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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
一章 異世界転移と同族のいる街
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遭難しました。

まさか、異世界に来てまで遭難するとは思わなかったよ。

そもそも、自分が遭難すると思ってる人間の方が少ないんじゃないか?


でも、実際今の僕がその状況なんだよな……


遭難したからには、自分の足で森から抜け出さなきゃならないんだよね。


ルミリアさんは、森は広くて魔族の国とは離れてるから安心、って言ってたけど、その広さが裏目に出た感じだね。こうも広くちゃ、どのくらい歩いたら出られるのか分からないじゃないか。

果たしてとんでもない方向に歩いてって、魔族と出会ったりして。

それはないか。ないよね?多分。

魔物を従えて、意味の分かんない言語でしゃべる蛮族とは、絶対で会いたくないんだけど。



でもまあ、直近の課題は遭難したこの状況から、どうやって街に戻るかなんだよね……


で、遭難した時に真っ先に心配すべきは食料なんだろうけど、僕にはいらない心配なのだ。

何てったって、マジックバッグの中に大量の食糧があるんだから。


ちなみに水も、抜かりなく貰ってあるからね。宿の井戸から。

なんかこのマジックバッグ、思ったものが取り出せる仕様になってるみたいなの。

だから、大量に入れた水を取り出すには、コップを持った手を中に突っ込んで「水ほしい」って思えばコップ一杯の水が手に入るのですよ。


逆に言うと、それ以上は一度に取り出せないってことでもあるんだけどね。


でも今回は、その素敵使用に助けられたよ。

マジックバッグには感謝だわ。さすが神器。

そして、水をマジックバッグにストックしていた自分にも感謝。まじ神。

これによって生き延びられる。


こんな感じで、食料問題は解決してるから、しばらくは何とかなるでしょ。


じゃあ次はどこに行くべきか、って話なんですけども。

僕はどっちに行ったらいいのでしょーか。

皆目見当もつきませんねー。困りましたねー。


…うん、分かってた。誰も反応してはくれないよねー。

というか、こんな森の中で心の声に反応してくる奴がいたら、そっちの方がホラーだわ。


でもまあ、行先の件はどうにかなるでしょ、きっと。

だって僕、運がいいもの。運が良ければ大抵の事は何とかなるって。

だから、行先は、この棒で決めたいと思います!


ヒュー、パチパチ(脳内サウンド)


しーん…(現実)


……。なんだよこの、想像と現実の隔たり!

自分が虚しくなってくるじゃないか、やめてくれよ!


…………ごほん。気を取り直して。

この棒が倒れた方に向かって歩こう。

天が運に味方するんだから、きっと大丈夫。

だって、天に味方された運が、僕についてるんだから!

(その割にはこっちの世界にさらわれて、その上ゴブリンに襲われてるって?

 ……気が付かなかったことにしよう。うん、そうしよう。)


棒を倒して、その方向に歩く。

その途中で、自分が通ったところに目印をつけるべきか?と思い立ったので、ナイフを取り出して木の幹や葉っぱに傷をつけていく。


こうしたら、自分の来た道をたどってスタート地点に戻れるもんね。

…まあ別名、『振り出しに戻る』ともいうけど。


……でも、どっちから来たかすら分からないよりはましだと思う。


そう思うことにしよう。


そんなことを考えながら歩いていくと、ついに日が暮れてきた。


夜森の中を歩き回るのは危険だというし、この辺で晩御飯を食べて、寝るか。

それにしても、森の深くまで歩いてきたのに魔物との遭遇がなかったのは、運がいいおかげかな?


自分の運の良さに疑問を持っていたことも忘れて、思いっきり手のひら返しをする僕。

座るのにちょうどいい木の根っこを見つけたので、だいぶ前と同じく電池を使って薪を作る。

そしてご飯を取り出すためにマジックバッグを漁る。


さて、今日のご飯は、ハンバーガーでいいか。



食べ終わったけど、少し物足りない。

今日こんだけ歩いてきて、昼ごはんも抜いてるんだからお腹がすくのは必然。

だから、もうちょっと食べよう——とマジックバッグにのびる魔の手を意志の力で叩き落とす。

いつまで続くか分からない遭難生活なのに、初日から食料を無駄に消費してたまるか!


しぶとく残ってる空腹を紛らわすために、もう寝よう。

でも、どこで寝ればいいんだ?

地面で寝たら、朝起きた時には魔物に食われて天国なんてことになりかねない。

じゃあ、テントみたいなのを作るかって言ったら、今から材料を集めるのは無理。暗すぎて危ない。


そうなると、やっぱり木の上で寝るしかないのかな……

寝相が悪いとそれもまた一発であの世行きのような気もするけど、他二つよりはまだましか。

そう考えて、木の上に登る。


筋力が付いたからか、思ったより簡単に登れた。

じゃあおやすみなさい。起きた時に生きてますように。


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