1-3 俺の『ジョブ』操作した奴、怒らないので手を挙げて下さい。
「……ジョブ?」
「はい。『ジョブ』です。貴方はRPGゲームをしたことがありますよね?あの『ジョブ』です」
「確かに『ジョブ』はわかるけど…やっぱり、剣士とか魔法使いとか?」
「はい。『ジョブ』はそれらのことを指し、その役割は様々です」
つまりは現実のRPGゲー厶と同じ感じか。
「んで、『ジョブ』には何があるんだ?」
「えっと、初心者向けとなると、やはり剣士等が向いていますが…」
「いや、初心者向けどか関係なく全て言ってみて」
「えっと、
剣士 魔法使い 武道家 召喚士 狩猟者
戦士 狙撃士 侍 暗殺者 怪盗 道化師 治療士 踊り子 騎士 弓師 ……」
「ストーーーップ!!」
流石に多いわ!多すぎるわ!!
「何ですか?すべて言えと言ったのは貴方でしょう?私はそれに徹したまでですが?」
何だこの少女!?さっきと比べ煽り性能が高い!
「わかった、もう言わなくていい…自分で決める」
「…わかりました。では貴方の『ジョブ』を一つ選んで下さい」
はて…改めて何にしようか。
剣士どかの王道もいいが、そういうのは後々弱点どかできるし、道化師どかそういう弱点が無さそうなのは使いこなすのが難しそうだし…
「はい、わかりました!貴方の『ジョブ』は、『€#ㇱ』ですね!」
考えてる最中、急にミカエルが喋りだした。
……『€#ㇱ』?なんて読むんそれ?ていうか俺まだジョブ決めてなくね?
「えっと…ミカエルさん、俺まだジョブ決めてないんだけど…」
「え?だけど貴方さっき自分で決めてましたよ?大声で自信ありげに『俺のジョブは€#ㇱだ!』って言っていましたよ?」
……は!?何勝手に決まってるんだよ!?そもそも何だよ『€#ㇱ』って!そんなジョブ見たことも聞いたこともねえぞ!
「ちょっと待った!変える!もう一度『ジョブ』変えるから!!」
「…残念ながらもう変えれないみたいです…」
なんでだー!!
ああ…俺はこれからこの訳わからんジョブと共に世界を救わなくちゃいけないのか…
「えっと…悲しんでる所失礼しますが、早速実戦してみませんか?ほら、まずは『ジョブ』を確認する所からですし…」
「ちょっと待って……いま病んでるからもう少し後でいいか…?」
「はぁ…わかりました。では少し待ちますので、その間に心の整理を」
ミカエルにため息混じりに許可をもらったので、遠慮なく病んでいられる。
どうやって使うんだ…このジョブ…
攻撃系?回復系?はたまたサポート系?何もかもわからない…
もう戦場に俺を出しても無能のまま死ぬのかもな…
「…ーい…」
はあ…せめて彼女どか欲しかったなぁ…
「おーい…」
ああ…もう天使から迎えが来ている…早くいかないと…
「おーい!」
三回目でそれがミカエルの声だとわかった。
「うおっ、ってミカエル!?なんだよ急に、俺はいま病んでるっつーの!」
「ふふふ…えーと…貴方のことは何て呼べばいいですか?」
「え?あ、そういや教えてなかったな。んーと、まあ、ジローでいいよ。んで、それだけで呼んだの?」
「そんなまさか!ジローさん、実は、貴方の『ジョブ』の詳細がわかったのです!」
「マジで!?そんでそんで、何だったの!?」
「それは…」
俺は固唾を飲む。
果たして『€#ㇱ』は、どのような能力なのか…!
そもそも強いのか……!