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異世界では経験値が必要です。  作者: きうろ
第一章 -幼少ー
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謎謎謎


「全員、俺や、自分、みんなのステータスは見た?」


 みんなが「うん」と頷いたので、説明を始める。


「鑑定してもらったら分かると思うんだけど、能力(スキル)特殊能力(アビリティ)てのがあるんだが、そのスキル一つ一つも鑑定ができて、そのスキルの説明をしてくれる。とりあえず、自分の分だけやってみてくれ。」


 と、説明し、みんながスキルを鑑定し終わるのを待つ。


「終わったかな?次に、俺のアビリティを鑑定してもらえないか?」


 とりあえず、今隠していてもいずれバレると思ったので、先に邪神について説明しようと思った。

 前世の記憶がある、というのは隠して、魂の時に出会い、鑑定レベルが上がるまで邪神だと気付かなかった。今は倒したいと思っている。と説明しようと思ったのだが、


「グレン。アビリティって…どこにあるの?」

「へ?」

「そんな項目ないんだけど…。」


 ルードの発言に驚き、みんなを見ると、不思議そうな顔で頷いていた。


「待って…そんなはずは…貸してくれ!」


 ルードに鑑定石を半ば奪ったように貸してもらい、自分を鑑定してみる。

 しかし、()()()()()が効いているのか、いつの通りだった。


「おかしい…」


 そう、おかしいのだ。

 俺がこの世界に転生してすぐに自分を鑑定した時、すでに特殊能力(アビリティ)と出ていたのだ。今の俺の鑑定レベルは18。例え2割ランクダウンしたとしても見れるはずなのだ。


「すまん!俺のスキルを言ってくれないか?!」


(もしかしたらスキルの中にアビリティーが入っているかも知れない!)


「んと…言っていいのかな?」

「まぁ…言うしかないよね…?」


 マイムとリリアが言い辛そうに俺をちらちら見ていた。


「じゃあ、()()()()()言うよ? [魔力操作][見切り][熱血][練成][治療][剣技]。この6つだけ。」

「他は…ないのか?」

「うん。」

「マイムは?マイムとノウにもアビリティがあるんだ!出ないか?!」

「うん、ないよ。スキルを言おうか?」

「頼む。」

「マイムが、[魔力操作][治療]。 ノウが[魔力操作][治療][料理][嗅覚]。以上だよ。」


 マイムには、他に[究明]と[確率操作]があったはず。それがなかった。それにアビリティの[善紳の加護]もない。 しかし、ノウのアビリティ[嗅覚]はスキルに統合されていた。

 顎に手をやり考える。


(なぜノウだけアビリティがスキルに混じっている? マイムと俺と…ノウの違い。人間と亜人…いや、神か? そういえば、邪神はスキルしか説明していなかった。邪神の部屋で鑑定を使った時もアビリティはなかった。俺の鑑定がイレギュラーなのか?)


「何度も質問してすまないが、スキル、正確にはなんて書いてある?能力か?それともスキルか?」

「スキルだね。」

「そうか…。」


(俺の鑑定がイレギュラーなのか…。けど、どうしてノウだけスキルと混じってるんだ?神から貰ったスキルはアビリティーに分けられるのか?でも俺が持ってるスキルは全て邪神から貰ったはず。 もしかして…)


「グレン?」


 マイムが首を傾げながら俺を呼ぶ。


「あ。あぁ、ごめん。ちょっと考えてた…。」

「その…考えてるところ悪いんだけどさ…ちょっと説明してくれないかな?」

「あ、ああ。すまん。」


 俺は少し頭を下げた。みんなは俺が焦っているように見えたのか、少し心配している様子だった。


「何を考えてたのー?」

「そうだな…。まず、俺の鑑定なんだが…少し特殊なようだ。みんなに見えないものが見える。まず、マイムは他に2つスキルを持っている。恐らくかなりレアなスキルだ。あと、アビリティが1つあるんだが、これは後でマイムだけに言う。隠し事するようで悪いが、言う言わないはマイムの判断に任せる。」


「わかった。」とマイムが言い、みんなも頷く。それを見て、「ありがとう」と一言いい、話を続ける。


「ノウについてなんだが、俺やマイムと違い、アビリティがスキルと一緒に表示されているようだった。俺とマイムは消えているが、ノウは見えている。この違いは、俺とマイムのアビリティに関係があると思っている。俺とマイムのアビリティは少し・・・かは分からないが、特殊なんだ。」


 そう言いながら俺は思い出したように椅子に座る。といっても、ルードとノウ以外はお子様用の椅子で、椅子に付いていた足場に立っていただけなのだが。周りの大人から見たらかなりシュールな光景だろう。


「鑑定も特殊なスキルってこと?」


 リリアが質問してきた。が、意味がよく分からなかった。


「いや、鑑定結果が特殊なだけだと思う。」

「いやいや。だって、グレンの鑑定も私たち見えないんだよ?」

「え?」

「グレンのスキル欄に鑑定が無いもん。さっき言ってなかったでしょ?6つしか。」


(どういう事だ…。鑑定は特殊なスキルなのか?いや…そうか、俺の鑑定は異常なんだ。だから鑑定結果には表示されない。でも、そうすると邪神や善神が与えたスキルが見えなくなるって定義とは違ってくるぞ?邪神の部屋で使った鑑定と俺が今使っている鑑定が異質なのはさっきのでわかった。なら、この鑑定はなぜ()()()()()()みんなが使うこの鑑定石は俺が邪神の部屋で見た鑑定結果と同じなのに。俺が付与したのに。何が違う。何が……表示…あ。)


「すまん!この鑑定石で出た表示、()()()んだよな?!」

「え。さっきから読んでたじゃん。」

「だよな!すまん!」


(そう、()()()んだ!俺が今見ている鑑定は何語だ? 日本語だ! みんなに読めるはずが無い!異常なはずだ。そもそも、なぜ日本語だったんだ?普通はこの世界の文字のはずだ。邪神の仕業か?邪神が俺用に仕様を変えたのか?それなら神が与えたスキルの定義に入る!!)


「はぁーーー」と、長い安堵のため息をついた。

 スキル1つでこんなにも考えるとは思わなかった。とりあえず、みんなに「変な質問ばかりして申し訳ない。」と謝った。気を悪くするような質問もしたというのに、みんなは笑って許してくれた。

 そこへ宿屋の女将さんが来て「ご飯用意出来たけど食べるかい?」と聞いてきた。みんなお腹を空かしていたのか、「はい!」と元気な声で返事をした。


 ご飯を食べている最中、ライトが口を開いた。


「なんでみんなは1つだけなのに、グレンは7個もあるんだろ。」


 俺は食器の中を覗き、みんなのと見比べたが、量は減っていたが大差ないように思えた。


「いや、みんな大体一緒でしょ。」


 俺は首を傾げてライトを見た。

 


それに反応して、ノウが「ジョブだよ。ウエンチ7個もジョブあるんだよ?」という言葉に、俺は思いっきり口の中のご飯をぶちまけた。



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