TRPGサークル新歓セッションでの悲劇
TRPGサークルの新入生歓迎セッションという設定で問題児だらけの最悪なセッションを想像して書きました。実際に経験したことや自分がやらかしたことなども含まれています。
・登場人物紹介
GM(2年生)TRPG歴1年。いつもは大学のTRPGサークルでプレイしている。大学に入ってからTRPGを知り、今回初めてGMを行う。サークル仲間の姫のことが好き。
姫(2年生)TRPG歴1年。本日のセッション唯一の女性プレイヤー。TRPGサークルの他にアニメサークルにも所属しているオタサーの姫。可愛い女性PCしか使わない。
眼鏡(新入生)TRPG歴8年。ルルブを精読し強いキャラを作るのが趣味な和マンチ。
天パ(新入生) TRPG未経験。演劇サークルに所属している。キャラの設定を考えるのが大好きで全力でなりきってプレイする。リプレイ本を購入して読んでいる。
坊主(新入生) TRPG未経験。クトゥルフ神話TRPGのリプレイをネットで見て興味を持った。
・本編
GM「○○大学TRPGサークルの新入生歓迎セッションにきてくれてありがとうございます。GMといいます。今日はソードファンタジーというシステムをやろうと思います。よろしくお願いします。GMは初めてですが頑張ります。」
姫「姫でーす。いつもGMくんと一緒にTRPGしてますぅ。よろしくお願いしまーす。」
眼鏡「名前は眼鏡。TRPG歴は8年です。よろしくお願いします。」
天パ「天パって呼んでください。ソードファンタジー好きなので楽しみです。」
坊主「坊主です。TRPGはクトゥルルしか知らないので皆さんに迷惑をかけないようにしたいです。」
GM「今日はあらかじめキャラを作ってきたので、そこから使いたいキャラを選んでください。」
姫「はーい。わたしは神官ちゃんが使いたいですぅ。」
天パ「僕は他に使いたい人がいなければエルフを使いたいです。」
眼鏡「出来れば自分でキャラを作りたいんですけど駄目ですか?ルルブとサプリは自分で持ってきています。キャラ作成ルールは頭に入っているので数分で作れるんですけど。」
GM「慣れている人は自分でキャラ作ってもいいですよ。私はサプリ持ってないけど、眼鏡さんがルール分かっているなら使ってもいいですよ。そのほうが楽しそうですし。」
坊主「どれを使えばいいと思いますか?」
GM「初心者は戦士がおススメです。」
坊主「じゃあ戦士にします。」(本当は魔法使いがやりたかったな)
数分後
GM「準備できたようなので始めようと思います。坊主さんから順番にキャラの紹介をお願いします。」
坊主「男の戦士です。戦いは任せてください。キャラ名はタロウです。」
天パ「タロウ?ファンタジーっぽくない名前ですね。世界観考えましょうよ。」
坊主「変えた方がいいですか?」
GM「プレイには問題ないのでそのままで構いません。では次の人お願いします。」
姫「リリエ=スイート、猫人族の神官ですぅ。猫人族なのでかわいい猫耳が頭についてます。戦うのは苦手なので皆に守ってもらいたいでーす。今季放送中のアニメ【猫耳カフェにようこそ】に出てくるリリエちゃんが元ネタです。」
GM「姫がおススメしてたから見たよ~リリエちゃん可愛いよね。」
姫「見てくれたの!?嬉しぃ~」
GM「今【猫耳カフェにようこそ】のコラボカフェやってるから、今日この後一緒に行こうよ。」
姫「うん!行きたぁい。」
坊主(きもいな、アニオタ。)
眼鏡「名前はアビゲイル。種族は最近のサプリで追加された竜人です。メインジョブを魔法剣士、サブジョブを呪術師にしました。アンデットPC作成ルールを使用したのでアンデット化しています。今回は火力を出せるキャラが不足していたので火力特化です。魔法剣士はHPが低いのが難点ですが、呪術師のデバフ効果で相手の攻撃力をある程度落とせること、そしてフルメタルアーマーを装備しているので、ある程度の攻撃は耐えられると思います。」
