能力者の真相
俺はフリッツと一緒に、能力者の歴史についてこれまで知らなかった事実を初めて知った。ソイツは、大昔、子供の頃に描いた落書きを大人達に見せ意見を聞いた。知ったかぶった大人達の知識や見栄が子供の落書きを、全く別のものに作り変えてしまった。その子供はその絵の正体を明かし、真実を受け入れきれない見栄っ張りの大人達は、子供を非難し自分達の意見を肯定した。子供という立場に付け込んで、真実をねじ伏せたのだった。その子供が後に、絵画の世界でで脚光を浴びる絵描きになった事までは、俺達にとってはどうでも良かった。しかし、ソイツには不思議な力があり、居合わせた俺達の祖先を見る力があった。まるで、写真にでも収めたかのように鮮明にソイツは俺達の祖先の絵を描き上げた。それからと言うもの、ソイツに一目置いた俺達天界の使者は、ソイツの中の不思議な力を見つけた。それが、俺らが恐れている能力者の起源だった。そこから子孫ができ、能力者の力を持つものは枝分かれしたが、その系統の全てが能力者かと言えば、そうではなかった。そこからどんどん枝分かれし、突発的にその力は芽生え始める傾向があったと、俺達の祖先の学者が書いた本を俺達は読んで知識を得た。
数日間俺は、能力者について調べつつ持ち場の仕事をやりくりしていた。能力者の仕業は、狂った出来事の微調整をしても更にどこかでそれが生じ、事が変化していっている。死に繋がるもの、結ばれるはずの者が、結ばれずにいるもの、予定外の事柄はどの部署にも影響が継続していた。
俺は依頼を受けた仕事をする為、今回もマットを連れて出かけた。
「カートさん、人間界は四季っていうやつがあって面白いですね。こないだの所は、秋という季節で、今回は冬なんですね。場所によっても違うなんて面白いなー」
「感心してる場合か……。ほら、依頼書の内容は頭に入ってるか?」
俺達は街の一角にある建物の屋上で話していた。空には厚い灰色の雲が広がり今にも雪が降り出しそうだった。
「はい! 真知子という女の意識を通りすがりの店に気を引かせ足を止める。そして、店の中から1匹の犬と出逢わせてそれを買って返る。どうですか。完璧でしょう!」
マットは鼻の下を人差し指で擦り、得意げな顔をして見せた。
「そうだな。時間は1時間。気を抜くな。動物達の中には、俺達が見えるヤツもいるからな」
「はい。じゃ、僕行ってきます!」
巻き毛の少年に扮したマットは紺色のニット帽を被り、同じ色のピーコート姿で出かけていった。
俺はその場所からしばらくマットを見守った。すると、建物の近くを歩く一人の女を見つけた。
「……あれは?」
俺は興味本位で建物から降り、宙を舞いながら女に近づいて行った。
「結城さーん! 今日、あそこでランチしよー。ワンコインでデザート付いてるしっ!」
「すごーい。美由希ちゃん、いいところ見つけたね。うん。そうしよう」
黒く長い髪をした女の足を見ると、ぼんやりとしたピンクの光が足に纏わりついていた。
「間違いない。コイツ、足占者(ソクセンシャ)だ……。珍しい。本では読んだことあったが、希少な種族だとは知っていたが、実際見るのは初めてだ」
俺は宙を舞い、女の近くで足元を見ていると、急に歩く足が止った。
「あの……。あ、英語かな……? えーっと……What are you doing?」
女が一人でブツブツ言っている声が聞こえ、俺は顔を上げた。
「!!!」
女は間違いなく俺が見えている様子で、どう声をかけていいか分からずにいた。
「お、俺が見えるのか?」
俺が声をかけると女はほっとした表情を見せた。
「あ。言葉分かる。……よかったー。えっと……。 見えるって、彼方、宙を浮いているけど幽霊ですか……?」
女はクスクスと笑い、俺に話しかけた。
「いや……」
俺は女と向き合って地面に足を付け立った。なんだ、コイツ? 俺見て驚くどころか、笑ってやがる。
「足元見てましたけど、何か……?」
「いや……別に」
俺はそ知らぬふりをしたがそれは時既に遅しだった。女は俺を見透かしてクスクス笑っていた。
「ゆーきさーん! 何してるのー? 中入るよー」
店の入り口で女が足占者の女を呼んでいた。すると、女は今行くよーと返事をして再び俺を見た。
「もしかして、私の足の事知っているのですか?」
にこりと笑顔を見せ女は俺を見ていた。俺は女がふつーに話しかけていたのを見て面食らった。
「あぁ。お前、俺の事見て驚かねーの?」
焦る俺を見て女はクスクス笑った。
「はい。私、稀に見えることがありますから」
悪いヤツじゃなさそーだ。俺は意を決して女に尋ねた。
「な、なぁ。お前もしかして、先の事見えたりするのか?」
「? いいえ。そんな力はありません」
足占者の女は笑顔で答えた。横に首を小さく振ると束ねた黒く長い髪が、さらさらと小さく揺れた。
「そうか……」
俺は内心、能力者ではない事が分かりほっとした。女は友達が待っているからと行って、店のほうに向かって行った。
