料理がおいしかったです。
一目散にお皿の前に駆け寄って、食い尽くさんばかりの勢いで食べ始める。
うん、おいしい!
こっちのでっかいゆで卵みたいな奴なんか、塩加減が絶妙で、しかもなんかピリッとしてる。
あと、このステーキも柔らかいし、こっちのサンドイッチみたいなのも最高!
パンは固いけど生ハムが入ってて、久しぶりにこんな濃い塩味の物食べた気がするよ!
あっでも、野菜が全くないのがちょっと物足りないな。
さてお次は何を食べようかな…
そんな感じで片っ端から食べていると、誰かに首根っこを掴まれた。
「はいメグル、そこまで。
それ以上食べたら他の人の分がなくなるでしょ!」
「げっ、リースか……何すんだよ、せっかく人がおいしく食べてたってのに。
僕は、食事という名の大事なミッションの真っ最中だったんだよ?」
「そんなの、見りゃ分かるわよ。
私は、他の人の分がなくなるからやめなさいって言ってんの」
……それもそうか。リースの主張にも一理あるな。
そう思った僕は、言う。
「分かった。とりあえず全種類制覇させて」
「……全くわかってないんじゃん!?
とにかく、もう食べんのは禁止。……ほら、行くよ」
「えー、やだ」
「全く…。聞きわきのない奴め。硬直魔法」
「なっ——」
何してんの?
僕の首根っこを引っ張ってどこに連れてく気だよ。
というか、さっき猫の獣人さんにもやられたけど、これ何?流行ってんの?魔族の中で流行ってんの?この連行の仕方が?
って言おうとしたのに、口も動かせないし、舌も、目玉さえ動かせない。だから視線が固定されて、周りが見えない。唯一、床だけ見えてる状態だね、今は。
どうなってんのこれ?
絶対あの性悪魔王、僕になんか魔法掛けたよね?
こんな時ほど異常状態耐性がないことを悔やんだことはない……
異常状態耐性なんて、どうやってとるのか謎ではあるんだけど。
……あるのかすら分からんけど。
ん?そういえばソウレンさんに教えてもらった僕のステータスに、【魔法防御力】の項があったよね。
そいつ、0じゃなかったっけ。
ってことはだよ、そもそも僕が、異常状態耐性とかを取ったところで、魔法をもろに食らうんだったら意味ないじゃん。
ちーん。
畜生、何で僕には魔力も魔法防御力もないんだよぉ。
魔力がないんなら、せめて魔法が効かないとかっていう、チートの一つくらいくれよ……
魔力無いんだからさあ……
ねえ。せめて魔法効かないとかっていう………
勝手に打ちひしがれていると、なんかどさっと放り出されて、やっと体が動くようになった。
よかった。
……ここは文句の一つでも言ってやらにゃ気がすまん。
「何さらしてくれとんじゃボケェ!」
「あぁん!?あんたがずっとご飯食べてたのがいけないんでしょ?
あまつさえ、その仮面を途中で投げ捨てやがって!」
?、その仮面ってどの仮面だ?
…(考え込むこと10秒)…「ああ、あのリザードマンみたいな」
「それよ。今してる?その仮面」
してるに決まってるじゃん。
そう思って顔を触るけど、あれ?なんか直に触れたような感触がある。
おかしいな…あのマスク、いつの間に消えたんだろう?
リースは投げ捨てたって言ってたけど、こちとらそんな覚えはないんだが。
まあ、ここで嘘ついても始まんないし、考えてても意味ないな。
そう判断した僕は言う。
「してないね」
「何満面の笑み浮かべて言ってくれてんのよ!?
あんたが能天気に食事してる間、こっちは大騒ぎだったんだから。『人間が出た!』ってね」
「そうだったのか。
途中から周りに人がいなくなって、てっきり僕に遠慮してくれてるのかと」
「……それもあるかもね…」
んで、ここはどこだ?
今更ながらに気が付いた。
今僕がいるのは、なんか、石造りの、鉄…じゃないな、これは。
何かの金属(?)でできた格子がはまった、窓のない部屋。
そして唯一の出入り口には、結解が張られている。
ここって、もしかして、いや、もしかしなくても、……牢屋か?
……そうじゃないと信じよう。
というか、そうじゃないと信じたい。
「ねえリース、ここってどこ?」
「ん? …牢屋ね」
「………。
….…なんで僕が牢屋に入ることになってんだよ!?」
僕の絶叫が、薄暗い牢屋の中に響き渡った。
新しく章を設定しました。
昨日新しく機能を発見して、いじってみたら章設定できましたので、
よろしくお願いします。




