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異世界では経験値が必要です。  作者: きうろ
第0章 -女神?ー
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職選び パート1





    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



『役に立たない助言なら任せてくれ。』 S・S



 

    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



 

 全部で62枚あったジョブを写した紙は、使えるもの、使えないものと分別された。

 女神曰く、ジョブを多く体に宿すと何かしら負荷が掛かってしまう可能性があるので最高で8つのジョブをこの中から選んで欲しい。だそうだ。

 戦闘向きのジョブ12、サポート向きのジョブ6、戦闘とは関係ないジョブ38、訳の分からないジョブ6。


「選ぶ前に聞きたいんだけどさ…敵ってどんなの?人間? 人間ならちょっと考えるんだけど。」

「いえ、人間ではありません。もし人間なら田中さんを召喚したりしませんよ。…そうですね。魔物、竜族とは少し違うのですが、魔族でもなく、人間でもない。要するに、わかりません。」

「何も分かってねぇのかよ。」

「いえ、恐らく神に近い存在なのではと予想しています。私はそのまま《神のような存在》と呼んでいます。」

「じゃあお前が行けよ。神だろ。」

「すみません…。私はここから出ることが出来ないのです。監視、管理はできるのですが…その神のような存在を覗こうとすると(もや)が掛かったように見えなくなってしまうのです…。」

「なるほどな…。で、話変わるけど…ジョブや魔法以外に地球とは違うもの教えて。」


 そう、これはかなり重要な事だ。

 レベル上げが必要だったり、スキルを入手したり、ゲームでは定番。レベル1でいきなり神みたいな奴と戦えと言われても無理に決まっている。ジョブだってそうだ。才能があるからと言って、いきなり使える訳ではないはずだ。もしそうなら賢者持ちの赤子なんかがいきなり暴走しかねない。魔法を唱える方法を覚えないと出来ないだろうが、無きにしも非ずだ。


「そうですね…。まず、ステータスというものがあります。レベルが上がると身体能力等が上がります。ただし、魔法は訓練でないと習得できません。」


 思った通りだった。もし子共が弾みで魔法を唱えてしまったとしても、大怪我をさせるようなとてつもない魔法をすぐに習得できるはずが無い。だからこそステータスで力を制御…と言って良いのかは分からないが、そういう仕組みになっているのだろう。


「あと、ジョブとは関係ないのですが、スキルもあります。そのいくつかを田中さんに提供したいと思っていました。なので、スキルの説明を続けたいのですが、よろしいでしょうか?」


 願ったりなので、無言で頷く。


「まず、魔法とスキルは別物です。そちらの世界のゲームの言葉で言えば、MP(マジックポイント)SP(スキルポイント)、ですかね。ただし、こちらではSPは使いません。使いたい放題です。特技のようなものです。物探しの魔法と、物探しのスキルがあるのですが、魔法は何度も使うとMPが無くなり気絶してしまいます。ですが、スキルは何度使っても問題ありません。覚えたら最後、デメリット0の超優秀な技です。」


 とりあえず、この女神が地球のゲームを知っている事については話がややこしくなりそうなので言及しないでおく。しかし、スキルが思った以上に便利なのには驚いた。


「ただ、覚えるのがかなり難しいです。【狩人】が【遠目】という遠くを見るスキルを手に入れるのに2年は掛かります。ずっと目を凝らすような職業の方でもそれだけ掛かります。別のジョブの方が覚えることは不可能に近いでしょう。」


 スキルを覚えている人は何かに突出したジョブを持っている、という事で良いのだろうか?

 分かったようでいまいち分からない自分の頭が情けない。もっとゲームしていれば良かったと首を傾げながら頬ををポリポリと掻く。


「で、田中さんはどんなスキルが欲しいですか?適当でもいいので何か言ってください。それに近いものがあれば、仮ですが1つだけ付与しますよ。」


 どうやら女神はスキルの味見をさせてくれるらしい。どんなスキルがあるのかは分からないが、言って損する事は無いのでとりあえず今一番欲しいと思うスキルを考えた。


「服が透けて見えるスキル。」

「ありますね。では付与し「待てまてまてまて!!!冗談が通じないのか!!」」


 ボケているのか、それとも頭がイッてるのか分からないが女神が付与するのを制止した。ダメ元でこのスキルを選び、本当に服が透けて見えたらとても嬉しいことではあるが、もしこのスキルを手に入れたとしても死んだとはいえ人としての品格がかなり疑われる。


「冗談ですよー。そんなスキルあったとしても付与しませんから。」


 ふふっと女神が笑っているのだが、本当に冗談だったのだろうか相変わらずの笑顔の所為で謎に包まれた。とりあえず息を整え何がいいのか本気で悩み考え、ここは定番なあのスキルがいいのでは、という結論に至った。


「じゃあ、鑑定スキルを。ってか…ある?」

「ありますよ。では、付与しますね。」


 女神が手をかざすと、すっと青い光が体を包んだ。その光は少しずつ体の中に浸透していき、体の中を巡り頭の一部に入っていくような感覚がした。

 青い光が消えると同時に女神が口を開いた


「鑑定したい時は、『鑑定』と口に出すか、心の中で念じてみてください。」


 言われた通り「鑑定」と女神に向けて口にしてみると、『鑑定不可』と、薄っすらと見えた。頭の中に浮かぶのではなく、直接見るタイプのようだ。しかし、この女神は鑑定不可な所為で本当に女神なのかどうか結局分からなかった。

 続けて、今度は自身の手を見て「鑑定」と念じてみた。




『期待の新人(笑)』『気体のエース(笑)』『中身子供』

【 田中 栄太 】 故 28歳 Lv8

 [????] 

