虫は騒めき、風はそよいだ
雲は流れ、嵐を呼び、嵐が去りし後は、
ふたたび太陽が大地を照らした
それは永遠に感じられるほど
素晴らしい一瞬の連続で
そのひとつひとつを
僕は、噛みしめて生きていたんだ
それがだんだんと
当たり前に感じ始めて
だんだんとひとつひとつが
はっきりしなくなってきて
いつの間にか、日常となっていた
だから僕は、何もせずに過ごしたんだ
永遠のように感じたから
今は、なにも やらなくていいような気がして
それからは、あっという間だった
この世界が 終わるまで
気が付けば、もう 終わっていた
後悔しても、もう遅い
あゝ 終わりがやってくる
まだ、終わりたくない
終わりたくないんだ
まだ、終わりたくない
僕には、まだ、やることが……
僕には、まだ、やりたいことが……
「終わりの詩」と読んでください。