爆弾発言がなされました。
晩ご飯を食べ終わって、上に登って来たけど、今日手に入れた革袋の事を思い出すたびにほおが緩んじゃう。
さっきだって、ラオバンさんに、
「ニマニマして気持ち悪い。何かいいことあったのか?」って聞かれちゃったもん。
でもだって、金貨150枚だよ、ひゃくごじゅうまい!
これまで生きてきて一度に見た中で、最高金額だよ。それがいっぺんに手に入るなんて夢のようだよ!
これも、日ごろの行いがいいからかな?
そんなことを考えながら日課になってる筋トレをこなす。
腹筋、腕立て各百回とあと柔軟。意外と柔軟が一番大事。
やっぱり体が硬いと動きが制限されるし、何より怪我しやすいらしいからね。
それに、毎日続けてたら意外と楽しくなっちゃって。
始めたときは前屈で床に手が付かないくらい硬かったのに、今じゃあ掌がべったりだもん。
成長が感じられるとモチベーションも上がるよね!
生活費が入って余裕も出たし、あと目下の目標は、武技の習得するだけだね。
明日からは午後もソウレンさんに教えてもらえないかな?
ちょっと聞いてみよう。
筋トレはこなしたし、あとは寝よう。
そう思ってベッドに入って、目をつぶる。
おやすみなさい。
そして朝、目が覚める。
久しぶりの爽やかな朝だ!
昨日までは、ベッドに入っても生活費の事とかが頭に浮かんできてなかなか寝付けなかったもん。
それが解決しただけでこうも深く寝れるようになるんだね。
ベッドから起き上がって、着替えて、朝ご飯を食べる。
そしたらラオバンさんのところへ行く。
「おはようございます!」
「おう。今日は何か元気だな。仕事が決まったか?」
うっ、そう聞かれると弱い。なんせ、職が決まったわけでもないのに大金ゲットしてるわけだから。かなり怪しいわけで。
「……まとまったお金が手に入って生活に余裕が出たから」
嘘はいってない。ただ一番大事なところを言わなかっただけで。
うん。大丈夫。
冷や汗をかいている僕の内心には気が付かなかったのか、ソウレンさんはスルーしてくれた。
「よし、始めるぞ」
「はい」
そしていつも通り走る。
それが終わったら武器屋の修練場でソウレンさんと向き合う。
「いつでもこい」
その声と同時に走り出して、横に回り込む。
「フッ」
腹筋に力を込めて、体制が崩れないように。それでいて大きな力が出るように。
わき腹を狙って袈裟切りに振り下ろす!
ソウレンさんは体との間に木刀を差しこみ、そのまま僕の振るった木刀に沿って逆袈裟に振り上げる。
そして僕の木刀が流されたところで流れるように刃を返して、袈裟切りに。
「ハイ終了」
うっ、やっぱりソウレンさんは強い。
全く抵抗できずに木刀が流されちゃった。
「よし、今の動きを振り返ってみるぞ。
メグル、初めの位置からさっきと同じように動いてくれ。ゆっくりな」
「はーい」
えっと、さっきはここからソウレンさんの右に回り込んで、
「まった。そこ、俺から視線を離したろ。隙ができてる、気をつけろ。
相手の動きには細心の注意を払うこと。攻撃するとこだけに集中するんじゃなくて相手の全身を見るイメージだ。」
そうか。確かに、ソウレンさんの木刀がどこから来るか気にしてなかったかもしれない。自分の攻撃に集中しすぎてたんだな。
「じゃあ次だ。そのまま来てくれ」
この位置から斜めに振り下ろしたんだよな。そしたらソウレンさんの木刀にそらされて……
「はいストップ。そこで腰が入ってないのと刃が立ってない。
まず腕だけで振ってるけど、それはだめだ。威力も弱いし体制も崩れやすい。しっかり腰を回す意識を持て。
そして刃が切り口に対して斜めになってる。これじゃあ切れるもんも切れねえぞ。
次こい」
次はソウレンさんの木刀が……来た。
僕の木刀に沿って滑らす感じで動かしてんのか。うわ、今度はしっかり耐えようと力入れたのに流されちゃった。ソウレンさんはあんまり力入れてなさそうなのに。
「一番ダメなのはここだ。なんでこんな簡単に体制崩されたのかわかるか?
それは無駄に力が入ってるからだ。
力加えられたら自然と抵抗しようとするだろ?でもそれじゃあすぐ体制崩されちまう。こんな風にな」
そう言ってソウレンさんが僕の体を押してくる。
倒れないように力を入れたら、そのままソウレンさんが力を抜いたからつんのめっちゃった。
そっか、そういうことか。さっきは、僕がソウレンさんの木刀を外そうと力を込めたところに合わせて袈裟切りに振り下ろしたんだ。
「まずは相手の全身を見ること、腰から振る事こと。力を受け流せるようになること。
この三つを意識してみろ。難しいかもしれないけど、お前には見込みがある。頑張ればできるだろ」
その後ももう二戦して、お昼を食べることに。
「ソウレンさん。生活費も手に入れたことですし、早く武技習得したいんで、午後からもお願いできたりします?」
「無理だな。午後からは仕事だから」
「えっ、ソウレンさん仕事してたんですか?」
「お前は俺をどう思ってたんだ。この武器屋が全くと言っていいほど売れんからな、さすがに他の仕事もするさ」
「ちなみに何をしてるんで?」
「ん?言ってなかったか。冒険者ギルドのギルマスだ」
「はいっ!?」




