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異世界で必要なものは運だけでした。  作者: 白昼夢
一章 異世界転移と同族のいる街
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家事をこなしました。


おっかね、おっかね、おっかね持ち~


変な歌を歌いながらスキップで街を歩いていく変人が一人。


わーい!お金持ちになったよ、僕!

嬉しいなぁ。どうやって使おうか?やっぱり食べ歩きでもしようかな。

それとも~、ここは生活必需品とか雑貨とか、買い足しておくべきかなぁ?

いや、でもやっぱり~、憧れのポーションとか魔道具とか、売ってるのなら手に入れたい気持ちもあるんだよね。


………はっ、変なテンションになってた。

恐るべし大金の力。ここで財布のひも緩めちゃうとどうせまた資金難に陥るんだよ。

さすがの僕も学習したんだぞ。誘惑になんか負けるか。



でも串焼きの一本くらいならいいか。

いいよね?さっきからいい匂いがしてるんだよ。買っちゃダメかな?


いや、ここで買わないという選択肢はない!…訳でもないんだよな。

でも、いや、食べたいけど……

そんなことを考えながら屋台の周りを往復してたら、声を掛けられた。


「買ってくれるかい?」


「はい」


ああ、言っちゃった。

でも言っちゃったもんは仕方ないよね。


というわけで串焼き片手に街を歩いて宿にとおちゃく!

途中で誰かが衛兵さんに連れてかれたときはスリとかかと身構えちゃったけど、結局はなんも出なかったよ。良かった良かった。

泥棒とかが出たらどうしようかと思ったけど、セーフだったね。



_______________________________________


街、街ゆく人


「おっかね、おっかね、おっ金持ち」


調子っぱずれな歌を歌いながら歩いてくる子供が一人いるな。

あれならカモにちょうどいい。

警戒心も薄そうだし、歌を信じるなら金持ちらしいしな。


そう思って後を尾け始めた矢先、あいつ立ち止まりやがった。何してんだ?

まさか尾けてることに気付かれた?

いや、そんなわけ……


あっ、振り向いた、やばい隠れなきゃ。

慌ててそばの路地に身を隠してそっと様子をうかがう。


ん?俺に気が付いて振り向いたってわけじゃなさそうだぞ?

あいつ、串焼きの屋台の前を行ったり来たりし始めた。何やってんだ?


と思ったら屋台の方に歩いてって、巾着から財布を取り出して……

おかしい。財布にはそんなに金が入ってるわけじゃなさそうだ。


もっとよく見ようと身を乗り出したとき、


「君、何してるんだね?」


不穏な声が。

慌てて振り向くと、げっ、衛兵じゃねえか。やばい、スろうと思ってたことがばれたら終わりだ。

何とか弁明しなきゃ。


「えーとですね、俺は決して怪しいものではなくて、ただ串焼きの屋台がおいしそうだなーと思って見てただけで」


「そうか、じゃあなぜ君は財布を二つも持ってるのかな?」


「え゛っ!?そ、そんな馬鹿な。何かの見間違いじゃないですか?

 第一俺は、そんな金ないというか、むしろ無一文ですよ」


「じゃあ尻ポケットから覗いてる財布たちはいったい何だい?

 ちょっと来てもらおうか」



_______________________________________


鹿涼亭 メグル


「おかえりなさい」


ただいま、とミラさんに挨拶を返し、重い足取りで自分の部屋へと階段を上がる。


ドアを開けるとそこに広がってるのは、カオス。ですよねー、知ってた。

だってマジックボックスに中身しまわずに制服売りに行ったもん。

これを片付けんのか。やだなあ。昔っから片づけ大嫌いなんだよ。

どうにかできないものだろうかねえ。


扉の前に突っ立ってぼやいてても仕方ないから片づけを開始する。

と言ってもただマジックバッグにゴミと洗濯物以外を放り込むだけなんだけどね。

それでもその量が多すぎてめんどくさい。


でも、石鹸が見つかったのは助かった。

洗剤は宿でも買えはするんだけど、地味に高くて最近水洗いだけになってたんだ。




よし、片付けも終わったことだし、洗濯とごみ捨てだ!

まずはマジックバッグから出てきたゴミを下に持ってって、捨ててもらう。

ミラさんが、「こんなたくさんのごみ、どっから出したの!?」って目を丸くしてたけど、ホントよくそんなにゴミため込んでたもんだって感心しちゃうよ。自分に。


それが終わったら洗濯。

いや~、石鹸使うとやっぱり汚れの落ちがいいわ。

ありがたや~、ありがたや~。


石鹸を拝んでるうちに、そろそろ日も暮れてきた。

ごはんの時間だ。今日の献立は何かな?


あっ、日課の筋トレ忘れてた。まあいいや、ご飯食べ終わってからやろう。

明日も、ソウレンさんとの立ち合いだ。明日こそは……!

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