 HP 0/6

 MP 0/0

 攻  3

 防  2

 魔攻 0

 魔防 0        


 経験値あと687でレベルアップ。


【スキル】

 ・鑑定Lv1

 ※???の確率操作EXにより死亡。





「名前の下にあるやつに『?マーク』付いてるんだけど、もしかしてここにジョブが入るの?あと、スキルにもレベルがあるの?」


 鑑定結果を見て涙が出そうになるのを必死で堪える。一番上のを気にしたらダメなんだ。と、見ていないことにして声を震わせながら女神に質問する。


「はい、そこにジョブが入ります。スキルにもレベルがあり、鑑定の場合、レベルが上がれば鑑定結果にも鑑定が使えたり、より詳しい情報が見えます。あと、一番上にあるのは二つ名ですね。田中さんの場合、3つありますが、二つ名は特に気にしなくても大丈夫です。ただ、これは…バグなのかな?田中さんの二つ名の1つに『気体の「言わないで!!!言わなくていいから!!!もう分かってるから!!バグじゃないから!!!!もう許してぇ!!」


 涙を流しながら女神の言葉をさえぎった。女神はきょとんとした感じで、まるで『気体のエース(笑)』が本当にバグなのかと思っている様子だった。

 空気。そう思われていたのだと。(笑)を付けながらみんなに思われていたんだなと、約20分の間田中もとい、気体のエース(笑)は泣いていた。女神はそれを呆然と眺めることしか出来なかった。




「スキルについては分かった。ジョブを見ていこう。」


 瞼を真っ赤に腫らしながら俺は女神を見つめていた。

 約20分何も言わず待っていてくれた女神に感謝の念を込めながら。そう、俺は忘れていた。この女神が俺を殺して、その後も涙を流させる元凶だったという事を。


「また質問なんだけど…この訳わかんないジョブ、なんなの?鑑定しても分からないんだけど…。」


【訳分からないジョブ】


 [寄生虫][カブトムシ][パラサイト][ジョブマスター][スライム][松岡〇造]


 言葉を区切り、一度訳分からないジョブを流し目で見ながら女神に向けてもう一度質問する。


「…ジョブなの?」


 女神は右手をグーにして、人差し指と親指を唇に合わせるように考えるポーズをとった。

 癖なのだろうか。顎に手を当てる人は見かけるが、初めて見たかもしれない。まぁ沢山いるだろうが、俺には新鮮で少し見入ってしまった。

 最初は泣き顔ばかりみていたから引いていたが、普通にしているとやっぱり美人なんだよなぁ、などと考えながら女神を見ていると、ふいに目が合ったが、また女神はテーブルの上にあるジョブ紙に目をやる。


「田中さん。」


 女神に少し見惚れていた為、声をかけられビクっと体を強張らせた。


「地球で…ゲームや本や、テレビ等で影響受けたりしたものないですか?」


 言われてみれば、この中のものに心当たりはあるかもしれない。

 ラノベ、漫画、テレビ。他は分からないものもあったが、気になる点が幾つかあった。


「寄生虫とパラサイトって同じだよね?」

「私の地球に関する知識が間違ってなければ同じはずですが…何か違いがあるのでしょうか。」

「さぁ?」

「…田中さん、この中から1つ選んでみてみましょう。」

「は?」


 突然爆弾発言が出た。


(いや、これほとんど虫だよね?あとはダメなやつじゃないのかな?特に松岡〇造とかイケナイ事になると思う。いや、本人はリスペクトしている。太陽神だし高校時代テニス部でプロの試合とかテレビでみてるから、すごい人なのはわかるけど、ダメなやつだ。そしてスライムて…つかカブトムシて…ジョブなんだよね?職だよね?これで飯食っていけんの?蜜でも吸えってか?意味がわからない!なんでこんなのから選ばないといけないんだ?!)


「この中に、当たりがあるかもしれません。」

「ねぇよ!!!」


 さっきまで頭をフル回転させ、わずか1.8秒で考えた結果、なぜこの中から選ばないといけないんだという結論に至った瞬間の女神からの一言に目を見開きながらツッコミを入れてしまった。


「田中さんが影響を受けて出現したジョブだとしたら、それに近い技やスキルを手に入れることが出来るかもしてません。質問です。スライムで浮かび上がるスキルを答えてください。」

「……吸収。」


 ラノベで見たやつだ。


「では寄生虫」

「人間を捕食。」


 これは漫画。一文字違うけど、パッと思い浮かんだ。


「パラサイト」

「経験値、職を奪う。」


 これもラノベだ…アカンやつや。


「ジョブマスター」

「これはホント分からない。」


 これに関しては本気でわからない。


「カブトムシ」

「蜜を吸う。」


 あーさっきのが頭から離れなくなったぞ。


「松岡〇造」

「熱血。か、太陽神。」

「それにしましょう!」

「却下!!!」




ダメだったらいってください・・・。

始めたばかりで何がダメなのか分からないので・・・。

すみません・・・。

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