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1-7 お待ちかねのジョブ解説コーナー

 「おつかれ様ですジローさん!」


 練習場から移動してから聞いた第一声は、ミカエルの言葉だった。


 だが、今更そんなことはどうでもいい。


 今は、こいつに聞きたいことがありすぎる。


 「ミカエルさん?」


 「はい?」


 「俺のジョブを教えてくれるという件、ちゃんと覚えてるよな?」


 ミカエルは一瞬キョトン、としながら何かに気づいた動作をした。


 「あ、あれですね!も、もちろん覚えていますとも!」


 絶対忘れていただろ……


 「それに、なんか練習場で死なないだの言ってたけど、だったらここで死んだらどうなるんだよ!?もう即ゲームオーバーってか!?」


 「そ、それはそうですよ!人生一度きり、その為の練習場です!」


 「あーあ!今ので世界救う気失せたわー!なんてったって、死ぬ可能性あるんだもんなー!」


 「そこについてはご安心して下さい!ジローさんのジョブは、その観点から見れば絶対に死なないジョブですので!」


 その発言に対して、俺は疑問を抱く。


「じゃあ言ってみろよ!そのジョブの能力とやらを!」


 「わかりました!!ただし、これを聞いたら少しは落ち着くんですよ!?」


 落ち着くもなにも、原因十中八九ミカエルだけどな!


 「ジローさんのジョブはいわゆる『強奪』!倒した相手を触れることでその相手のジョブやスキルを奪えて、今後使えることができるという、新種の能力です!」


 「まて、新種ってなんだよ?」  

  

 「我ら天命団がまだ確認できていないものを指します。ジローさんのジョブの名前が『€#ㇱ』と意味不明だったのも、まだ名付けられてなかったからですよ!」


 「なるほど、唯一無二ということか」


 なんかかっこよくていいよな、唯一無二……


 「そして、『強奪』のすごい所は上限がないこと!このまま連勝していけば、いつしか回復魔法を使えて、なおかつ攻撃もできるという理想のジョブが完成するんです!」


 おお!それは心強い!


 「ですが弱点もあります。それは最初期が弱すぎること。特別な能力も持ってませんし、武器も使いこなせません。なので、ここを乗り越えるのがこのジョブのコツですね!」


 つまり、最初に使った時はまだなにも強奪してなかったからなにも起こらなかったということか。


 「なるほどね、解説感謝するよ」


 「はい!それではこのジョブの名前を決めて下さい!」


 ……え?


 「なんで?『強奪』じゃあ駄目なのか?」


 「はい。『強奪』はあくまで即興でつけた名前なので、折角ならこのジョブを発見したジローさんが名付ければいいかと」


 別になんでもいいんだけどなぁ、やっぱりかっこいい名前にした方がモチベ上がったりするしいいのかなぁ……


 「う〜ん、そう言われるとちょっと考えたくなるよなあ……」


 「名前は大切ですよ!?その名前で今後の人生が決まっていくぐらいに!!」


 いやそこまではいかねえだろ。


 それにしても強奪、強奪、あー思いつかねえ!


 そーいや強奪の似た意味として乱妨らんぼうどかあるそうだし、もうそれで良くね?


 「えっと、じゃあ『乱妨者ヴァイオレンス』どかどうだ?」


 「う〜ん、『乱妨者ヴァイオレンス』ですか……」


 あ、やっぱ無理っぽいなこれ。


 「とてもいい名前です!それではジローさんのジョブ名は『乱妨者ヴァイオレンス』に決定!!」


 アリだった。


 かなりチョロかったな……


 「それでは、ジョブの選択も終わったことですし、これからジローさんには本格的に世界を救ってもらいましょう!!」


 あ、そーいやそんな約束だったナー。


 いや完全に忘れてた!どうする俺!まだ『乱妨者ヴァイオレンス』は弱いほうだし、レッサーオークで苦戦していた俺がこれからの凶暴な魔物モンスターと戦えるのか!?

 

 「ちょ、ちょっとまって!まだ心の準備がーー」


 「安心してください!仲間は他にもいますし、どれも超一流のプレイヤーですので協力すればどんな敵でも問題なしです!」


 それ俺がいる意味あるのかー!


 「それでは世界を救うゲームへ、行ってらっしゃいませ〜」


 「もうちょっと心の準備をさせろー!」


 その一言を最後に、俺は基礎チュートリアルを終了し、新たな舞台ステージへと一歩踏み出すのだった。



 

 


 

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