2 少年期編
少年期編です。軍人はまだまだ登場しません
彡(゜) (゜)(ワイはよく成績優秀、とか秀才とか言われるけど、昔は全然そんなんじゃなかったんやで)
小学校低学年の頃の今村は”いい子”ではなかった。授業中はあまり集中せず、窓の方へよそ見ばっかしていた。今(現代)よりも厳しい教師はそれを強く叱責した。それが続き、遂には今村は登校拒否をする問題児になってしまった。
彡(゜) (゜)(でも、その後の担任の先生が良い先生だったからワイは学校が好きになった。成績も後を追うようにして上がっていったで)
彡(゜) (゜)(勉学をするにしても環境はやっぱり大切やね)
彡(゜) (゜)(そうそう、あの時は日清戦争が勃発してたんやな。ワイも軍人の錦絵を買ったで。マッマは親が軍人という事もあったから、幾らでもお金を出してくれたンゴねぇ)
彡(゜) (゜)(あの時にみた錦絵の影響で”強くて優しい軍人さん”に憧れるようになったんや)
彡(゜) (゜)(まぁ、ワイが軍人を具体的に志望したのはもっと後やがな)
今村少年は中学一年生まで山梨におり、それから父の転勤の為、新潟へ引っ越した。
中学時代は小説を読みふけり、文学部と講演部の部員を熱心に務めた。彼は今で言う文学少年であり、彼の周りにもそういう人間が集まっていた。後に軍人となる者の少年期としてはインドアである。しかし、彼には当時の彼とは全く違う、運動少年が一人いた。
(●▲●)「よう、均。また小説なんか読んでんのか?」
彡(゜) (゜)「せやで、滝沢。ワイは小説が大好きなんや」
(●▲●)「まったく・・・小説は青びょうたんのもとや!今度泳ぎに行こうぜ!」
彡(゜) (゜)「お、おう」
滝沢二三朗、スポーツ万能の少年だ。彼は小説等の本に対してあまり良い感情を持っていなかったようで、今村少年はいささかそれを持て余していたが仲は良かった。
J( 'ー`)し 「二三朗君、いつでも遊びに来なさいよ!」
(●▲●)「はい、ありがとうございます!」
母は二三朗の影響で今村少年が男性的になることを期待していた為歓迎していた。そのこともあって今村少年と二三朗の仲は親友と呼べるほどにまで発展する。
彡(゜) (゜)(ワイは二三朗と仲良くなれて良かったと思う。あいつがいなけりゃ今頃ワイは文弱病身で
この世を去ってたやろなぁ)
明治37年、日露戦争が勃発した年に今村は中学を首席で卒業した。
彡(゜) (゜)「ワイ卒業式で感謝の辞を述べることになったんやで。すごいやろパッパ!」
彡[゜][゜] 「そうか、すごいじゃないか!ゲホッゲホッ」
彡(゜) (゜)「パッパ大丈夫か?」
彡[゜][]「ああ、大丈夫だ。気にするな」
今村の父は卒業式に出席した夜に発熱して倒れる。
数日後、今村は枕元に座って進学の相談をした。
彡(゜) (゜)「パッパ、ワイは東京の高校(現代で言う大学)で法律か経済を学ぼうと思う。どや?」
彡[゜][]「・・・そうか。お前には仙台二高で文科を学んでほしかったが・・・」
彡(゜) (゜)「すまんな、パッパ」
彡[][]「気にするな、お前は自分の道を進めばいい」
彡(^) (^)「サンキューやで、パッパ。体大事にしてクレメンス」
彡[][]「ぁぁ、分かった」
父は自分の意見を相手に押し付ける性格ではなかった。その為今村は東京の高校を受験することが出来た。四月、今村は受験勉強の為に上京した。
が、その一ヶ月後に今村は「父危篤 すぐ帰れ」の電報を受け取る。帰りついた我が家には「忌中」
札が貼られていた。
彡() ()「あ あ」
彡() ()「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
彡(゜) (゜)(あの時は本当に辛かったな・・・)
彡(゜) (゜)(人の世にはこんな辛い事があったのか、と絶望ばかりしていた)
彡(゜) (゜)(あの時、二三朗はワイの傷心を支えてくれたな。本当に彼には感謝せずにはいられないンゴ)
父の死は今村の人生を大きく変えた。収入が無くなった母は幼い兄弟姉妹を養わなくてはならないから彼の為に膨大な金を使う訳にはいかないのだ。今村は進路を変えざるを得なくなった。
今回は父の死、二三朗の登場までです。二三朗は今後ちょろっとだけ登場します。