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もしもがんになって余命1ヶ月と言われたら

作者: Cani


もしもがんなって余命1ヶ月と言われたら


抗がん剤をやって奏功すれば2ヶ月命が伸びると言われても、私はやらないだろう

副作用に苦しむ時間や病院に通う時間より、もっと他に使いたいから


まずは実家に帰って家族みんなに伝えるだろう

みんな悲しむと思うけど、いつか来る別れについて心の準備をして欲しいから


母親には産んでくれたことへの感謝を伝えて

一番大好きなカボチャプリンを作ってもらうだろう


父親とは一番ケンカをしたからたくさん話をして和解したい

そして私の運転でお寿司を食べに行く


姉とは毎日一緒に寝るし弟とはお笑い番組をみて、妹にはたくさん洋服や化粧品を買ってあげたい


職場の人には今までのお礼を言って、たくさんのお菓子を置いていく

みんな甘いのもしょっぱいのも大好きだからどちらも置いていく


大好きな友達に一人ずつあいにいく

大好きなところを何個も伝えたい


一緒に綺麗な海や川を見に行ったり、花畑に行って自然の力を感じたい

バンジージャンプやパラグライダーもやってみたい


ひとり暮らしの部屋はあなたと一緒に片付けをして思い出を振り返りながら過ごしたい

でもきっとあなたには余命のことは伝えられないだろう

代わりにあなたがどれだけ素晴らしい人なのか伝えたい

いつものようにデートをしたい

映画や美味しいものも食べたいね

痛みが出てきて医療用の麻薬を使うようになったら適当なことを言ってあなたとはお別れする

きっとあなたは傷付くだろう

だけどあなたの記憶の中くらいは可愛い自分のままでいたいからわかって欲しい


家族のみんなには悪いけど、今はコロナで面会ができなくなるからなるべく家で過ごしたい

家族の負担が大きくなるから訪問看護や往診医に来てもらう


調子の良い時はテレビを見ながら笑って、調子の悪い時はベッドで横になり姉に足を揉んでもらうのだ

毎日毎日家族には感謝の気持ちを伝えて、後悔のないようにその時を待ちたいのだ


でもきっと毎日眠る時には枕を濡らしなぜ自分が死ななければいけないのかと神様に問うのだ

どんなに別れの準備をしていても生きたい生きたいという生物としての力を無視することはできないだろう


痛みが強かったり、呼吸が苦しくなってきたら

みんなにお礼を言ってついに眠らしてもらうのだ

耳は聞こえているだろうから、たまにはお笑い番組を聞かせてほしい



そして命が尽きる時まで、毎日母親に歯を磨いてもらい、父親には顔を拭いてもらう

赤ちゃんのように



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