GM「……?良く分からないけど強そうですね。では最後天パさん。」
天パ「オーホホホッ!ワタクシの名前はマリア=エレナ = ブリッツィ。ワタクシは由緒正しきハイエルフの血筋ですわ!ワタクシが冒険者をやっている理由?幼い頃ワタクシの親友が目の前でアンデットに殺されてしまったのよ。その時ワタクシは何もできませんでしたわ……もしもワタクシが強かったなら、親友は死なずに済んだかもしれない。そう思って冒険者になることを決意しましたの。武器は弓を使いますの。ブリッツィ家では幼い頃から弓の訓練がありましてよ。」
坊主(男なのにワタクシって気色悪っ)
天パ「自己紹介は以上です。眼鏡さんアンデットPCを使うんですか?」
眼鏡「はい。」
天パ「僕のキャラは説明した通り、親友をアンデットに殺されているので、普通のPCに変更してもらえませんか?初心者もいますしアンデットPCだと分かりにくいと思います。」
眼鏡「確かにそうかもしれませんが、GMが許可しているので問題ないと思います。」
天パ「僕が嫌なので変えてもらえません?」
眼鏡「天パさんがアンデットに親友を殺されたという設定を変えればいいじゃないですか?GMはどう思いますか?」
GM「アンデットPCでもいいと思いますよ。天パさんもそれでいいですか?」(好きなキャラで冒険を楽しんでもらいたいし)
天パ「はい。」(嫌って言える雰囲気じゃないな)
GM「ではセッションを始めます。皆さんは一緒に旅をしている仲間です。旅に必要なお金が不足してきたので依頼を受けようと思ってギルドに入っていきます。」
天パ「えっ、仲間なんですか?僕のマリアはアンデット嫌いなのでアンデットとは絶対に仲間にならないと思うんですけど。」
GM「そう言われても仲間という設定は変えられないです。話を進めますね。」
「やあ!依頼を受けにきたのかい。とギルドマスターのロックが言います。」
天パ(勝手に話進めるなよ。)
眼鏡「あなたがギルドマスターですか?依頼を受けにきました。」
GM「そうだ。私がギルドマスターだ。依頼ならちょうどいいのがある。ゴブリン退治だ。」
眼鏡「報酬は200Gか?」
GM「そうだ、1人200Gだ。」(何で分かったんだ…?)
眼鏡「少なすぎる。倍出すのなら受けよう。」
GM「分かった。1人400Gだな。交渉成立だ。」
天パ「パーティメンバーに相談もせずに勝手に依頼を受けないで貰えますこと?これだからアンデットは嫌いですわ。報酬をそんな簡単に倍にするなんておかしいですわ。そんな怪しい人からの依頼を受けて本当に大丈夫かしら?」
眼鏡「大丈夫だと思います。おそらくこれはルルブに載っているサンプルシナリオです。依頼内容もギルドマスターの名前が一致していますし。ゴブリン退治しに洞窟に行くと実はゴブリンだけではなくゴブリンロードもいたってシナリオです。」
GM「眼鏡さん、ネタバレやめてもらえませんか?サンプルシナリオ知らない人もいるので。」
天パ(GMの反応を見る限りサンプルシナリオ確定ですね。つまんな。)
眼鏡「いや、サンプルシナリオ使うなら前もってひとこと言うべきですよね。」
GM「新入生歓迎セッションにソードファンタジーやりこんだ人が来ると思わないじゃないですか。それにサンプルシナリオだって分かったならネタバレしないでくださいよ。」
眼鏡「何でキレてるんですか。GMさんが手を抜いてサンプルシナリオ使ったのがいけないですよね?」
GM「手を抜いた訳じゃないですよ!アレンジは加えています!せっかく準備したのにそんなこと言わないで貰えますか?私はGMをやりたくもないのにサークル長にお願いされて仕方なくGMやってるんですよ。眼鏡さんこのままだと話が進まないので。今回のシナリオでは知らなかったていで参加してください。」
眼鏡「分かりました。」(これだから初心者GMはクソ)
