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第四十一話 「王国の変革」

 ルナたちの村の収穫祭は、アルフレッドのデマを打ち破り、国王の生存を王都の民に知らしめた。ゼウスが仕掛けた「疫病」の罠も、レオニードとカインによって未然に防がれ、民衆はアルフレッドの卑劣な嘘に気づき、怒りを募らせていた。


 王都の広場では、国王が自ら民衆の前に姿を現し、アルフレッドの悪行を全て語った。

「皆の者!私は死んでなどおらぬ!アルフレッドが、私と王国を裏切り、王位を簒奪しようと企てていたのだ!ルナ・カーヴィルという村娘は、この国の希望だ!彼女の村は、疫病の元凶などではない!この国を救うための、最後の砦なのだ!」

 国王の言葉に、民衆は熱狂し、国王への忠誠を誓った。

「国王陛下!陛下を、お守りします!」

「アルフレッドを、討て!」

 民衆は、アルフレッドの私設軍隊に立ち向かうために、武器を手に立ち上がった。


 その頃、アルフレッドの邸宅では、国王の生存と、民衆の反乱の知らせを聞き、動揺が広がっていた。

「アルフレッド様!国王陛下が、生きておられました!」

「民衆が、我々に反乱を起こしました!」

 部下たちの報告に、アルフレッドは、怒りに顔を歪ませた。

「くそっ!あの村娘どもが……!ゼウスめ、なぜ、収穫祭を阻止できなかったのだ!」

 アルフレッドは、ゼウスに、怒りの声をぶつけた。

「アルフレッド様。……民衆の心は、すでに陛下とルナ・カーヴィルに向いております。……このままでは、勝ち目はありません」

 ゼウスは、冷静にアルフレッドに告げた。

「……ならば、どうすればよい!?」

 アルフレッドは、ゼウスに尋ねた。

「……陛下を、再び、亡き者にするのです。……そして、王国の民に、真実を語る者が、二度と現れないように、徹底的に、口封じをするのです」

 ゼウスの言葉に、アルフレッドは、邪悪な笑みを浮かべた。

「ははははは!……ゼウスよ。……お前は、本当に、恐ろしい男だ。……よし、その策、実行に移せ!」

 アルフレッドは、ゼウスに、そう命じた。


 一方、ルナたちの村では、王都の民衆が、アルフレッドへの反乱を起こしたことを知り、安堵に包まれていた。

「やった!これで、アルフレッドの時代は、終わりだ!」

 ミリアが、歓喜の声を上げた。

「いいえ。……まだ、油断はできないわ」

 ルナは、ミリアの言葉を制し、国王に進言した。

「陛下。アルフレッドは、必ず、新たな手を打ってきます。……そして、今度は、民衆の反乱を鎮圧するために、さらに大規模な軍隊を、連れてくるでしょう」

 ルナの言葉に、国王は、深く頷いた。

「わかっておる。……だが、我々には、この村という、最後の砦がある。……ルナ・カーヴィル。この村を、この国の、新たな首都と、しようではないか」

 国王の言葉に、ルナは、驚きを隠せない。

「……首都、ですか?」

 ルナが、国王に尋ねた。

「ああ。……この村は、古代竜アウルムに守られ、豊かに実っている。……この村を、この国の、新たな首都とすることで、王国の民に、希望を与えるのだ」

 国王の言葉に、ルナは、深く頷いた。


 こうして、ルナたちの村は、王国の新たな首都として、変革を遂げることになった。

 それは、ルナたちが、この国を、根本から変えていくための、最初の一歩だった。

 しかし、アルフレッドもまた、新たな罠を、仕掛けてくるだろう。

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