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憂愁お男(ひと)  作者: 捺魅
La vérité ou un mensonge
4/14

序章 4


「大丈夫ですか・・・?」


こんなに眠たいなんて、どこか病気?

気分でも悪いのだろうか?


私の力じゃ引っ張り起こせないので、しゃがんで抱きかかえるようにして、身体を起こした。


「んぅ・・・、あ、シャンプーの匂い・・・」

「今、お風呂から出てきたばかりですからね」


奏志さんは、まだ私にしがみついたまま、首元に顔を埋めてくる。


「くすぐったいです・・・早く起き上がってください」

「もうちょっとだけ・・・」


もうちょっだけ、こうしていたい・・・


そんな、消え入りそうな声で言われたら、何も言い返すことが出来ない。


おとなしく、このまま時間が過ぎるのを待った。


「また寝ちゃだめですよ・・・っひ!・・っ!」


首筋にぬるっとした感触があったと思ったら、柔い痛みが走った。

紛れもなくそれは、奏志さんの舌と歯のせいであって、恥ずかしくて反論しようとしたら、くすくす笑っていて・・・

余計に恥ずかしくなって、力ずくで逃げようとしたら、


「何処へ行くのですか?」


と、がっちり腰を掴まれてしまった。


「も、もう寝るんです!」


赤くなっているであろう顔を見られたくなくて、俯きながらやけくそに大声を出した。


「そうですか、お休みなさい」


くるっと方向を転換させられて、唇に柔らかい感触が重なった。



「さて、ではわたしもお風呂に入ってきますね」


私はしばらくその場から動くこと出来なかった。




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