GM「シナリオを再開しますね。あなた達は1人400Gでゴブリン退治の依頼を受けました。前払い金の200Gもらえました。ギルドマスターによるとゴブリンは町の近くの洞窟にいるらしいです。明日の朝から討伐に向かうので、それまでは明日の討伐の準備をしてください。」
天パ「依頼受けるなんて言ってませんし、勝手に話進めないでもらえますか?」
眼鏡「GMさん初心者ですし仕方ないですよ。」
GM(初心者で悪かったな)
姫「はーい!私メイド服を買いに行きたいです。」
天パ「ゴブリンを討伐に行くのに、メイド服は不要ではなくて?私はリリエさんの着ている神官のローブ凄くお似合いだと思いますわ。」
姫「確かにリリエちゃんは何着てもかわいいけどぉ~リリエちゃんにはメイド服が一番似合うと思うんですよ~原作ではカフェの店員さんですし~」
GM「メイド服っていくらぐらいすると思います?」
眼鏡「ルルブの装備品リストに書いてありますよ。」
GM「ルールブック買ってないので眼鏡さんルールブック見せてもらえませんか?」
眼鏡「は?ルルブ持ってないのにGMやってるんですか?」
GM「ニコ動でリプレイ見たんでルールは完璧です。ルールブックって高いじゃないですか、なかなか買う気にならなくて。」
眼鏡「ルールブック買わずにGMやるのは、ありえないですね……」(駄目だ、このGM。)
GM「そうですか?なくても特に困らないし、うちのサークルではルールブックなしでGMやる人結構いますよ。それでメイド服いくらですか?」
眼鏡「戦闘用メイド服が1000Gです。」
姫「高くて買えないよぉ~GMくん割引して、おねがい~」
GM「じゃあ100Gで。」(姫ちゃんのお願いだし)
眼鏡「自分も装備とポーション類買います。天パさんはどうしますか?」
天パ「アビゲイルさんがポーションを買ってくださるなら、ワタクシは水と食料や旅に必要なものを買い揃えてきますわ。」
GM「坊主さんはどうしますか?」
坊主「ちょっと待ってください。先にソシャゲのスタミナ消化させてください。」
GM「坊主さん、TRPG中にソシャゲはやめてもらえませんか?」
坊主「すぐ終わらせます。みんなを待たせるのは悪いので先に進めてて貰っても構いませんよ。」
眼鏡「坊主さん、買いたいもの沢山あるのでお金使わないなら貰ってもいいですか?」
坊主「どうぞ。」
眼鏡「GMさん、魔剣デスダンスは購入可能ですか?」
GM「ルールブックに載ってる装備なら買ってもいいですよ。」
眼鏡「いくらですか?ちなみにルルブでは1200Gです。」
GM「でも眼鏡さん1200Gもお金持ってないですよね?」
眼鏡「姫さんのメイド服を割引していたので魔剣も割引してくれますよね?」
「姫さんだけ割引するのは不平等じゃないですか。割引してくださいよ。」
GM「じゃあ120Gで。」(まあいいだろ)
眼鏡「基本装備品リストに載っている、武具は全部購入可能ですか?」
GM「はい。」
眼鏡「では自分が装備しているマジカルロッドとフルメタルアーマーを売って500Gにします。そのあとロングボウ・魔鎧ソーンメイルを1つずつ、ヒールポーション・ブーストポーション・マナポーション・魔法石を5つずつ、あと小麦粉を50袋買います。」
天パ「沢山買いますね、そんなに持っていけますかね?重くないですか?」
眼鏡「ルルブにはアイテムの重さについて書かれていませんし、大丈夫ですよ。」
天パ「ドラクエみたいなビデオゲームではない訳ですし、持てないほど買うのはやめましょうよ。」
眼鏡「現実では無理でもゲームなので大丈夫だと思います。」
天パ「だ・か・ら!どうやって小麦粉50袋持っていくつもりですか?50袋も必要ないし、ゴブリン退治に持っていくのは不自然だって言ってるんですよ。日光の下に小麦粉を置いているとカビも生えますよ。」
GM(ヤバい……喧嘩になりそう。止めないと。)「今回は小麦粉50袋でもOKにしましょう。」
