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第2章 1
一旦、現在に戻ります。
「奏志さん、起きてください、朝ですよ?」
「・・・ん」
「起きてくださいっ」
◆
「まったく、勝手に部屋に入ってくるとは・・・」
「だって、全然起きてこないからっ」
「わたしが言ってるのは、男の部屋に易々と入るものじゃないと」
「っ! す、すいませんでしたっ!」
言われて初めて気づいた。
顔が赤くなっていることは、鏡を見るまでもない。
「襲って欲しかったのなら話は別だけど?」
「変態っっ!!!」
鞄をもってそそくさと学校へ向かう千鶴の背中が見えなくなるまで見送った後、
「---さてと、」
向かった先は、千鶴の家。
鍵を開け玄関へと入る。廊下を通り浴室へと移動する。
お湯を入れ、浴槽を満たすまでリビングで暇を潰す。
辺りを見回すと、どことなく生活感があるような気がする。
二十分が経過し、そろそろだろうと浴室へ行くと、調度いい具合にお湯が溜まっていた。
近づいて懐から瑠璃色の勾玉を取り出すと、そっとお湯の中へ沈めた。
ぽちゃんっと水が跳ね返る音がして、しばらくすると波が出来始めた。
勾玉を沈めた所を中心に弧を描いて、何かが浮かび上がる。
それは、今でいうテレビ電話のようなそんな感じ。
水面に映ったのは、栗色の長い巻き毛の女。




