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第1章 2 迷い途
どうしよう、お母さんがいない・・・
『つらくなったら ここへおいで』
ふと、思い出した。
以前、見知らぬうちに机の引き出しに入っていた手紙。
何か分からないままに、触れることはなかったけど、捨てることもできなかった手紙。
あれは、もしかしたらお母さんと関係があるのかもしれない・・・!
急いで机の中身を探した。
いつのまにか、奥へ奥へ入ってしまっていたらしく、ぐちゃぐちゃに折り曲がって破れていた。
「・・・あった・・・」
その手紙を握りしめて走り出す。
何処にあるか分からない目的地に向かってひたすらに。
だいぶ辺りも暗くなってきた。
ここは何処だろう。
何だか、人気のないところへ来てしまった。
「・・・迷った・・・」
帰ろうにも元来た道が分からない程に迷ってしまった。
(・・・どうしよう・・・、お母さん・・・・)
「どうかしましたか?」
振り向くと、着流しに番傘の二十代後半くらいの男。