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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
二章 新たな種族とメグルの夢
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大仕事が終わりました。

僕の考えた作戦は単純明快。

まずケーキを魔法で浮かせる。

その後崩さないように気を付けて下の段からスポンジとスポンジの間を切っていくつかに分ける。

そして扉をくぐらせてから元の状態に戻せばいいのでは?

というもの。

この完成度の高いケーキを、いかにそのまま運び出すかってことばっか考えてたけど、よく考えたら崩しても戻せばいいんだよ!


ってなことをみんなに伝える。


「お~、確かに!……なんで俺は気が付かなかったんだ…」

「その手が。……まあ俺は気が付いてたけどね」

「よし、やるか」

「そうだな。浮遊魔法(フロート)風刃魔法(ウィンドカッター)を使える奴は集まれ!」


とまあ好意的な反応。

反対とかされなくてよかった。

なんか問題とかがあるんじゃないかとひやひやしてたけど、それも大丈夫みたい。

なにせ、僕魔法が一つも使えないからそっち方面の事は全くわかんないんだよね。

でもまあ、やってみないとわかんないことも多々あるよね……って、料理長さんが頭抱えてる。


どうしたんだろう?


「まってくれ、一旦とは言え、俺の最高傑作を壊すとは!俺は絶対反対だぞ!

 おい、やめろ、ケーキを浮かすな、落としたらどうするんだ!…頼むから、やめてくれ!」


…一人で叫んでるけど、誰にも相手されてない。

それどころか、全力で無視されてるし。あの人、本当に料理長なのか?

料理に熱い……というか、自分の()()に熱いのは分かったけど、それ以外はちょっとな……。


まあいいか。料理長は置いといて。

ケーキを今まさに浮かせようとしている人のところへ行く。


「なんかやれることありますか?」


「あー、だったら台車を裏の倉庫からとってきて、廊下に出しておいてくれない?」


「了解です」


とは言ったものの、倉庫がどこか分からない。こうなったら、人に聞こう。

そう思って周りを見渡すけど、みんな忙しそうに片づけたり魔法を放ったりしてんなぁ。

声をかけるのが憚られる。仕方ない。かくなる上は……。


勘でいくか。


いや、勘と言っても僕の勘は、運∞に裏打ちされた絶対的な勘だから。

侮んないでくれよ、まじで。ここ大事だからもう一回いう。絶対的な勘だから。


さて、この部屋の中には、二つの扉があります。

さて、倉庫はどっちでしょうか。

いや、もしかしたら見えてない扉に台車があるかもしれないから、やっぱりその可能性も含めて、正しい扉はどれでしょうか?


うーん……。

右の扉が怪しい気がする!

そう思って歩いて行って扉をあけ放つ。


中には、ほらあった!巨大な台車!

ここが正解の扉で間違いないよ。やっぱり僕は、ツイてんなー。勘がいいというかなんというか。

(え?実質二択なんだから、そんなの大したことないって?

 ……知らないよ、そんなこと。僕は運と勘が良かった、これでいいじゃないか。異論は認める。)


取り敢えず台車を引っ張り出して、今浮いているケーキがもともと乗っていたであろう巨大なお皿を乗っけて、廊下へレッツゴー。

 

 ・

 ・

 ・


その後はさっきのトラブルなど嘘だったかのように順調にケーキが運ばれ、大広間に到着。

大仕事が終わって、皆の間に弛緩した空気が流れる。


「…じゃあ、はぁ。みんな解散」


さっきの事を引きずってるのか、元気がない…いや、もはやこれは生気が抜けてんな。

そんな状態の料理長の、ありがたいお言葉。

それを聞いて、皆お城から出て立食会場(という名の大通り)の方へ行く。

もちろん、僕も続く。


さあ、やっとあのおいしそうな料理が食べられるぞ!

これでハンバーガーとサンドイッチと串焼きの生活からおさらばできる!

森で遭難してた時とは比べ物にならないほどのおいしそうで種類も豊富な料理の数々。


これは食べない訳にはいかないよね!

そう思って、僕は料理の山に突進していった。



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