天パ「…………チッ」
GM「購入は終わりですね。では次の日の朝、討伐に向かったあなた達はゴブリンのいる洞窟に向かいます。すると道中3匹の狼が襲ってきました。戦闘開始です。」
天パ(ずいぶん唐突だな……)
眼鏡「ここは任せてください。皆さんは安全な位置まで下がってください。」
GM「では眼鏡さんのアビゲイルの行動どうぞ。」
眼鏡「装備を魔剣デスダンスからロングボウに変えます。そして竜人の特性を生かして羽で空を飛んで攻撃をします。判定……外れました。」
GM「次は狼の攻撃です。」
眼鏡「自分のキャラは空を飛んでいるので狼の攻撃は当たりませんよ。」
GM「えっ、えーと攻撃が当たらないのでパスで……」
眼鏡「空からロングボウで狼に攻撃。外れました。魔法剣士だと弓の命中率低くて当たらないですね。狼は次もパスですよね。ずっと、こっちが攻撃ってことでいいですか?空を飛んでてダメージを受けない以上、絶対に負けないので狼を倒して戦闘に勝利したってことにしてくれてもいいですよ。」
GM「あっ、はい。狼を無事に倒して、戦闘終了です。」
眼鏡「狼が3体だと、経験値どのぐらい手に入りますか?
GM「えっと、ちょっと分からないですね。ルールブック見せてもらえませんか?」
眼鏡「やっぱりルルブ必要じゃないですか。GMやるならルルブは必須ですし、PLやる場合でも購入したほうがいいですよ。」
GM「でも値段が高いんですよね。ルールブック持ってる人が1人いれば、十分じゃないですか?コピーすればいいじゃないですか。」
眼鏡「はあ……」(言い返す気にもならないな)
GM「シナリオ進めますね。狼を倒したあなた達はゴブリンのいる洞窟に到着しました。入り口の前には見張りのゴブリンが一体立っています。」
坊主「攻撃します。」
眼鏡「魔法などで遠距離攻撃したほうがいいと思います。」(脳筋かよ)
天パ「賛成ですわ。それにワタクシが矢で射抜いたほうがタロウさんが攻撃するより安全ですわ。」
GM「どうしますか?」
坊主「でも、攻撃するって言ってしまったので攻撃します。」
GM「では戦闘に入ります。」(マジ?ここで戦闘しちゃう?)
「まずは眼鏡さんのアビゲイルです。」
眼鏡「敵はゴブリン一体ですよね。ならMPを温存しておきたいので攻撃しません。」
GM「次は姫のリリエちゃんからです。」
姫「リリエはゴブリン怖いので隠れますぅ。戦闘には参加しませーん。」
GM「あ~リリエちゃんかわいい。守ってあげたいなぁ~」
坊主(うわ、キモ)
GM「はい。次は坊主さんのタロウです。」
眼鏡「ゴブリンは火属性が弱点なので、火属性スキルの<火炎斬り>を使うといいですよ。」
坊主「じゃあ、それを使います。」
GM「ゴブリンが火属性だってPCが知っているのはおかしいですよ。知識判定で弱点を探ってないですよね。」
眼鏡「<火炎斬り>を使ったら偶然ゴブリンの弱点だったのだと思います。」
GM「そういうことなら仕方ないですけど……」
坊主「判定……クリティカルで30ダメージです。」
GM「見張りをしていたゴブリンは即死しました。戦闘終了です。経験値は50点です。」
眼鏡「洞窟の様子はどうですか?中のゴブリンには気づかれましたか?」
GM「中にいるゴブリンは気づいていないようです。」
天パ「念のため、しばらく様子を見ましょう。」
GM「様子見ますか?まあ、何も起こらないんですけどねww」
坊主「突撃して中にいるゴブリンを攻撃します。」
GM「はい。では攻撃しようとタロウが洞窟に入ると、ゴブリンはいません。カギ穴のついた扉があります。」
坊主「殴って壊します。」
GM「どれだけ叩いても壊れる様子はありません。」
眼鏡「解錠できますか?」
GM「盗賊ではないのでできません。」
天パ「鍵がないと開かないかもしれませんわね。」
姫「GMくんどうやって開けたらいいの?」
