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ルキュール・ヘルツ  作者: アリマ
1/1

プロローグ

死者から心臓を集めている死神と噂された男がいます。

懐には心臓が入った瓶をいくつも持っている

彼には生まれてから心臓がありません

故に死ぬことができず幾100さ迷い続けています。

得た心臓を自分に取り込み、自分の身体に合えば普通の人間のように死ぬことが出来る

そう古い書物に書かれていたことを信じて幾百の心臓を自分に取り込んでいる

未だに自分の身体に適合する心臓はない………


――――とある田舎町「セレーノ」

ここはエルフしかいない小さな町である――――――


「さぁ、もう寝る時間よ」

母が私を急かす。今年で18になるのに未だに子供扱いだ。


「明日はモンレちゃんの転生の日でしょ。」


転生の日……。そうだ忘れていた。

立ち会ってくれと言われていたんだっけ。


「わかったわ、お母さん。お休みなさい。」

私は勢いよくベッドに入り眠りにはいる。

転生の日なら今の内にちゃんと寝ておかないと。

転生を見たら数日はまともに寝れなくなってしまうのだから……



―翌日―

モンレの自宅前


「ハッハッハ!、この度は転生の儀式の為にお集まりいただき誠にありがとうございます。

私はこの儀式の責任者アンカ・パシテと申します。」


白衣を着た目付きの悪い男が声をあらげる。

その後ろには女性の死体とモンレが二人並んでベッドに横たわっている。

死体の顔には布が被さっていてよく見えない。

モンレの表情はどこか恍惚としていた。

私には彼女の気持ちがわからない。

そう考えていると続けてアンカ・パシテと名乗る男は話続ける。


「この儀式を見るためにはるばる遠くから来ていただいた方も多数いらっしゃるでしょう。

改めてこの儀式について簡単にご説明させていただきましょう

ヒッヒャヒャ!

この儀式は身体に思い病や重症な傷を負った方にうってつけな儀式になります」

「こちらのお嬢様は先日流行り病を患ってしまい、余命は半年!

なんとも可哀想な話じゃないですか!

………でももうご安心をお母様、お嬢様。これからも長生きできますよぉ…」


ニヤニヤと笑いながらモンレの胸の上に手を置く。


「さぁ……ご笑覧あれ」


その言葉と共に身体の中に手が沈んでいき、ブチッ!と音と共にモンレの口から生き物とは思えぬ叫び声が聞こえた。


私は咄嗟に顔を覆った。友人のあんな姿は見ていられない。

説得はした。一度儀式を見た者は皆彼女を説得した。

でも彼女は頑なに拒んだ。生きたいと強く望んでいた。


しばらくして叫び声が止んだ。

恐る恐る顔を覆っていた手を下ろしていく。

そこにはモンレの心臓を手に持ち、ニヤニヤとしているパシテさんがいた。


「ふへひゃあはは!

驚いている方々!まだ転生の儀式は終わってませんよぉ!

本番はここからですよぉ!」


パシテさんは手に持った心臓を強く握りしめた。

心臓は赤く光始め、紋章のような文字が心臓とモンレの額に浮かび上がる。

すると死体の胸から管が数本飛び出し、モンレの心臓に向かって伸びてゆく。


ズゾゾ……ズゾゾ………


心臓を管が絡めとると、不気味な音ともにモンレの心臓は死体の胸の中にのまれて行く



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