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異世界では経験値が必要です。  作者: きうろ
第一章 -幼少ー
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神は違えど

 

「女神・・・じゃなくて邪神?にもらったはずのジョブがスキルやアビリティに組み込まれてるって事?」

「そうそう。」

「その・・・スライムとかカブトムシ?は入れろって言ってないんだよね?」

「なんで言わなアカンねん。とりあえず、[ジョブマスター]はなんか凄そうだったから言ったけど。」

「産まれる前にそんな事がねー。・・・その《神のような存在》ってのは倒すの?」

「いや、まだ分かんない。そもそも悪い存在だったとしても、俺に倒せるか分かんないし。」


 一通り説明した後、俺はみんなから質問攻めにあっていた。

 説明してすぐのみんなの反応は驚いたり、突拍子もない話についていけず呆れていたり、真剣に考えたりと様々だった。前世の記憶を持っていることについて話さなかったのは、なんとなく。としか言いようがない。一応他にも理由はあるが、やはりなんとなく、なのだ。


「話を戻すけど、俺が魔法戦士は俺のジョブに含まれてるって思ったのはその所為。」

「あ、うん。」

「で、召喚士、薬剤師、獣使いがなんで入ってるか、なんだが・・・」

「考えられるのは2つかな?本当にジョブに含まれているか、嘘か。」

「そゆこと。」


 ルードも俺と同じ結論に至る。というよりか、それしか考えられない。


「まぁ・・・それは明日にでも確認してみれば?」

「え・・・どうやって?」

「召喚してみたり、動物従えたり、薬作ったり?」

「いや、遠慮しとくわ。出来たところで正直役に立つか分かんないし・・・そもそもやり方わかんないし・・・。」


 マイムが提案してきたが、俺はどうすればいいのか分からないので首を振った。


「それよりもさ、ご飯食べない?冷めちゃうよ?」


 ライトはもうすでに食べ終わり、みんなの前に置かれたあまり手が付けられていない食器を眺め呆れながら言った。

 その言葉を聞き、思い出したようにご飯を食べたのだが、もうほとんど冷めていた。

 食べ終わった頃に女将さんが来て、食器を片付けながら「苦手なの多かったかい?ごめんね。」と言ってきて申し訳ない気持ちになった。


 その後、少し話をした後俺はマイムと2人で部屋に戻った。


「マイムのアビリティーなんだけど。」


 部屋に入ってすぐ、唐突に俺が話しかけ、善紳の加護の事を説明した。


「なんか身に覚えとかない?」

「善紳・・・いや、分からない。」


 と言いながらマイムは服を脱ぎ部屋着に着替えだした。俺は部屋にあった椅子を動かしマイムと向かい合うように座った。


「そっか・・・。俺は邪神、マイムは善紳。 敵・・・なのかな?」

「んー。違うんじゃない?例え神が違っても僕たちが友達なのには変わりないでしょ。」


 やばい・・・この子まじイケメンや・・・。

 少し口元が緩んだ。

 着替え終わったマイムはベットに座り俺と顔を合わせた。


「ありがとう。マイムと知り合えて良かったよ。」

「はは。それはお互い様だよ。ところで、明日僕は図書館に行こうと思うんだけど、一緒にくる?」

「図書館?そんなのあったの?」

「うん。冒険者ギルドの近くにあるよ。ウエンチはもうちょっとこの町のこと知ったほうがいいよ。修行も大事だけど、この町結構色々あるんだよ。」

「そなんか。じゃあ、図書館で調べ物終わったら町を周ってみようかな。てか、冒険者ギルドで思い出したけど、ワーウルフのクエスト受けてたよな?あれ何時いく?」

「あー。それなんだけど・・・もうないみたい。」

「どゆこと?」

「なんかクエスト依頼出した村の人がもう終わったからいいーって取り下げたみたいだよ。」

「・・・そっか。」


 心当たりがあるとは言えなかった。


「他にクエストは新しいの出てた?」

「ううん。この辺は比較的安全みたいで中々クエスト出ないんだって。 あ、でも商人ギルドは出てたみたいだったよ。ウエンチが帰ってくる前に話してた。」

「じゃあ明日の朝、クエストについて話し合うか。」

「だね。お金・・・はまだ大丈夫なんだよね?お金の事良く分かんなくて・・・。」

「ああ、ライトの武器が出来るまでは何もしなくても生活できる位余裕あるぞ。」


(そういえば、お金を見るのは初めてなんだよな・・・。一応奴隷予備軍の時に習ったけど、みんなにちゃんと教えとくか。・・・いや、でもよくそれでギルド行けたな。)


「そっか!ならよかった! じゃあ・・・そろそろ寝るよ。疲れた。」

「ああ、そだな。俺も風呂入ってから寝るわ。 おやすみ。」


 そう言い、部屋に1つしかないベットにマイムはそのまま入り、俺はお風呂に入って少しした後、端に寄って眠りに付いたマイムを起さないようにベット入り、眠りに落ちた。







「おはよう」


 部屋着から着替え終わったマイムが目を覚ました俺に気付いたのか、声を掛けてきた。


「あ、おはよ・・・。はやいな。」

「女将さんが起してくれたからね。朝食もうすぐで出来るみたいだよ。」

「そっか、じゃあ先に行っててくれ。着替え終わったらすぐ行く。」


 マイムは「わかったー」と言い、部屋を出て行った。

 とてつもなく二度寝をしたい気分の自分に鞭を打ち、着替えた。


「おはよー」


 着替えている最中、部屋の扉が開くと同時に声がしリリアが顔を覗かせ、俺と目が合った。


「朝食出来たってー。早く行くよー?」

「ああ、もうすぐ着替え終わるから、先行ってて。」

「わかったー」


 と、扉を閉めた。

 着替え終わり、部屋を出るとリリアが壁にもたれながら待ってくれていた。


「待ってたんだ・・・。」

「二度寝するかもしれないし。」


 半分呆れながら言った俺に少しきつめにリリアが言い返してきた。

「ありがとう」と笑いながら言い、一緒に1階に降りた。


 朝食はパンだった。ジャムのようなものが入ったビンがテーブルの真ん中に置いてあり、紅茶のような飲み物、サラダ、目玉焼きが1人一皿用意された。

 それらを食べながら、クエストの話をし、図書館に行く事を伝えた。クエスト内容は子守りと掃除、と女子2人でも大丈夫そうな内容だったので任せることにした。

 ご飯を食べ終え、お皿が片付くと俺はお金を取り出し、お金の説明をした。

 銅色の小さいのが(カッパー)、銀色の少し大きめのが(シルバー)、更に少し大きく分厚い金色のが(ゴールド)。手元にはないが、白銀(プラチナ)と呼ばれるお金があり、それぞれ100枚で繰り上がっていく。そして、全てのお金には[大判]と言うものがあり、その大判はそれぞれの50枚分の価値がある。と説明した。

 さらに、お金はあって困るものではないが重く持ち運びに面倒なので小さいお金から使うように、と説明に付加えるとみんな理解したように頷いてくれた。

 お金の価値についてはおのずと分かってくるだろう、と説明を省いた。




「じゃあ、ライト、ルード。鍛錬頑張ってな。」


 俺の言葉に2人は手を振り、俺とマイムを見送ってくれた。

 俺はマイムと一緒に図書館へ向かった。




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