第12歩 妖怪からの逃亡
ドシンッ ドシンッ
とナニかが弾んでいるような跳ねているような音が聞こえてきた
マジか…
聞こえ覚えがある音だった
この音は人間の頭を大きくしてその体が無く頭だけの妖怪だ
確か名前があったような気がする
まいくびと言ったかな?いや、まいくびは三人の首だったから違うか…
大きさも違う
なんだったっけ…
こういう時の掲示板だ
前にこいつとあったのは小学校だった
放課後に残っていたのだが帰る時に襲われて学校の中を鬼ごっこしたのだ
その時は逃げ切ったから良かったものの今回は異世界に入っているため逃げられるか正直分からない
そこまで考えてから
掲示板の画面に目をおとした
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061 無気力ネコ
やっば…あった時あるかも
062 名無し
え…何と!
063 名無し
誰誰!!何かいるの!
064 名無し
何かあったの!?
065 名無し
人?いるの?
066 甘党男子
妖怪?だよね…多分
067 名無し
マジか…
068 我は天使なり
え!一回見た時あるやつ?
069 無気力ネコ
小学校の頃あったやつで
頭だけの大きいやつ知ってる?
070 名無し
小学校?本気で!!
071 名無し
凄い
大変そうだなぁ
072 名無し
えっと
それってさ、ゲゲ●のやつのつるべ落としってやつじゃない?
073 我は天使なり
つるべ落とし?あぁ、わかりやすい!!
074 名無し
視えないけど特徴だけ調べたら出てきたぜd(ゝω・´○)
075 名無し
スゲェ、妖怪って調べたら出てくるんだ!!
076 甘党男子
多分似てるって事だけだと思うけどね( ˙꒳˙ )
077 名無し
冷たいっ!!褒めてあげて下さい!!
078 我は天使なり
褒めてあげて…
079 無気力ネコ
いや、そんな事はどうでもいいから対処法とかないの?
080 名無し
そんな事!?
そんな事ですと!?
081 名無し
なんと…!?
失礼な方だ!!
無礼者じゃ!!
082 名無し
そこでぶった斬る俺o(`・ω´・+o) ドヤァ…!
対処法って調べたけど載ってないな
ネットでは…
083 名無し
おれおま!
それなぁ!!ナインデスケド!
084 説明係
釣瓶落とし(つるべお)または釣瓶下ろし(つるべお)とは、京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県、和歌山県などに伝わる妖怪。
木の上から落ちて来て、人間を襲う、人間を食べるなどと言われている。
085 名無し
ナイス!説明係!
086 無気力ネコ
そこの県に住んでいないから多分…だなぁ(ºωº)
087 名無し
多分…?何かあるの?
088 名無し
あぁ、なるほどね(·∀·)ニヤニヤ
089 名無し
087は新人かな?
090 我は天使なり
無気力ネコの最初のスレッド知ってる?
なんと『親友がホイホイ過ぎて困る件』ってやつなんだよ(・∀・)
091 無気力ネコ
察してね(°言°怒)
092 名無し
察した( ˙꒳˙ )
093 名無し
察した…
094 甘党男子
塩持ってる?無気力ネコさん
095 無気力ネコ
あぁ、うん
持ってるよ
096 名無し
何をする気だ?
097 名無し
なんでw塩持ってるのwww
098 我は天使なり
マジかwいつも持ってんの?
099 無気力ネコ
塩1袋もってるよ
何か嫌な予感したからね( ・´ー・`)
100 名無し
こんな苛つくドヤ顔がかつてあっただろうか…
101 名無し
親に言ってあるの?
102 無気力ネコ
言ってないよ
夜中にこっそり詰めてきました
103 名無し
お母様「あれっ?塩が全部ないわぁ」
ってなるよ!!
104 名無し
本当だwww
ないわぁってなるw自分もそう思うよw
105 我は天使なり
まさか自分の子供が持っていくとは思わないよねw
106 無気力ネコ
いや、あのさぁ
早く帰りたいんだけどさ
107 名無し
すいません
でしたぁぁあああ
108 無気力ネコ
甘党男子さんはやくなにするかいっ
109 名無し
あれ?途中?
110 我は天使なり
やばいんじゃない?
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やばいやばい
ドシンッ ドシンッ
と後ろから聞こえた
書き込んでいる途中で近ずいてきている事にはきずくことが出来たが、遅すぎた
走りながら様子を窺うぐらいは出来るかと思ったが早すぎて無理だ
私の身体能力は平均値といえば平均値なのだが持久力が元からないので早めに切り上げないと追いつかれるのは目に見えていた
釣瓶落としは対処法が無さそうだから異世界から出た方が早い
と思っていてもその異世界からの脱出方法が分からないのでどうすることも出来ない
とにあえず、隠れられるところを見つけなければ
ハァ ハァと息だけが荒くなっていく
脚もそのうち動くのが遅くなっていくだろう
こういう時だけ何故体力をつけなかったのだろうと後悔するのだが
今思った所でかわらない
あ!!家の裏側らへんなら上手く隠れられそうだ
そこで思い切って走るスピードを上げた
後ろのドシンッ ドシンッという音が少しずつとうのいているのが分かった
すっと家の裏側に回り込み
息を潜めて、釣瓶落としの様子をみた
すると
ゆっくりと左右をドシンッ という音で見ながらこっちにきずくことはなく過ぎていった
ハァ…と大きくため息をつき
息を整えた
また鬼ごっこはやりたくなかったなぁ
と思いながらさっき放置した四角型の携帯機器のパスワードを解いて開けた