みんなが言い合いを始めました。
そして冒険者ギルドについた僕だけど、マジックバッグから狩って来たオークを取り出そうとしたら3人に全力で止められた。
「メグル、お前全くこのバッグの事理解してねえな?」
「………ああ、かなり貴重なんでしたっけ。も、モチロン覚えてましたよ」
「どもりやがったな……ここで出すと大騒ぎになるに決まってんだろうが。分かってんならやめろ」
「そうでした」
いやー全く忘れてたよ。
危なかったけど、まあ結果オーライということで。
「じゃあこれ、どこで出せばいいんですか?」
「……どこで出そう?」
「リーダー、考えてなかったんだ……
自信満々に門をくぐっていくから何か策があるのかと……ねえ?」
「ええ。まったくアバントは昔っからアホなんだから」
「……。」ガクッ
あーあ、ひどい言われよう。そしてすっかり意気消沈して、アバントさん、膝から崩れ落ちちゃってるよ。
で、このオークどうしようかな。こうなっちゃったら、もうアバントさんは使えないだろうし、残るは二人だけど。
「そっちがとどめを刺したんでしょ?」
「そう言っといて、責め始めたのはリーエンじゃない」
「あのー……」
「僕は悪くない。その証拠に、ほら、リーダーがうなずいてるじゃないか」
「すいませーん…………」
「嘘おっしゃい。笑顔でさらっとだましやがって、この腹黒策士」
……ダメそうだな。もう二人だけの世界へ行っちゃってる。
よし、こうなったら頼れるギルマスを使おう。
カウンターに歩いて行って、そこで名前を出してソウレンさんを呼んでもらう。
しばらく待ってると、……ほら来た。さすがは僕の師匠。
「よおメグル。なんか用か?
あの3人とクエストに行ったて聞いてたんだが」
「それが……全力でオークを狩まくってたらいつの間にか…(中略)…そういうわけでですね?」
「そうか。なら、裏の解体所まで連れてってやる」
「ありがとうございます」
ソウレンさんと解体所までやってきて、言われた場所にどどんとオークを積み上げていく。
ひいふうみ…結構狩ってたんだな。途中で楽しくなって数えるのをやめちゃったからな………
そんなことを思いつつ出し切ると、16体のオークが山を作った。
一体だけでも金貨3枚って言われたのに、それがこんなにあるとはいくら何でも狩りすぎたな。
反省。
「こんなにあるとはいくら何でも狩りすぎだな」
一文字違うだけで反省の意味から責められてる感じに早変わりするとは恐ろしい……
これはソウレンさんが言ってるせいだな、うん。
特にソウレンさんの目が怖いんだよ、目が。そしてなんかオーラが出てるし。
「メグル、狩ってくるのはいいんだが、あまりやりすぎるとほかの冒険者の迷惑になる。数が減るからな。最悪、クエストの取り消しをしなきゃならん。
それに、これはオークだ。低ランクの冒険者でも狩ってこられるような奴だ。
それを狩りつくしたら、もっと上のクエストを無理して受けなきゃならない奴が出てくる。
もしそれでそいつが死んだら、お前のせいでもあるんだからな、次からはしっかり考えろ」
そう言うソウレンさんは、なぜか遠い目をしていた。
もしかしたら、無茶して仲間が死んじゃった、とか、ソウレンさん自身が死にかけた、とか、そういう経験があるのかもしれない。
次からは気を付けよう。
「でも、こんなに倒せたのか。強くなったな、メグル」
「はい!」
その後僕は、無事にオーガを引き渡して、受付でお金を受け取った。
ちなみに金額は、オーガ16匹分(オーガの数え方って匹でいいんだっけ?)の値段、金貨32枚から解体手数料を差し引いた、金貨30枚と銀貨4枚だ。
そして、いまだに言い合いを続けているアバントさんたちのところへ。
「そもそも、解体してこなかったのが悪い。だから、俺だけの責任じゃねえ」
「街の外かなんかでマジックバッグから取り出して来ればよかったんでしょ」
「お前はそう言ってるが、取り出した後はどうやって運べばよかったんだよ」
「だからそうじゃなくて、メグルのマジックバッグに頼りすぎたのが原因なんだって言ってんじゃん」
「……。メグルはどう思う?」
何時話に割り込もうかと思ってたけど、話を振られたなら都合がいい。
言っちゃえ。
「もう換金してきたんでなんとも」
「「「…………は?」」」
「だから、換金してきましたって。
もちろん騒ぎにならないように、ギルマスよんで」
「メグル、……よくやった!で、金額はいくらだ?」
後ろで、「つっこむところそこじゃない」って言ってるリーエンさんと、「ギルマスよんだ…?」って言ってるルミリアさんは(主に説明の面で)めんどくさいから無視して、アバントさんと話す。
「はい、金貨30枚と銀貨4枚です」
そう言って渡すと、いやいやこれは受け取れねえ、もらうとしたら精々一頭分だと突き返されたので、それを頑なに拒んでいるとリーエンさんとルミリアさんもアバントさんに加勢してきて、僕が折れて7:3で分けることになりましたとさ。
ちゃんちゃん。
……いや、ホントは僕の方が3割でいいと思うんだけどな…




