ソウレンさんが不機嫌です。
次の日。僕は冒険者ギルドに来ていた。
今日はアバントさんとは一緒じゃない。
何故かというと、あの人たちへの指名依頼が入ったの。で、それについていくか?って聞かれて、恐れ多いから、って断ったからこういう状況になっている次第でございます。はい。
なぜ敬語なのかって?
そりゃあ目の前にお怒りモードのソウレンさんがいるからですね。
「メグル?今日は何で俺を朝からギルドに引っ張って来たんだ?
俺にも武器屋の店主という仕事があるんだが。俺は、相談があるというからついてきてやったんだが」
えっと…………
意訳:俺の仕事が増える。迷惑だ。めんどくさいからやめろ。もう二度とやめろ。
俺の午前中の仕事は武器屋の店主なんだ。そっちの方が暇で楽できるからいいんだ。
でいいのかな?
かなりいちゃもんというか、いわれのないことで怒られてるな。……そもそも、普通の大人は朝から働くものなんだよ。
それなのに、朝から働いていないソウレンさんに言われてもなって感じ。
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それは僕が昨日、帰ろうとしたときの事。
「メグル様、ちょっといいですか?」
この人は確か………エイブルズさんか。
「何か御用ですか?」
「それが、あなた様はソウレンのバk……うちのギルマスのお弟子さんでしたよね?」
「はい。……うちの不肖の師匠が何かやらかしましたでしょうか?」
「それがですね、あのアh……ソウレンは、昨日領主様との会談を終えた後、雑談すると言って私を先に帰らせたんです。その時は旧友との再会だ、積もる話もあるだろうと思って了承したんです。
しかし、今日の昼になってもアイツ、じゃない、あの方はギルドに来なかったんですよ。しょうがないから、領主館に使いを走らせて、連れ戻しました。
それが先程の事です。
ですが、あのクソやr……いえ、高尚なお方はどうせ、明日も来ないつもりでしょうから朝から連行してきてほしいんです」
すごい長文でしゃべられて、頭がこんがらかりかれたけどまあ何とか理解。
でも疑問が一つあったので、聞いてみる。
「なんで明日もソウレンさんがサボるってわかるんですか?」
「前々回なんて、領主館で居留守使いやがりましたからねあの人。そんな奴が、こんなに素直に従うなんて、何か裏があるに決まってます!」
「そうですか……」
あり得ないことじゃない気がする……。なんか、オンオフがはっきりした人だからな、ソウレンさんは。もしオフのままだったとしたら、仕事さぼるだろうな……
そう思ったので、その頼みを引き受けた。
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で、今に至る。
昨日のことを思い出して黙ってるうちに、ソウレンさんの怒りメーターが降り切れかけてるからあわてて弁明を開始する。
これほっとくと、まじで命が危険。
やることなくて暇だから、手っ取り早くお金を稼ごうと思ったの。(本音)
「僕は、今日、腕試しに一人でクエストを受けてみようかと思い立ったのです」
どやあ。(建前)
どうしよう。ヤバい。ソウレンさんの眉間のしわが一本増えた気がする。
もう怒りボルテージ計測器が測定不能で吹っ飛びそう。
もっといい言い訳を考えなきゃ、命が危ない。冗談抜きで命が危ない。
エイブルズさんに頼まれて、面白半分で了承したから、ソウレンさんを連れてきたんです。(本音)
「で、ギルドに来るついでにソウレンさんを連れてきて、頼みごとを…じゃなかった、どのクエストがいいかなって選んでもらおうかと思ったんですよほら、僕はクエスト選ぶの初めてだから、ここは先輩の指導の下選んだ方が安心かなってそれに、どれが割に合わないとかわからないし魔物の危険度も知らないから一人で選ぶの怖いからお願いしようと思ったんです」(建前)
ここまで一息に言いきって、恐る恐るソウレンさんの顔を見ると、満更でもなさそうだった。
よし、少なくとも最悪の未来は回避できたかな。
「それで、どのクエストがいいでしょうか?」
「そうだな、じゃあまず見分け方だ。
まず、魔物の危険度に対して報酬が高すぎたり安すぎるのはだめ。
怪しいし、下手したら命に関わる。
あと、紙が古くなってんのも誰も受注しなかったってことだから怪しい。
その条件で探すと、まずはこれなんかどうだ?」
そう言ってソウレンさんが差し出したのは、トレントの採取依頼。
トレントは、木の魔物だけど、その体は普通の期と比べて耐久性が段違い。だから武器の柄によく使われる。
トレント自体は、まあ強いっちゃ強いけど、不意打ちに気を付けてれば大丈夫らしい。耐久性もあんまりないし。
これなら僕もできそうだ。採取場所も昨日言った森だから、多分大丈夫だと思う。
よし、これにしよう!
そう思って振り返ると、ソウレンさんがエイブルズさんに連れていかれるところが見えた。
ご愁傷さまです。あと、ありがとう。
心の中でお悔やみの言葉とお礼を言って、カウンターでクエストの受注手続きをする。
よし、じゃあクエストへレッツゴー!!




