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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
二章 新たな種族とメグルの夢
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三日が立ちました。

今日は元老院が開かれる日。…らしい。リース情報ではそうだったはず。

ってことは、今日僕の処遇が決まるんだよね。

ここで下手打って、死刑とかになるのだけは避けたいなぁ…断罪されるって実感が全くわかないけども。


何か夢の中にいるみたいにフワフワしてる。

現実感が全くない。自分が今日、死刑宣告を受けるかもしれないって思ってても、それに理解が追い付いていない感じだ。

だから、ずっとこの独房の中にとどまっている訳なんだけども。


……それを今日の裁判(元老院って言葉に聞きなじみがないから裁判でいいや)で言ったら、罪が軽くなったりしないかな……


一瞬浮かんだ思いを、首を振って追い払う。

こんなこと言っても、信じてもらえないだろうな。それどころか、「うむ…人間め、何か汚い手を使ったのだろう」って言われる気がする。

実際に魔力がないなんて、特例中の特例っぽいからなぁ。


そのうえ、魔族なんて僕の種族が判明しただけで捕まえにかかってくる人たちだしな……


ん? でも少なくとも、リースとはいい関係…とはちょっと違うか。友達みたいな関係を築けていたと思ったのに。

それなのにこんな事になるなんて。裏切られた気分だ。


いや待てよ。あいつが自分から僕をここに連れてくるとは思いにくい。

一番初めだって、匿ってもらったりしたしな。

……何か事情があったりしたんだろうか? 次に会ったら聞いてみるのもいいかもしれない。


っと、こんなことを考えてたって、状況は何も好転しない。

今考えるべきは、どうやったら僕が生き延びられるかを考えることだ。

リースが言うには、僕はおそらく死刑になるだろう、ってこと。


だったらそれを覆すには、しっかりと考えていかなきゃいけないと思う。


と、思うんだけど……


そしてそう思ってちゃんと考えたんだけど……

僕、行き当たりばったりで喋ることの方が得意なんだよね。というか、そうらしい。


だから、今考えたところで、正直どうにもならない気もしなくもないというか。


ぶっちゃけ頭がオーバーヒートしそう。

一々問答を考えて、それに対する答えも考えるってのは、意外と難しい。


まあ、慣れればそうでもないんだろうけど。

今までにこんなことする機会もなかったしな、しょうがないところもあると思うんだよね。

だから今できる最善の策は、ちゃんと服を着がえて、ついでに髪とかも手櫛で整えることくらいだ。

やっぱり第一印象は大事だと思うんだよね。それが少しでもプラスに働いてくれると尚いい。


そう思って、マジックバッグから新しい服を取り出そうとして。

……ない。

マジックバッグがない。

ついでに、ソウレンさんからもらった刀、『斬魔』もない。

いつの間に無くしたんだ?


ってそうか。囚人に、いかにも怪しい腰巾着とか武器とか、持たせてくれる訳がないよな。

というか今ここにあったら魔族側の正気を疑うもん。


……ああ、でも、ここまで来たら石鹸が欲しい。

よく考えたら、今までずっと水浴びもせず森の中をさまよってたんだよな。


……よし仕方ない。こっそり抜け出して調達することにしよう。


思い立ったが吉日。即行動を開始する。

気分は某スパイ映画の主人公だ。『スパイ大作戦』の音楽が頭の中に流れてくる。

...って、これ、見つかったら心象が悪くなるどころじゃないよねぇ。

ここまでハイリスクローリターンな行動、人生で初めてな気がする……


よし、やーめた!


ここはリスクなんかしょわずに、おとなしく引き出されるのを待つとしよう。




そう思って待つことしばらく。静かな地下牢に足音が響いたと思ったら、武装した屈強な鬼人に、

牢屋から連れ出された。



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