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1-6 仮想空間対戦〜ちょっとした覚醒〜

 レッサーオークは手に何も持ってないし、その上動きも鈍い。


 こっちから待っていては流石に時間も経ってしまうので、今度はこちらから行かせてもらうぞ……!


 俺はレッサーオークに向かって一直線に突進していき、レッサーオークの前でソードを構えた。


 レッサーオークもそれに反応して腕を振り落とそうとするが動きが鈍いので絶対に当たりはしない。


 「よっしゃ、先手必勝!」


 俺は剣をレッサーオークの腹に対して斬りつけた。


 その結果、ソードは折れた。


 「……え?」


 そのままレッサーオークの腕が自分の頭に降りかかるーーー所をなんとか後ろに倒れて回避する。


 レッサーオークが振りかざした床には、ヒビが入っていた。


 どんだけ力強いんだよこのレッサーオーク!


 てゆーか、もうソード折れちゃったし拳でこいつに勝たなきゃいけないのか……


 冷静に考えて無理ゲーじゃん。


 ソード弾くやつに拳なんか効かねーよ。


 レッサーオークがこちらに近づいてくる。与えられた時間は30秒程といった所か。


 何かないのか、と当たりを見回してみる。


 あるのは折れてしまったソードと、ゴブリンを倒した際に落とした古い刀。


 どうやらゴブリンだけ消えて、刀は残っていたそうだ。


 ええい、もうこうなったら使えるもん何でも使ってやる!!


 近づいてくるレッサーオークから逃げるように古い刀の方へ走っていく。


 ……最終確認として、もう一度周りを見回す。


 そして俺は、刀を握った。


 その瞬間だった。


 ーーー報告。ジョブ『無職』を『狂戦士バーサーカー』に変更カスタマイズすることをお勧めしますーーー 


 またあの声が聞こえた。


 どうやら狂戦士バーサーカー?を使えるそうだ。


 俺は心の中で答える。


 「(……わかった、『狂戦士バーサーカー』へと変更カスタマイズ!)」


 ーーー承知しましたーーー


 そうすると、魔獣モンスターが召喚される時ぐらいの光が自分の身を包んだ。


 なんだ、これ……俺の身で何が起こっている……?


 そこから少し経った後だろうか、光からやっと開放された。


 ーーー成功。榎本 二浪えのもとじろうを『無職』から『狂戦士バーサーカー』へ変更カスタマイズしましたーーー


 おお……?変更カスタマイズ?俺の身に何か変化は………ん!?


 ダルい!体がダルい!!


 何でだ……?確か俺は『狂戦士バーサーカー』へとジョブを変更カスタマイズしようとして、光に包まれて、そして今に至るから……


 このダルさは『狂戦士バーサーカー』の能力って訳か!!くそめ!!


 てゆーかデメリットじゃねーか何がおすすめだ!!


 「……ドスン」


 ん、何だこの音?


 俺は確かめる為後ろを見る。


 そこにはレッサーオークがいた。


 あ……思い出した、俺レッサーオークと戦闘中だったんだ……


 レッサーオークはまた拳を振り落とそうとする。


 やばっ……これほんとに終わったかも……


 「諦めるには早すぎますよ!!」


 ここで久々のミカエル登場。


 「『狂戦士バーサーカー』は相手の弱点を秒速で見極めることが可能なジョブ!!そこからの反撃も朝飯前です!」  


 ……そうなのか?そう思い、俺はレッサーオークの方を見る。


 あ!ほんとだ!なんか脇腹らへんが光ってる!!


 つまり、そこがお前の弱点ってことか!!


 よっしゃ!こうなりゃもう勝ちゲーだ、一気に逆転してやるぜ!


 そう思ったのもつかの間、俺の頭の上にはもうレッサーオークの拳が来ている。


 時間は無い、勝負は一瞬で決める………!


 俺は持っている古い刀と脇腹に全神経を集中させる。


 「これが俺の全力だ!!とくと味わいやがれ!!」


 そう叫び、俺はレッサーオークの脇腹に物凄い速度で刀を斬りつけていく。


 正面の腹とは違い、とても柔らかった。


 「まーだまだまだまだまだぁ!!」


 百回ぐらい斬っただろうか、レッサーオークは倒れ、刀はもう使い物にならない程ボロボロになっていた。


 「はぁっ……はぁっ……」


 急に激しい動きをした為か、息が荒い。


 ーーー報告。新スキル『連斬撃れんざんげきらん』を習得しましたーーー


 ……え?連斬撃?スキル?なにそれ?


 なんか聞いたこともない単語が沢山出てきた。


 まあ後でミカエルに聞けばいいか。


 とりあえず今は………


 「か……勝ったぞー!!」


 この勝利をこれでもかと味わいたい……と思ったのに、


 「おめでとうございます!レベル2クリアです!」


 ミカエルに邪魔された。くそが。


 「レベル3、といきたい所ですが、ジローさんも既に満身創痍。一旦こちらに戻しますねー」


 レベル3もあるのか……ちょっと怖いな……


 ま、確かに疲れているのは確かだし、一旦休ませてもらおう。


 「ああ、宜しく頼むよ」


 こうして、俺の初実戦は幕を閉じたのだった。


 沢山出できた謎は後でミカエルに尋問してでも答えてもらおう。

 




 

 

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