冬の少女、窓辺にて。
窓辺が好きだ。
晴れているときも
雨の降るときも
窓辺で 一人 佇むのが好きだ。
誰も相手にしてくれず
世界に一人になった けれど
窓だけは 窓だけは
私のお友達。
家の中でも手放せないマフラーを
ぎゅっと 掴む 平日の午後。
みんなは学校に行っているね。
なんで行くのかな、
なんで 行くの かな?
どうして
太陽とともに 外に出て
沈む頃 帰ってくるのかな?
わからない。
家の中は あったかいのに。
誰もいない 家の中は あったかい。
平日は静かだ。
世界に 誰も いないみたいに。
窓に 息を吹きかけて できる 曇りは
私の 生きた 証だね。
外も 家も 誰もいなくて
心地良い。
義務を果たしていないと
こうも 置き去りに されるのかな。
窓のそばにいるときは
生まれる前に 戻ったかのようで
心地よくて ふいに 涙が出て
天国にいるみたい。
もうずっと ここでいいよ。
ずうっと ずっと
窓辺にいるから
私は 冬の 窓辺にいるから。
どうか 息を 吹きかけて。