ギルマスでした。
えっ、と。ソウレンさんって冒険者ギルドのギルマスだったの?
ギルマスって、ギルドマスターの事だよね。一番偉い人だよね。それなのにこんなことしてていいの?
「っ、ソウレンさんはギルマスなのに、重役出勤でいいんですか?」
「ギルマスだからいいんだよ」
「暴論………それでよくギルドが機能してますね。」
「ほとんどの業務は副ギルドマスターのエイブルズに任せてるし、そもそも俺、お飾りみたいなものだからな」
「えっ?じゃあなんでソウレンさんがギルマスになってるんです?」
「それは。
……………俺が剣聖だからだよ」
「………。。剣聖?剣聖ってあの剣聖ですか?」
「ほかに剣聖がいるんなら知らんが、多分その剣聖だ」
「へー。そうなんだ、僕は剣を剣聖様に教えてもらってたんだ。
ところで剣聖って何ですか?」
聞いたらソウレンさんが脱力してたよ。
「メグル……そこからかよ。
剣聖ってのはあだ名みたいなもんだ。昔悪友とパーティーを組んでた時期があってな」
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5年前、街
「よおソウレン。今日もモンスター狩りに行こうぜ!」
「あのなルーク、人の都合もちょっとは考えろよ……」
「お前、いつも暇だろ?そんな奴に都合もへったくれもあるか」
「そりゃまあそうだが、「じゃあいいじゃねえか、行こうぜ」」
「わーったよ」
とは言ってみたものの、ルークと冒険者として働くのを楽しみにしてる自分がいることも事実で。結局はクエストを受注しにいくことになる。
俺はソウレン。で、今クエストを漁ってんのが悪友のルーク。
半年くらい前に酒場で出会って、意気投合した。で、流れでパーティーを組むことになって今に至るってわけだ。
パーティーでの役目は俺が前衛、こいつが後衛だ。
ちなみに職業は俺が剣士、こいつは魔術師だ。
だがこいつ、まあ人格に問題ありというか何というか。
こっちの都合なんざ考えもせずに押しかけてきては強引に街の外に引っ張っていくからな。
どうせ俺は、ルークの言ってた通り年中暇してるから別にいいんだが。
とりあえずこんな調子で毎日、ギルドからクエストを受注しては消化してるもんだから、この前Bランクに上がったんだ。魔境に近く、強い冒険者がたくさんいるのがこの街だ。それでもBランクより上の奴は、20人いるかどうかだと言ったらそのすごさも伝わるだろ?
とはいっても、スキル『全魔法適性』を持つルークの力が大きいんだけど。
「おいソウレン、これなんかどうだ?」
「ん?ああ、ユニークオーガの討伐依頼か。いいんじゃねの?」
「じゃ、受注してくるわ」
「おう」
そして無事クエストを受注し、街の近くの森にやってきた。
「どこだ?ユニークオーガは」
「ここを真っすぐ行った洞窟で目撃されたらしい」
森を歩くこと数分。
「モンスターだ!
右から2体来るぞ」
索敵魔法を使って警戒していたルークが魔物の接近を捉える。
「分かった」
そう返事をし、カタナの鯉口を切って接敵に備える。
木々の間から見えたのは、コボルトだった。
「なんだ。これなら余裕だな」
ルークとの連携で難なく倒し、ドロップした魔石を拾う。
森の中を進むうちに何度かいろいろな種類のモンスターと遭遇するが、特に苦戦することもなかった。
それにしても……
「なあソウレン、おかしくないか?モンスターと出会う回数が異常に多い」
「俺も思っていた。とはいえ、強いモンスターが出たわけじゃない。そこまで懸念することもないだろ」
「そうか」
その後も何度か戦闘を挟みながらも、目的の洞窟にたどり着いた。
中に入り、慎重に進むことしばらく。果たしてその中には、目撃情報通り真っ黒なユニークオーガがいた。




