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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
一章 異世界転移と同族のいる街
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ハンバーガーを見つけました!

焼けたのをもらって、自分でも目が輝きだしたのを感じる。

少し焼き目が付いたパンにはさまれた平たく成形されたお肉。


これは紛うことなき、日本の国民食ともいえる、


「ハンバーガーだ!」


日本にいたときはよく食べてたけど、こっちに来てからは全くだったからホントに懐かしい。


さてお味の方はどうだろう?まずは一口かぶりつく。


おいしい!

この肉が、すごくいい!!嚙むと肉汁があふれてきて、味付けがちょっとの塩と胡椒なのにおいしい!


僕もだてに日本人やってたわけでもないから、やっぱりファストフードのバーガー店にはお世話になってるんだけど、あれより数段おいしく感じる!


野菜が挟まっていないのは少し物足りないけど、それは後で自分でやればいい話だ。

これ買った!大あたりだよ!!


「全部ください、在庫!」


「え!?……いいけど、お金はあるのかい?」


お店の人が訝しむように聞いてくる。

まあそりゃそうか、傍から見ればただの若者だもんね。(少年じゃないんだよ、僕はもう、17だからね。あくまでも、若者。)


「あります、いくらですか?」


食い気味に聞くと、在庫の数を数えていた店主さんが引き気味に答えてくれる。


「33個で、えーっと……金貨1枚と銀貨7枚と銅貨8枚と鉄貨2枚だけど、おまけで金貨1枚と銀貨7枚と銅貨8枚でいいよ。

 ああまったく、一々金貨一枚とかいうのめんどくさいったらありゃしない」


「ほんとにそう思います(一々聞いてると頭がこんがらがるしじれったい)」


そう言いながらお金を払って、ハンバーガーをゲット。

33個焼き切るのに結構時間かかったけど、まあそれに見合うほどおいしいからいいや。


そして次は、串焼きとサンドイッチ、あんまり甘くない饅頭みたいなのを大量に買う。


それにしても、こうやって大きな買い物ばっかりしてると、『金貨1枚と銀貨7枚と銅貨8枚と鉄貨2枚』とか言ってるとじれったいな。だれか、日本みたいに17,820円とかいう数え方にしてくれないかな。


そんなことを考えながら歩いていると、偶然にも、目の前をアバントさんが通り過ぎた。


「アバントさん!」


「ん?…おお、メグルか!トランプ?だったか。ありがとな、面白かったから自分でも作ってパーティーメンバーとやってるんだ。

 今からラオバンのところにやりに行くんだが、一緒に来ないか?」


「行きますけど…

 その前に野菜と調理器具買わないとなので。アバントさん、付き合ってくれませんか?」


「おお、まあいいぞ」


最初は、今買ったハンバーガーにはさむ野菜と、あればマヨネーズを買おうと思ってた。

でもよく考えたらまな板とか包丁とか持ってないことに気づいちゃって、思ったより散財の予感。


で、もっとよく考えると野菜の目利きができないから、困ってたら、運よくアバントさんがやって来た。だからついてきてもらった次第でございます。


「アバントさんは、野菜はよく食べるんですか?」


「うん、まあな」


……いや、そんなにどや顔でいうことじゃないですから。

僕でさえしっかり野菜は摂ってるんだから、野菜は食べるのが当たり前なんです。


そして大通りの一角、生鮮野菜が売っているところへとやってくる。


八百屋さんがこの辺に密集しているのはなんでだろう?

普通に考えて、店と店の間隔を離した方が儲かりそうなのに。

そう思ってよく見ると、実はそれぞれのお店の品ぞろえが微妙に違うことに気が付いた。


「なるほどね、こうやって一か所に集まってた方が目移りしてもらえてより儲かるってわけだ」


「何が『なるほど』なのかはよく分かんないが、メグル、何を買うんだ?」


「んーと。レタスとトマトと後はチーズ?」


「レタスとチーズは分かるけど、トマトって何だ?」


「え?無いんですか?」


「ああ、少なくとも俺は見たことも聞いたこともないぞ」


がーん、ショック………

やっぱりハンバーガーと言えばトマトは外せないっしょ。なのに何でないんだよ……


いや、ただアバントさんが見たことがないだけかもしれない。

少なくとも、八百屋さんの店員に話を聞くまでは、トマトがないと決まったわけじゃない!


そう、かすかな希望を抱いて全部のお店を回るも、その答えは「なんだそれ?」か「知らんな」の二パターン。心が10本くらい、まとめて折れた気がするよ。


そうか……仕方がない、トマトは諦めよう。

折れた心をストックと交換して、次はレタスを買い求める。

レタスは、どこのお店にも売ってたから、一番安いお店のを買うことにした。


「アバントさん、どれを買うといいですかね?」


「知らんな。生憎俺は、生まれてこの方野菜を自分で買ったことがない」


……いや、そんなにどや顔でいうことじゃないですから。

僕でさえしっかり野菜は摂ってるんだから、野菜は食べるのが当たり前なんです。


「じゃあ、さっき『野菜はよく食べるんですか?』って聞いたときにうなずいてたのは何でですか」


聞いてみたけど、答えは見当がつく。

どうせ、「俺は野菜が嫌いだって言ってんのに、皆に無理やり食べさせられるんだ」とかって理由でしょ。


「俺は子供のころはお袋に、今はパーティーメンバーに、一人で買い出しに来ることを禁止されてるからな」


「?」


どういうことだろう……意味不明な言葉だ。

いや、意味は分かるのに理解できないというかなんというか。もしかして、スキル『言語理解』がおかしくなったかな?


「俺が買い出しに行くと、なぜか財布が空になるんだよ。

 で、気が付いたら大量の品物を腕に抱えてるんだ。おかしいだろ?」


「うん、おかしいですね」


「おお、理解してくれるか。みんなは『おかしくない、お前がいらないものを買ったせいだ』って言って、俺の言うことを聞いてくれないんだ」


「そうなんですか……でも、アバントさんはおかしいと思いますよ」


「でも、これも必要、あれも必要だろう、と考えたら、普通そうなるよな?」


「まあ……必要なものを先読みして買うのはいいんじゃないですか?」


「だよな、財布が空になるほど買い物しちゃうのもおかしくはないよな!」


何か微妙にずれた会話だった気がするけど、そんなことよりレタスだ。

どれを買うべきか見当がつかない。よし、こうなったら直観に従って、………これだ!


そしたらチーズとトマトの代わりに玉ねぎも買って、まな板と包丁を手に入れて、買い物は終わり。


今日使ったのは、金貨が8枚と銀貨が5枚、あと銅貨が5枚。

所持金額に比べたら少ない気もするけど、節約するに越したことはないからしっかり倹約しよう。


そして僕の用事が終わったので、アバントさんと宿に向かう。

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