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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
一章 異世界転移と同族のいる街
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何だか紹介されました。

朝起きて、いつものように顔を洗いつつソウレンさんのところへ行くのか、と思って、はたと気が付く。


今日からは、別にいかなくてもいいんだ。

その代わり、冒険者ギルドでクエストを受注して、仕事をする、っていう仕事がある。


人生初の仕事だ。やったー!


いつもより気持ちゆっくり目に着替えて、優雅な気持ちで朝ご飯を食べて、しっかり歯を磨いて、刀を吊るして、


(あ、ホントは刀を帯にさしたかったんだけど、生憎着物が手に入らなくて諦めた。

 代わりに、ソウレンさんから刀と一緒にもらった、下緒と呼ばれる紐を、刀の鞘につけて持ち運んでい

 る。

 はあ、どうして刀を伝えたという老人は、着物を伝えてくれなかったんだろう……残念。)


マジックバッグを持って、さあ出発!


というところで、ちょうどやって来たアバントさんと鉢合わせる。


「メグル、ちょうどよかった。ちょっと冒険者ギルドまでついてきてくれ」


「? わかりました」


アバントさんに言われるがまま、着いていくことに。

何のために連れていかれるのかは分からないけど、まあ悪いことじゃないだろう。


そして冒険者ギルドに到着すると、アバントさんは左奥の長机の方へと歩いていく。


そこには、二人の男女が座っていて、傍らには大きな盾が置いてある。


「こいつはリーエン。双剣士だ。だが、見た目に反して策士だから、頭脳労働も任せてる」


「ちょっとリーダー、見た目に反してってひどくない?僕は見た目通りに賢いと思うよ?」


「知らん。俺がそう思ったんだからそうなんだ。というか、お前のその顔見て、頭がいいって思うやつの方が少ないんじゃないか?」


うーん、リーエンさんには悪いけど、僕はアバントさんに賛成。

だってリーエンさん、優男風の顔立ちで、のほほんとした雰囲気まとってるんだもん。そりゃ頭がきれるとは思えない………


「その独裁政治やめようよ。いつか滅びるよ」


「………」


「リーダー、謝ってよ。さすがの僕も、心折れたよ?」


言い募るリーエンさんの言葉は完全に無視して続けるアバントさん。


「で、こっちがルミリア。魔術師で、炎属性の使い手だ」


「ねえリーダー聞いて———」


「うるさいわね、ちょっと黙んなさい、リーエン。

 君がメグル君ね、よろしく!」


「よ、よろしくです」


こっちのルミリアさんは、魔法使いらしくローブを羽織って手には杖を持ってる。

あと、このパーティー内で一番上にいる人はルミリアさんなんだろうな。なんか他二人の扱いに慣れてるというか、手綱持ってる感じがする。


「で、俺がアバント。タンク役で、Bランクパーティー、蒼のたてがみのリーダーだ」


「はあ。……えっと、アバントさん?状況がいまいちの見込めないんですが」


「言ったろ?今から一緒にクエストに行くって」


「!?全く言われてないんですが」


「リーダー?メグル君に何も説明せずに連れてきたのかい?」


「いいじゃないか、別に。そもそも知ってると思ってたし」


リーエンさんに聞かれて、見事に開き直るアバントさん。

それを見て、ため息をついたリーエンさんは、こっちに向き直って言う。


「メグル君、こんな怪しい奴に、ホイホイ付いてっちゃだめだからね」


「俺は怪しくなんか……」


「怪しい奴の言うことになんか、耳を貸さなくてもいいからね」


「だから、俺は――」


「はいはい、そこまで。メグル君はコレみたいな怪しい奴にはホイホイついていかないこと。

 アバントはしっかり説明すること。報連相をしっかり意識しなさい」


「「はーい」」


そんな話をしてるうちに、いつの間にか僕がいて当たり前、みたいな雰囲気になってるけどいいのか?

戦闘に関してはド素人、役に立つどころか足を引っ張りまくる自信満々なんだが。


そう考えてるうちに、


「よし、じゃあ受けるクエストはこれでいいか?」


「いーんじゃない?」


「二人がいいなら僕も別にいいよ」


どんどんと、


「じゃあ装備に抜かりはないな?」


「多分?」


「大丈夫でしょ、さっき確認したし」


話が進んで行き、


「……街の外まで来てしまった」


実に3か月ぶりとなる、街の外にやってきてしまった……

ここまで来て戻るってのもさすがにな……


仕方ない。よし、前向きに行こう!


「今日はどんなクエストを受けたんですか?」


前を歩く3人に聞いてみる。


「今日は、オークを狩って、その肉を持ち帰るの。おいしいから、よく料理に使われるのよ」


「今はまだ、モンスターパレードの影響が収まってないから、冒険者にとっては稼ぎ時なんだよ」


オークの肉か…僕も食べたことあるんだろうな、知らないうちに。


「へぇー。今日はどの位持って帰ってくるんですか?

 何なら僕も手伝いますよ、マジックバッグ持ってますし」


「精々一匹かな。それ以上持って帰ってくるのは無理だから………マジックバッグ!?」


「嘘だろ、そうだよな。何かと勘違いしてるんだ。マジックバッグなんて、伝説の神器だぞ。こんなとこにあっていいもんじゃない」


「いえ、これがそうですよ。ちょっと見ててください」


そう言って、腰から下げていた刀を入れて見せる。

ついでに、アバントさんの盾も入れて見せる。



あれ?

ショックで三人とも、フリーズしてるよ。

こっちの世界に来てから、こんな光景何度も見てる気がする……


そして一番先に復活したのはアバントさん。


「は?メグル、そんなの持ってたのかよ。というか、そんなの持ってんだ?」


「気づいたら持ってたけど何か?

 ………そんなに貴重な物なんですか?」


その質問には、ルミリアさんが答えてくれる。


「ええ。聖剣、ユグドラシルの杖、神魔斧と並ぶ、神器よ。

 本来なら、国が管理するくらいの代物ね。実際、聖剣はここ、フェイシニオス王国の宝物庫で厳重に保管されてるくらいだし」


僕はそんなものを便利な無限容量ゴミ箱として使ってたとは……

これがばれたらどうなることか。黙っとこう。いや、それは不自然か?なんか言わなきゃ。


そして慌てて口から出た言葉。


「ふむふむ。ここって、フェイシニオス王国っていうんですね。理解しました」


「「理解するとこそこじゃ(ねェ)(ない)!!!!!!!」」


アバントさんとルミリアさんの息の合ったツッコミ。


「……メグル君、箱入り息子?」


リーエンさんには呆れられてるし……そんなに非常識かな?気づいてたら持ってたんだけど。


「ま、いいでしょ。それより、フェイシニオス王国について教えてください」

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