GM「鍵穴があるとは言ったけど鍵が掛かってるなんて一言も言ってませんよww普通に開きますw」
眼鏡「鍵がなくても開けられるみたいです。罠があると危ないので、一番HPの高い坊主さん鍵で扉を開けてもらえませんか?扉の向こうから矢や石が飛んでくるかもしれないので気を付けてください。」
坊主「分かりました。注意して扉を開けます。」
GM「扉を開けると罠が作動します。天井にぶら下がっていたトゲのついた板が落下してタロウに刺さります。20ダメージです。タロウのHPが半分以下になってしまいましたねw」
眼鏡「そんな板が天井付いているなんて言いませんでしたよね?」
GM「天井に何か仕掛けられていますか?って聞いてこなかったですよね?一枚目の扉を開けると再び鍵穴のついた扉が現れますww」
眼鏡「また罠があるかもしれませんね。
天井と床と周囲の壁全て、あと開けた扉と2枚目の扉を念入りに確認します。」
GM「確認シスギィ!そんな調べても何もないですよww」
坊主「今度こそ罠にかからないように注意して扉を開けます。」
GM「罠があると思いました?残念、罠はありませんw2枚目の扉には鍵が掛かっていて開きません。」
眼鏡「鍵が周囲にないか探します。」
GM「見つかりませんね。」
姫「GMくん扉の開き方教えて?」
GM「ぶっちゃけて言うと、足元の土を掘ると出てきます。見張りのゴブリンを捕まえて鍵の隠し場所を聞き出さないといけなかったんですよ。でも殺しちゃったので聞き出せなかったったですね。」
天パ「そんなの分かる訳ないじゃないですか!」
GM「分かると思ったんだけどな。2枚目の扉が開くと、そこにはゴブリンが6匹寝ています。酒瓶がそこら中に転がっているので恐らく酔いつぶれているのでしょう。そして女の子が1人囚われています。」
眼鏡「持っている小麦粉を全てばら撒きます。皆さん危険なので一度洞窟の外に出てください。全員外に出たのを確認してから、洞窟に向かってファイアボールを撃ちます。」
GM「なぜ……?洞窟の壁に当たってファイアボールは消えます。」
眼鏡「粉塵爆発知らないんですか?大気中に粉塵が舞った状態で火をつけると、粉塵に引火して爆発を起こすんですよ。ちなみに大気中の酸素が燃えるので、洞窟内は一酸化炭素などの有害物質で満たされているはずです。寝ていたゴブリン達はひとたまりもないでしょう。」
GM「で、では爆発します。」(粉塵爆発?良く分からないけど、小麦粉撒いて火をつけると爆破するのか。どうしよう、爆発したのにゴブリンにダメージ入らないのもおかしいし……)
眼鏡「風魔法で洞窟内の空気を入れ替えてから、中に入ってゴブリンが死んだか確認します。」
GM「ゴブリンと女の子は爆発に巻き込まれて死んでいます。」
姫「女の子もしんじゃったの、かわいそう……」
天パ「アンデットはやはり化け物ですわ。罪のない女の子を殺すなんて。ありえませんわ……」
眼鏡「依頼はゴブリン退治ですよね?女の子が死んでも問題なくないですか?」
姫「……」
GM「洞窟の奥からグォッという声と共にゴブリンロードが2体現れ、あなた達に襲いかかります。戦闘開始です。」(ゴブリン殺されたからゴブリンロード1体から2体に変更してバランスを取ろう)
坊主「すいません。そろそろバイトの時間なんで帰ります。」
GM「えっ!戦闘開始したところなのに困ります。」
坊主「ごめんなさい。でも、早くいかないと遅刻して店長に怒られるので。」
GM「最後までできないなら先に言ってくださいよ。途中で抜けられたら迷惑なのが分かりませ
んか!?」
坊主「落ち着いてください。たかがゲームにそんなに熱くならないでくださいよ。とにかくバイトに行くので抜けますね。今日本当はクトゥルルやってみたかったんですけど卓が埋まっていてできなくて、残念でした。今度来たときはクトゥルルやらせてください。ありがとうございました~。」
眼鏡(はぁ?たかがゲームだと?)
