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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
二章 新たな種族とメグルの夢
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内容のない会話をしました。


「これで分かった?私が、魔王(魔族の王)だけど魔王(魔物の王)じゃない、って言った意味が」


「で、結局リースは何歳なの?」


「乙女に年齢を聞くの?」


「うん」


「ざっけんじゃないわよ!」


「ふざけてなんかないしー。ただの興味本位」


「そういうのをふざけてるっていうのよ。

 乙女の年齢を聞くなんて、マナー違反よ!」


「そうだったんだ、知らなかったなー」


「何んと白々しい…何なのよあんた!?」


「ただのしがないメグルだ」


「じゃあ、何なの!?メグル!!」


「うるさい魔族の小娘がなんか言ってるけど、何にも聞こえないなぁ……っ!?」


と、言いつつこのやり取りを楽しんでる自分もいる。

だって、こっち来てからこの方、対等にしゃべったことがなかったんだよ。

ソウレンさんは師匠だし、『蒼のたてがみ』の人たちは先輩って立場だったから。

日本人の癖でつい、下手に出ちゃってたんだよね。


だから、ホントに久しぶりだ、こうやって言い合いするのも。

特にここしばらくは、森の中を話し相手もなく孤独に進んで来て、挙句の果てに無人の街と城だったから、落差が大きくて、楽しく感じる。


と思ったりした時期もありました………


ズドン、と音がして見てみると、目の前の床に何かが着弾していた。

クッションかと思ったら、今度は羽ペン!?

しかも床に刺さってるし。危険すぎだろ!!


「このやろ危ないだろうが」


「知らないわよ。…あら、手が滑って飛んでっちゃったみたいね。ごめんあそばせ」


「ふざけんなっ!ごめんで済むか!!」


「あら?じゃあ、乙女に年齢聞いてもいいっての?

 ………メグルこの野郎!」


「余裕かましてたと思ったら急にベクトル変えてくんのやめろ怖いだろ!」


「知らないわよ、あんたが悪いんじゃない」


「……リースちゃんはそーやって人に責任転嫁してくんだ~?」


「うざっ!?急にうざい!

 そしてメグル、あんた良くそんな難しい言葉知ってるわね」


「ん?責任転嫁って言葉?

 意味知らないんなら、靴をなめてくれたら教えてあげよう」


「いえ、結構です。……もう意味知ってんで。

 それより、私が何を気になったのか知りたかったら靴舐めなさい」


「……目をそらすな、目を。

 あと、僕別に気になってないもん。靴なんてなめなくて結構です。

 そんなこと言ってて、恥ずかしくないの~?」


「くっ、策にはまったか……」


「勝手に仕掛けた策に、勝手にはまっただけじゃないか」


「はっ!……ってそうじゃない!

 どこで魔族の言葉を習ったわけ!?それも私ですら知らないような言葉を!!」


「認めやがったな。そして、魔族の言葉……?」


魔族の言葉どころか、人の言葉すら習ったことないんだが……

でも、言われてみれば発音とか、口の動きとかがいつもと違う気もしなくもない……


………多分、スキル『言語理解』とかの影響だろうな。

人の話す言葉なら理解できるのかな?

まあ、おかげで助かったし、結果オーライということで。


もし、言葉が通じなければ今頃人間として牢屋に捕まってただろうな。

セーフ!スキルが有能で助かった。


と思ったけど、よく考えたら人間云々関係なく、僕の今やってることって、不法侵入だよな。

どうあっても捕まる運命じゃね?

と、重大な事実に思い至る。


ヤバい。ここで弁明に失敗したら大変なことになる。

全力で言い訳を考えなければ………


そう思って、頭を働かせようとすればするほど考えがまとまらず、頭の中が真っ白になっていく。


疑われないように話を別の方向に持ってって、うやむやにするか?

いや、リースの言動からしてほかの人もいるっぽいから、いっそ正直に話して、匿ってもらうか?

そうじゃなくて、今のうちに逃げ出す方法もあるけど……


どうしよう!?なんて説明したらいいんだ?

捕まらずに済む方法は………


でもあんまり黙ってるのも怪しいよね。とりあえずは、質問に答えるべきかな?

でもって、そのままさらっと打ち明けるのが最適解なはず!


「えーと、…気がついたら話せてました?

 あと、お城に入ってきたのは誰もいなくて仕方なく。僕は怪しいものじゃないです」


しくったー!

早く答えなきゃと思うあまり、間違った!

考えうる最悪の答えだよ、これは!!

明らかに怪しさ満点の打ち明け方をしてしまった…!!


「………」


まずい、墓穴を掘った!

下手に弁明しようと思ったのがまずかった!!

どうしよう!?


こうなったら、覚悟を決めるしかないかな………。ごくり。



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