第2章 審判
死んでしまった中口は、謎の空間で天使と名乗る少年と出会う。
そして中口は、あろう事か「この世界にドラゴンや魔王はいるのか?」と馬鹿げたことを天使に問う。
しかし、結果はNO。中口の願いは、呆気なく否定されるのだった...。
中口「それにしてもここはどこなんだ?」
俺の疑問に対し、天使はけだるそうに話しはじめた。
天使「ここは「天地楼」と呼ばれてる場所だ。簡単に言えば、天国と地獄、両方に通じる場所ってとこかな。」
中口「え、じゃあやっぱり俺は...地獄行き...?」
天使「それを今から判断するところだ。ほら、その手に持ってる紙を見せてくれ。」
いつの間にか、俺は一枚の紙を手に握っていた。「死亡証」と書かれたその紙には、
俺の生涯のデータが緑色の文字で記されていた。天使は、その死亡証を手に取り、その項目を上から読み上げていった。
天使「中口 匠矢、死亡年齢23歳、犯罪回数0、職業は会社員で収入はそこそこ...」
天使「恋愛経験0、友達0、部活は全て文化部、小中高一貫して修学旅行は欠席、生涯で貰ったバレンタインデーのチョコの数は1個(母から)...か。」
読み終わったあと、しれっと鼻で笑ったのを俺は聞き逃さなかったからな。
天使「まあ、いいんじゃないか?ステータスはボロボロだが、犯罪回数0だからな。天国行きだ。」
中口「マジ!?ヤッター!!」
中口「...で、天国に行ったら何すればいいんだ?」
天使「その辺はよく知らない。向こうの天国役所で聞きな。」
俺は天使に別れを告げ、天国行きのエレベーターへと向かった...。
なんとか天国行きを勝ち取った中口。
しかし、あのステータスは我々が見ても絶望的なのは間違いないであろう。
さあ、これから中口は天国で、どんな大冒険を繰り広げるのだろうか!?