3 軍人への決意編
今回は短いです
父が病死したことで高校の進学を断念した今村は進路に迷っていた。
J( 'ー`)し 「今は皇国は戦争で重要な局面に立たされています。ひとしは将校、もしくは現役兵を志願して戦場で働きなさい」
当時の日本は日露戦争の真っただ中であり、軍人の娘であった今村の母でなくともこういう考え方は一般的であった。
彡;(゜) (゜) 「お、おう。考えておくで、マッマ」
彡(゜) (゜) (とは言ったものの・・・ワイは軍人が向いているんやろか?)
彡(゜) (゜) (体も貧相やし、ワイが軍人に適した人間とはどうしても思えん)
ある日、今村は新聞で青山練兵場で観兵式が行われることを知る。
補足)観兵式とは一口で簡単に言ってしまうと「軍事パレード」です。大日本帝国では国家の威厳を高める目的で天皇も参加していたようです。
彡(゜) (゜) (ほーん、そんなもんがあるんか)
彡(゜) (゜) (軍人になる決心はつかん、でも一度見ておくか)
当日 青山にて
彡;(゜) (゜) (ファッ!?なんやこの人たかり!)
彡:(゜) (゜) (ま、まあええ。満員やが無理やり見てみるか)
彡(゜) (゜) (・・・オッ天皇の行列やんけ!)
天皇の行列は近衛騎兵を先頭に練兵所入り口にさしかかった。
彡(゜) (゜) (なんかよく分からんな・・・人が邪魔で全然見えん)
小柄な今村にはわずかに天皇の馬車が見えただけであった。やがて観兵式が始まり、軍楽隊の演奏やラッパが聞こえる中、今村は一時間ほど立ち尽くした。
彡;(゜) (゜) (・・・なんかつまらんなぁ。はよ帰りたいわ)
練兵所から騎兵巡査が現れ、あちこちから「お帰りだ」と言う声があがり、次いで儀仗兵が見えた。
その時、今村は大波に襲われたように前へよろけた。
(`o´)「万歳、万歳!」
(・8・)「天皇陛下、バンザーイ!」
└(*・ヮ・*)┘「バン↑ザァアァァァイ↓!!!」
彡;(゜) (゜)「なんや、なんや!危ないわ!」
興奮した群衆は憲兵や警官の制止を振り切って行列に殺到した。当然、流れに流された今村もである。今村は小柄であったことで流れに流され、最前列まで押し出された。
彡(゜) (<)「なんやもう!あー糞、痛いなぁまったく・・・」
彡(゜) (゜)「・・・あっ!!」
気付いてみれば二メートルの距離の所に天皇が居た。
補足)当時の日本は今と比べ物にならない程に愛国教育を受けていました。そうした背景もあったので人々は天皇を滅茶苦茶尊敬していたのです。
彡() ()「わ、わ、わ」
ヾヽ
γ_ ・l>
ミ(ノノハヾ)
ヘ レハ ゜ヮ゜ノヽ
〈 とl>炎つ 〉
VWW /__l|WV
∪∪ 彡(゜)(゜)
と
レハ ゜ヮ゜ノ←天皇 ニッコリ
彡() ()「あ、あ、あ」
彡() ()「あああああああ!」ブリブリブリブリブリ
群衆の「万歳」の声はますます強くなり、果てには狂気的なものも混じった。人々の頬は涙に濡れ、
目は輝いていた。
彡(゜) (゜)(あの時の感動は忘れられないンゴ・・・)
彡(゜) (゜)(これが日本のお国柄だった。あの時、ワイは君民一体の大家族国家に感銘させられた)
J( 'ー`)し「ひとし、観兵式はどうだった?」
彡(゜) (゜)「ほんま、ほんまにすごかったで・・・」
J( 'ー`)し「それは良かったわ」
彡(゜) (゜)「なぁ、マッマ」
J( 'ー`)し「ん?どうしたの?」
彡(゜) (゜)「陸士受験することにしたわ。もし不合格だったら現役兵を志願するンゴ」
J( 'ー`)し「・・・!」
今村の長い軍人としての生涯はこの十八歳の時の感激から始まった。
次回から今村の軍人としての道のりを書いていきます。ところどころ有名な人も出てくるでしょう。