GM「とりあえずタロウを退場させます。ゴブリンロードがタロウに襲いかかります。タロウはゴブリンロードに一撃で首を刎ねられ血が噴き出して死にました。」
姫「うわぁ……姫グロいのは苦手ですぅ」
GM「ごめんね、姫。では眼鏡さんのアビゲイルのターンです。」
眼鏡「まずヒールポーション・ブーストポーション・マナポーションの3つを飲みます。その後マイナーアクションでアンデットの固有スキル<異形化>を使って攻撃ダイスを増加。呪術師のオートスキル<弱体化>でゴブリンロードの防御を下げます。メインアクションで竜人のスキル<パワーチャージ>を使います。これにより次のターンの攻撃力が2倍になります。最後に呪術師のスキル<時間超越>を使い、もう一度マイナーアクションとメインアクションを行います。先ほどと同様3種類のポーションを飲みます。その後マイナーアクションで竜人の固有スキル<竜化>を使用。これにより尻尾での追加攻撃が可能となります。オートスキルの<弱体化>を再びゴブリンロードにかけます。最後にメインアクションで魔法剣士のスキル<魔法斬撃>を使用します。所持している魔法石とMPを全て使用して、攻撃力に加算してゴブリンロードに攻撃します。ちなみに魔剣デスダンスは2回攻撃なので一回目の対象をゴブリンロードA、二回目と尻尾の攻撃をゴブリンロードBにします。ダイス振りますね。ゴブリンロードAに320ダメージ、ゴブリンロードBに403ダメージですね。」
GM「ゴブリンロードBは倒れます、ゴブリンロードAは耐えます。」(まずい、天パさんのキャラに一回もターンが回ってない。ボスが一撃っていうのも味気ないし、ギリギリの戦闘を演出したいな。数値弄っちゃえ。)
眼鏡「は?おかしいでしょ。ルルブのモンスターリファレンスに載っているゴブリンロードのデータを見る限り確実に殺しきれます。数値弄りましたよね?」
GM「ゴブリンロードも色々な強さがいるんですよ。とにかくゴブリンロードAは耐えました。」
眼鏡「ゴブリンロードがそんな強い訳ないでしょう。320ダメージといったら、基本ルールブックで一番強いモンスターであるドラゴンも一撃で倒せますよ。ドラゴンより強いゴブリンロードはおかしいですって。」
GM「GMが言っているんだから従ってください。ゴブリンロードAはまだ生きています。次は姫の版です。」
姫「GMくん女の子は死んじゃったの?回復できない?」
GM(姫は今回のセッションでまだ活躍してないし、活躍させるチャンスなのでは?)
