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4 陸軍士官候補生編

昭和38年4月 今村は陸軍士官候補生の採用試験を受けた。


彡(゜) (゜) 「なんとか受かったで」


彡(_) (_) 「身体試験は大丈夫か心配したんやが問題は無かったみたいや」


彡(゜) (゜) 「そういや学科試験で隣だった本間君はどうだったんかな」



学科試験にて


「佐渡中学校の本間だ。よろしくな」


彡(^) (^) 「よろしくやでー」 




彡(゜) (゜) (本間君とはそん時から仲良くなったんやな)


彡(゜) (゜) (終戦後は戦犯として処刑されたんやったな・・・)


彡(゜) (゜) (彼はフィリピン攻略でマッカッサーの顔に泥を塗ったから、報復的な意味が強いな・・・)



補足)本間雅春 1887年ー1946年


太平洋戦争では陸軍中将として出征。フィリピン攻略戦を指揮しました。数に勝る米比軍に苦戦し、攻略後は予備役編入となります。終戦後はバターン死の行進の責任を取らされ銃殺刑に処されます。



補足2)バターン死の行進


簡単に言ってしまうと捕虜となった米比兵が捕虜収容所に移動する際に多数死亡した行進の事です。

死亡者の多数がマラリア患者でしたが、日本軍参謀から虐殺命令の偽命令が出たことで非人道的行為が行われました。


補足3)日本軍参謀


辻正信で検索して、どうぞ



試験に合格した今村は明治38年12月に第19期生として東京市ヶ谷の陸軍士官学校(陸士)に入学した。陸士での生活は非常に大変なものだったようである。現在の自衛隊の生活をイメージすればその大変さが分かるだろう。




彡(゜) (゜) 「朝六時に起床、夜10時半に消灯。分刻みでの行動や。辛すぎィ!」


彡(゜) (゜) 「みんなひぃひぃ言っとるで。日曜日の外出が待ち遠しいンゴ」


彡(゜) (゜) 「ワイはお金がないから外出できんけどな」


日曜日の外出では生徒達は出身部隊別や県別に用意された日曜下宿に集まって談笑したり、街で高級品を楽しんだりした。しかし今村の家庭の懐は寂しい。弟の学校の仕送りもせねばならない為、今村は他の生徒よりも少ない金でやりくりせねばならなかった。


彡(゜) (゜) 「あの時は文字通り『貧』やった。苦しかったけどその分勉強出来たからプラマイゼロや)


彡(゜) (゜) (でもあの時辛かったのは貧だけじゃなかったんや)


今村を苦しめたもの、それは『睡魔』だった。相変わらずの頻尿で常に睡眠不足だった彼は何度も教室での居眠りで叱られている。


彡()()  「あ、あかん。授業で寝てまう・・・」


彡(゜) (゜) 「うーん、どうしたらいいンゴ」


彡(^) (^) 「せや!刺激で目を覚ましたろ!」


居眠りの対策として今村は唐辛子の粉を活用している。


彡(゜) (゜) 「眠くなったら、唐辛子パクーで」


彡() () 「ヴォエ!辛っ!」



彡(゜) (゜) (人一倍劣った体と居眠りの持病。あの時の一年半は実に苦しかったンゴねぇ)


19期生の採用人数は1083人だったが、そのうちの115人が落伍した。実に一割である。

それでも彼はなんとか陸士を明治40年6月に卒業し、榴ヶ岡歩兵第4連隊にて見習い士官としての生活を始めた。今村は兵士達を自分の弟の様に可愛がっており、自分の従兵とも友好な関係を持った。


彡(゜) (゜)「ワイももう職業軍人だから給料がもらえるんや。須藤、金州城外のレコード買ってきたで。一緒に聞こうや」


従兵「はいっ!」


そんな彼だが女性関係に関しては自他共に『厳』の態度で臨んだ。


彡(゜) (゜)「軍人は異性などに接近するべきではない」


従兵「つまりホモになれという事ですか?」


彡;(゜) (゜)「ちゃうわ、人を殺す職業の者が人を愛すべきではないということや。愛し合う人がいる兵士は弱い、殺すことを躊躇ってしまうからや」


従兵「なるほど・・・少尉、一つ質問よろしいですか?」


彡(゜) (゜)「ええで」


従兵「もしかして少尉殿は童貞ですか?」


彡() ()


彡() ()「どどど、ど、どど、童貞ちゃうわ!」


実際、彼は結構長い期間童貞で通したようだ。



次回は板垣との関係を少しかきます

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