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第三十七話 「攻防の火蓋」

 ルナたちの村に、アルフレッドの大軍が迫りつつあった。全貴族に討伐を命じられた軍勢は、その数、実に一万。重装歩兵、弓兵、魔法使い、そして強力な魔導兵器を携えた軍隊が、ルナたちの村を地図から消し去るために進軍していた。


 村では、ルナが、村人たちに指示を出していた。

「みんな!村の入り口に、魔法の罠を仕掛けて!フィオナ姉、ミリア、カインさん!いつでも戦えるように、準備をお願い!」

 ルナの言葉に、村人たちは、慣れた手つきで、村の周りに、魔法の罠を仕掛けていく。

 フィオナは、大剣を握りしめ、村の入り口に立った。

「来い!アルフレッドの軍勢よ!このフィオナが、相手になってやる!」

 ミリアは、弓を構え、フィオナの隣に立った。

「私も、負けないよ!」


 その頃、村の奥では、国王が、レオニードとエリザベスに、今後の作戦を話していた。

「レオニード。お前は、この村に残り、ルナたちを支えよ。エリザベス。お前は、私と共に、この村を、守り抜くのだ」

 国王の言葉に、レオニードとエリザベスは、頷いた。


 夜が明け、朝の光が村に差し込むと、遠くの森から、無数の軍隊が姿を現した。

 アルフレッドの軍勢だ。

 彼らは、隊列を組み、村へ向かって進軍してきた。

 しかし、彼らが村に近づくと、地面に仕掛けられた魔法の罠が、次々と発動した。

「ぐわぁぁぁぁ!」

 兵士たちが、地面から吹き出す炎や、突然現れる岩の壁に、次々と倒れていく。

「な、なんだこれは!」

 アルフレッドの軍勢は、パニックに陥った。

 ルナが、村の入り口に立ち、大声で言った。

「アルフレッド卿!この村を、舐めるな!」


 アルフレッドは、ルナの声に、怒りに顔を歪ませた。

「くそっ!あの村娘め!これを使え!」

 アルフレッドは、部下に、魔導兵器を使うように命じた。

 魔導兵器は、巨大な魔法のエネルギーを放ち、村の結界を破壊しようとした。

 しかし、魔導兵器から放たれた魔法のエネルギーは、結界にぶつかると、淡い光を放ち、消え去った。

「馬鹿な……!なぜ、効かないのだ!」

 アルフレッドは、信じられないといった表情を浮かべた。

 ルナが張った結界は、アウルムの力によって、村の土地と一体化しており、外部からの魔法の攻撃を、無効化する力を持っていたのだ。


 アルフレッドは、怒りに顔を歪ませ、自ら、村へと向かおうとした。

 その時、森の奥から、大地を揺るがすほどの巨大な唸り声が響き渡った。

「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 アウルムの咆哮だ。

 アウルムは、村の入り口に姿を現すと、威圧的な視線をアルフレッドの軍勢に向けた。

「我が聖域を汚す、愚かなる者どもよ!すぐに、立ち去るがよい!」

 アウルムの言葉に、アルフレッドの軍勢は、恐怖に震え上がった。

 兵士たちは、武器を捨て、一目散に逃げ出した。

 アルフレッドは、アウルムの姿を見て、腰を抜かした。

「ば、化け物だ……!」


 アルフレッドの軍勢は、アウルムの力によって、完全に撃退された。

 村人たちは、アウルムに感謝の言葉を述べた。

「アウルム様!ありがとうございます!」

 アウルムは、静かに頷き、村人たちの感謝を受け入れた。


 ルナは、国王に、アルフレッドの軍隊を撃退したことを報告した。

「陛下。アルフレッドの軍勢は、アウルム様によって、完全に撃退されました」

 国王は、ルナの言葉に、安堵のため息をついた。

「……ルナ・カーヴィル。お前は、本当に、この国の希望だ」

 国王は、ルナを、心から称えた。


 ルナたちの村は、王国を救うための最後の砦として、アルフレッドの攻撃を耐え抜いた。

 しかし、アルフレッドは、まだ諦めていない。

 彼は、ルナたちを、そして、国王を、完全に排除しようと、新たな陰謀を企てる。

 それは、王国全体を巻き込む、壮大な戦いの始まりだった。

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