「死んでいますがリリエちゃんなら奇跡を起こせるかもしれませんね。」
天パ「リリエさん!ワタクシ達がゴブリンロードの相手をしますわ!その隙に女の子を助けてあげてくださいませ。」
姫「リリエちゃんは女の子に向かってスキル<ヒール>を使います。判定は……失敗ですぅ。」
天パ「リリエちゃん全然役に立ってないじゃないですか。」
姫「うぅ、ごめんなさい。」
GM「まだよ。諦めないで。と天から神様の声が聞こえてきます。もう一度だけ振ってください。」
姫「判定……失敗しましたぁ~。」
天パ「なんで、そこで失敗するかな。そんなに成功率高いんだから成功してくださいよ。」
姫「GMくんもう1回振っちゃだめ?」
GM「いいですよ、もう一度振ってください。」(姫がかわいそうだし)
姫「成功しましたぁ!やった~。GMくんありがとう。」
GM「なんとリリエちゃんは奇跡的に女の子を生き返らせることができました!リリエちゃんの日頃の行いがいいから、神様が助けてくれたのでしょう。次は天パさんの……え~と、キャラ名なんでしたっけ?」
天パ「シナリオも終盤なのに、まだ覚えてないんですか!?マリア=エレナ = ブリッツィですよ。GMなんだから、そのぐらい覚えてください。」
GM「GMはやること多くて大変なんですよ。名前を忘れたぐらいで怒らないでくださいよ。では天パさんのアリアのターンです。」
天パ「マリアです!アビゲイルさん、リリエさんがいなかったらあの女の子は死んでいましてよ。それなのに平然としているなんて許せませんわ。やはりあなたはアンデット、この世にいてはならない存在ですわ!と言ってアビゲイルに向かって矢を放ちます。」
GM「仲間に攻撃するんですか?まだゴブリンロードAは生きてますよ。」
天パ「マリアはすでにアビゲイルのことを仲間だとは思ってませんよ。判定は……命中で23ダメージです。」
GM「許可してないのに勝手に判定しないでください!」
眼鏡「自分は構いませんよ。23ダメージなら魔鎧ソーンメイルの装甲値を超えられないのでダメージ入りませんし。ソーンメイルは物理攻撃を受けると、攻撃者に対してダメージを返す効果があるので天パさんは15ダメージ受けてください。呪術師の受動スキル<呪われボディ>があるのでさらに6ダメージ追加で。計21ダメージなので天パさんのキャラは死にますね。」
天パ「おかしいでしょ!なんで味方殺そうとするんですか!」
眼鏡「攻撃してきたのは、天パさんじゃないですか。」
天パ「今の攻撃をきっかけにアビゲイルとマリアが口論になって、最終的に和解。協力してゴブリンロードを倒すっていう熱いシーンへの前振りですよ。それなのに仲間を殺そうとするなんて、頭おかしいですって。」
眼鏡「そういうシーンがやりたいならあらかじめ言ってくださいよ。言わないで攻撃されても分からないですよ。」
天パ「普通分かるでしょ!PCが協力して物語を作るのがTRPGなんですから、本当に敵対する訳ないじゃないですか。マリアへのダメージは取り消してください。」
眼鏡「そう言われても魔鎧ソーンメイルとスキル<呪われボディ>の効果は自動で発動するので、取り消せません。よく見ないで攻撃する天パさんがいけないです。ゴブリンロードAは次のターン自分一人で倒せるので、天パさんのキャラが死んでいても戦闘には勝利できます。」
天パ「そうですか。それなら、もう出番はないですね。帰らせてもらいます。」
GM「もうそろそろ終わりなので、最後まで参加してくださいよ。」
天パ「嫌です。気分が悪いので帰ります。さようなら。」
姫「GMくん、そろそろ終わりにしないとコラボカフェ閉まっちゃうよ?」
GM(姫とのデートのチャンスを無駄にはしたくないしサッサと終わらせよう。)
「あっ、はい。え~と、洞窟の外から突然馬に乗った騎士が現れます。」
「騎士は『困っているようだな。雑魚ゴブリンなんか俺様には楽勝だぜ、助けてやるよ』と言ってスキル<究極斬撃>を使って騎士はゴブリンロードを倒しました。」
眼鏡「はぁ?」
姫「あっ!そのキャラ前の卓でGMくんが使ってたキャラだよね。かっこいいね。」
GM「気づいてくれた?さすが姫。という訳で無事ゴブリン討伐が終わりました。セッション終了です。ありがとうございました。やっぱGMはつまらないから、PLとして参加する方が楽しいな。」
姫「ありがとうございましたぁ。GMくんおつかれ~」