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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
一章 異世界転移と同族のいる街
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起死回生の一手です。(?)

思いついた作戦は、単純至極。

モンスターを焼き払おうというもの。


でももし失敗してしまったら、火が広がりすぎて味方の冒険者たちも巻きこんでしまうかもしれないという諸刃の剣。


具体的には、魔油をしみこませた矢を場外に放ち、爆発させようというもの。


魔油はドラゴンからとれる液体で、魔力が浸透すると大爆発を起こすという特徴がある。

だからこれは、ブレスのもととなると考えられているんだけど、何分高い。

ドラゴンの素材だからすごく高い。この街にも、桶一杯分あるかどうかってところだね。


この二つの理由で今までは遠慮してたんだけど、もうそうも言っていられる状況ではなくなった。

街がなくなる前に、これに一縷の望みを託す!


ギルマスが作戦を伝令に伝える。


「まず弓隊、矢に魔油をしみこませろ。そしてできるだけ遠くに放て。

 伝令は拡声魔法(ボルテージ)で剣士たちにそのことを知らせろ。

 魔術師は魔油を爆発させろ!

 以上だ、魔油は領主館にある、ルークと一緒に行き、それぞれに配布しろ」


「行くぞ!」


そう叫ぶと同時に僕は強化魔法(インヘンス)を自分に付与して駆け出した。


領主の館に到着し、門を魔法でぶっ飛ばして突入する。

驚いて制止しようとする使用人を振り切って地下室へ。

一番奥に置いてある魔油の入った革袋を取り出し、外へでて伝声の人に渡す。


報告を聞く限り、一番ヤバそうだったのは南門か。まずはそっちへ行くぞ。

魔力を温存しておきたいので、一旦強化魔法(インヘンス)を解く。


そして走る。

魔術師とはいえ、ソウレンと街の外に出るようになって、だいぶスタミナもついてきたから大丈夫。


南門に着いたら城壁の上に登って下を見る。

ん、これは想像してたより厳しい状況だな。魔物の数が多すぎる。

これ、伝令の報告にあった20分ってのも怪しいぞ。せいぜい3分くらいじゃ…


ここは一番大きな門だから、東門と同じくらい人を配置したはずなのに、たった10人くらいで門を守ってんのか。

その人たちを巻き込むことがないように慎重に風刃魔法(ウィンドカッター)を放つ。

本当は土魔法を使いたいところだけど、地面から遠いから使えない。どうにかならないだろうか。


大分魔物が減ったので、この隙に冒険者を交代させる。

もともとは街中に配置されていた人たちだ。


今まで戦っていた人にはHPポーションをぶっかけて、あとは周りにいた人に任せて放置。


次は東門か?

モンスターの死骸もどうにかしなくちゃならないし。

城壁の上を走った方が早いと判断して駆け出す。その途中で魔物に魔法を放ったり指示を出したりする。

それを鑑みるに、かなりというかもう駄目な状況だぞ。魔油はまだか!?


その時。


「弓隊、放て!」


その声で一斉に弓が発射される。

そんなに魔油を用意した覚えはないので慌ててそこら辺にいた伝令に聞くと、油をしみこませた矢も一緒に放ったそうだ。


「それでは、巻き込まれる確率が上がるのでは?」


「もう皆城壁の中に収容して、魔物は魔法主体でとどめています」


とのこと。

それでこんなに押されていたのか。この人をどやしたくなる気持ちが湧き上がってくるけれど、実際そっちの方が効果も上がりそうなので今はやめる。


「魔法、放て!」


次は魔術師による一斉掃射。大体の位置を決めて矢を放ってはいる。しかしどうしても誤差が出る上に矢がモンスターに刺さってしまったら移動する。だからこうして前面に魔法を放ち、『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』方式で行く方が確実なのだ。

攻撃魔法を使えば、それだけでもモンスターが減らせるし。



魔法の着弾と同時にあちこちで火柱が上がり、それが周りに燃え移っていく。

思ったよりも威力が出たな。これじゃあ、城壁も危ないのでは?

そう考えた僕は、拡声魔法(ボルテージ)でみんなに呼びかける。


『魔力の残っている魔術師は攻撃を中止し、火がこちらに来た時のために「(ウォーター)」、「(アイス)」系の魔法の準備を』


その声を聴き、魔術師たちは攻撃の手をいったん休める。

モンスターたちは、背後の火に気を取られ、攻撃の手が緩んでいるから弓だけでも対処可能なはずだ。


そしてその姿を背中に、東門へと走り出す。

あそこはモンスターが積みあがってしまっているらしいから、火が燃え移ったら大変なことになると思った。


そして東門の状況を見て僕は絶句した。


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