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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
一章 異世界転移と同族のいる街
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致命傷です。

今までモンスターは、魔石をドロップしてたじゃないですか。

でも、魔石ドロップしちゃったらモンスターが山になることってないんですよ!!Σ(゜д゜lll)ガーン

そういうわけで、誠に勝手ながら魔石は解体して手に入れるような仕組みに変えさせていただきました。

よろしくお願いします。

そう決意して、ルークの指示で開いた門から、先輩の冒険者たちと飛び出す。


まず目に入ったのは燃え尽きたモンスターの死骸。

そして半分溶解した武器や防具。それが一面に広がるその光景に息をのむ。

これらの持ち主がどうなったのかは、考えなくてもわかる。

あとで供養してやるから、今は許してくれ。


『アイス』系の魔法のおかげか、危惧していたように、足元が熱いということもなかった。

これなら足元に気を遣うこともない。


今は炎が消えてすぐだからモンスターもそれほどはいない。

でももう少ししたら地平線の向こうから湧いて出てくるんだろう。


モンスターがいなくなるか、それとも俺らが飲み込まれるか。二つに一つだ。

先の戦いで俺たちも消耗している。しかも人数が少なすぎて、門を守るには個人で戦うしかない。これから来るモンスターの数にもよるけれど、かなり厳しいことには間違いない。



「見えたぞ、モンスターだ!」


そんなことを考えていたら、城壁から声が飛ぶ。


そして一拍遅れて、モンスターの大群が俺たちの目にも映る。

心なしか最初に来た時より地鳴りの音が小さい。数が少ないのか。

だったら嬉しいんだが。



接敵。

俺たちの頭上から放たれた、雷撃魔法(サンダーボルト)が開戦の合図となる。

まず目についたゴブリンの首を飛ばし、何かを確認する暇もなくその後ろにいたモンスターを一刀のもとに切り伏せる。

少しでも気を抜くと押し負けて反撃を食らう羽目になる。

だから認知するより先に反射で切る。

こういう時は味方が少ない方が楽だ。


そして切って、突いて、薙いで。

さっき血糊をふき取ったおかげで、切れ味が戻っている。

ルークにもらったポーションのおかげで、体力もある程度回復した。

これならいける。そう信じてカタナを振り続ける。


______________________________________


ソウレン、大丈夫だろうか。

かなり疲れていた。ポーションは渡したけれど、あくまで気休め程度。

完全に回復させられるわけではない。


いや、こういう時こそ相棒を信じなければ。


そう思って城壁の上から相棒を一瞥する。

そして、地平線に目を凝らす。モンスターが来たら、すぐに知らせられるように。

こういう時に、遠くを見られる道具とか魔法とかがあればいいのにな。

強化魔法(インヘンス)だと、目への負担がすごすぎて失明する可能性もあるらしいから、使えないんだ。


「見えたぞ、モンスターだ!」


おっと。そんなことを考えている内に、いつの間にかモンスターが迫っていていた。

魔力も残り少ないことだし、一発大きいのを放ったらそれで終わりかな。


火魔法では延焼が予測がつかない。土魔法は届かないし水・氷系は論外。

これで行くか……「雷撃魔法(サンダーボルト)


詠唱と同時に手から放たれた雷が、モンスターの動きを止める。

この眩しく輝くものが何かは分からないけれど、これが当たると周りのモンスターは動きを止めたり、焦げて絶命したりする。

こういった、多数相手の時には重宝する魔法だ。


矢は、冒険者の数が減ったからか格段に射掛けやすくなったようでようやく機能し始めた。

これを喜んでいいものだろうか。そう思って外をのぞくと、ソウレンがブラッドボアの爪で切り裂かれるのが見えた。


______________________________________


大分魔物の血や油で刃が鈍って来たな。

そう判断したらすぐに、背中の長剣に持ち変える。

本当はカタナの方が、力がいらないから体力が持つんだが。それで死んだら元も子もない。


いきなり変わった感覚に、最初の一撃を外す。外してしまう。

体勢を崩し、隙を見せた、その時。


モンスターに皮膚を切り裂かれた。


傷口が熱くなり、血がしたたり落ちるのが視界の端に映る。

痛みを感じる暇もなく、俺を攻撃してきたモンスターを切りつける。その反動で体勢を立て直し、なんとか攻撃を開始する。

でも手負いの状況で勝てるかというとそうでもなく。


そのあともしばらくは戦えていたのだが……

戦闘のさなか、俺の視界は暗転した。

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