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第四十二話 「血の協定」

 ルナたちの村が、王国の新たな首都となることが決まった。国王は、この小さな村を、アルフレッドから身を隠すための拠点としてだけでなく、新たな王国を築くための、希望の地として、再建することを決意したのだ。


 その頃、王都では、アルフレッドが、国王の生存と民衆の反乱の知らせを聞き、狂気に陥っていた。

「ば、馬鹿な!なぜ、国王が生きているのだ!なぜ、民衆が、私に逆らうのだ!」

 アルフレッドは、怒りに任せて、手近なものを叩き割った。

 ゼウスは、冷静にアルフレッドに告げた。

「アルフレッド様。……もはや、力で民を従えることはできません。……我々は、王国の民を、完全に掌握する、新たな策を、講じなければなりません」

 ゼウスの言葉に、アルフレッドは、ゼウスに尋ねた。

「……新たな策だと?……この状況で、どうすればよいのだ!」

 ゼウスは、アルフレッドに、一つの策を提案した。

「……アルフレッド様。……王国の民を、完全に掌握するには、恐怖を、与えるしかありません。……王国の各地で、疫病を、本当に、広げるのです」

 ゼウスの言葉に、アルフレッドは、驚きを隠せない。

「……疫病を、本当に……!?……そんなことをすれば、王国の民は、全員、死んでしまうぞ!」

「……いえ、アルフレッド様。……この疫病は、死に至ることはありません。……ただ、人々の心を、恐怖で、支配するのです。……そして、王国の民は、疫病から逃れるために、我々を、頼るしかなくなるのです」

 ゼウスは、そう言って、邪悪な笑みを浮かべた。

 アルフレッドは、ゼウスの言葉に、満足そうに頷いた。

「ははははは!……ゼウスよ。……お前は、本当に、恐ろしい男だ。……よし、その策、実行に移せ!」

 アルフレッドは、ゼウスに、そう命じた。


 一方、ルナたちの村では、王都の民衆が、アルフレッドへの反乱を起こしたことを知り、安堵に包まれていた。

「やった!これで、アルフレッドの時代は、終わりだ!」

 ミリアが、歓喜の声を上げた。

「いいえ。……まだ、油断はできないわ」

 ルナは、ミリアの言葉を制し、国王に進言した。

「陛下。アルフレッドは、必ず、新たな手を打ってきます。……そして、今度は、民衆の反乱を鎮圧するために、さらに大規模な軍隊を、連れてくるでしょう」

 ルナの言葉に、国王は、深く頷いた。

「わかっておる。……だが、我々には、この村という、最後の砦がある。……ルナ・カーヴィル。この村を、この国の、新たな首都と、しようではないか」

 国王の言葉に、ルナは、驚きを隠せない。

「……首都、ですか?」

 ルナが、国王に尋ねた。

「ああ。……この村は、古代竜アウルムに守られ、豊かに実っている。……この村を、この国の、新たな首都とすることで、王国の民に、希望を与えるのだ」

 国王の言葉に、ルナは、深く頷いた。


 こうして、ルナたちの村は、王国の新たな首都として、変革を遂げることになった。

 ルナは、国王、エリザベス、そしてレオニードと共に、新たな首都の建設に着手した。

 村人たちは、国王の言葉に、希望を見出し、精力的に、新たな首都の建設に勤しんだ。


 その頃、王都では、アルフレッドが、ゼウスの策を実行に移していた。

 王国の各地で、疫病が、本当に、広まり始めた。

 人々は、原因不明の病に倒れ、混乱に陥った。

「……これは、ルナ・カーヴィルの村から、広まった疫病に違いない!」

「ルナ・カーヴィルを、捕らえろ!」

 アルフレッドは、疫病を利用し、王国の民を、再び、ルナたちへの憎悪で、満たそうとした。

 王国の民は、再び、恐怖と憎悪に支配され、アルフレッドの言うことを聞くしかなかった。

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