「また、どこかで“道しるべ”して下さいね」
女はそう声をかけて俺に手を振り、店の中に入っていった。
「変な女だ……。俺達の仕事を知っている。ま、足占者は温和な種族だ、悪さはしないから心配ないだろう。マットの様子でも見に行くか」
俺は、真知子と言う女が店に近づく頃を見計らい、マットを遠くから見守ることにした。電柱の上に腰掛けると、その近くでカラスが羽を休めていた。
「ダンナ……人間じゃないね?」
カラスの漆黒の艶やかな目に、人間の姿をした俺が映る。
「あぁ」
「ひょっとして、ダンナ、カートとか言う使者か?」
「? なぜ、俺の名前を?」
カラスは距離を保ったまま、俺に話しかけ始めた。
「巷の猫たちが捜しているとかで。俺達にも声がかかってさ」
「猫が俺を?」
「そうさ。何でも、マリアとかいう猫が誰かに殺された……とか」
「-------!! マリアが!? それは本当なのか!? デマだったらただじゃおかねーぞ」
俺はカラスの首を軽く掴み睨みつけた。
「いや、嘘じゃない。つい3日前にその猫が死んだんだ。そいつが居た路地裏に行ってみるといい。猫達が待っているはずだ。だから、離して下さい」
「路地裏……」
俺はカラスを掴んでいた手を離した。カラスは羽で喉元を撫で、いそいそと反動をつけて電線から飛び去っていった。
嘘だろ……マリアが……。殺されたって、誰に? 俺は、居ても立ってもいられない気持ちだった。しかし、マットの仕事を見届けるまでは持ち場を離れるわけに行かない。
マットは既に真知子の意識をペットショップに向け、店の中へ入っていった。店には、数種類の犬や猫がショーウインドウに入っていた。選ぶべき犬は、仔犬のチワワ。マットは犬に話しかけ、アピールするよう仕込んだ。そして、真知子の意識をそのチワワに引き寄せた。今回は、失敗ないだろう。俺は電柱から動かず、マットを見守った。
「カートさーん! 成功です」
マットが俺を見つけ、宙をくるくると回りながら元気よく現れた。店を出る真知子の手には、チワワが入ったキャリーバックを下げていた。
「よくやった」
「はい。……でも、僕としては手前にいた柴犬を飼って欲しいなって思ったんですけど……。けど、無事に仕事が終わってよかったー」
マットは始め小声でごにょごにょと話した後、両手に拳を作り身体の力を込めると、大きくそれを空に突き上げた。
「もうそろそろ、お前も一人立ちだろうからな。後は慎重に慌てない事だ」
「はいっ!」
マットは大喜びで宙をクルクル飛び回っていた。俺は、頃合を見て興奮冷めやらないマットに声をかけた。
「お前は戻って、報告書書き上げておけ」
俺はそう言って身を消そうとしたが、マットはすかさず俺を呼び止めた。
「今日は、僕もお供させてくださいっ! 報告書はちゃんと期日守りますから~」
俺の周りにまとわりついてマットはせがんだが、俺は厳しくマットを突き放した。
「ダメだ。お前は戻れ」
「えーっ。カートさんばかりずるいですよぉ」
「そういう捉え方をするな。俺は仕事だ」
「そうですか……。じゃぁ、お先に失礼します」
渋々マットは天界に戻ってくれた。俺は急いでマリアの住んでいた街に移動した。
巨大観覧車がゆっくり回転しているのを横目で見て、俺は繁華街の路地裏にたどり着いた。
「おい、マリアが殺されたって本当なのか?」
マリアの居た積み上げられたダンボールの周りには、たくさんの猫達が辺りを囲んでいた。
「カートさん……」
別のエリアで俺がMP3プレーヤーを預かってもらっている白猫が、青い目に涙を溜めて声をかけた。
「マリアは?」
俺が尋ねると周りの猫たちが道を作り、白猫を通した。俺は白猫に案内され路地の奥へ進んでいった。
ダンボールの中に薄汚れた毛布が敷き詰められ、その中でマリアはまるで眠っているかのように身を丸くして息を引き取っていた。
「……マリア……どうして……」
俺は冷たくなったマリアを抱きしめた。マリアの胸には銃弾を受けた傷口があり、その周りは既に血が固まり黒ずんでいた。漆黒の毛並みからは艶が消え、ボサボサになってしまったマリアの亡骸からは死臭と血の臭いが鼻についた。胸の奥がぎゅうっと苦しくなり、俺は涙を思い切り堪えた。泣いてなんかいられねー。マリアを殺したヤツをどうにかするまで。俺は、顔を上げ集まっていた猫達を見た。
「カートさん……。私達がマリアの元を尋ねた時は話も出来ないほど、瀕死状態でした。最後に、彼女がこれをカートさんにと声にはならなかったけれど、差し出して訴えられてました」
白猫が加え俺に差し出したのは、預かってもらっていたMP3プレーヤーだった。俺は、マリアを毛布の中にそっと置き、白猫からそれを受け取った。再生のスイッチを入れると聴こえてきたのは、音楽ではなく、がさがさとした雑音だった。しばらく聞いていると話し声が聞こえ始めた。
『やっぱり、アンタだったんだね? 変な気配を持ったヤツは。それに気づいたアタシが邪魔で消しに来たのかい?』
『……良く分かったね? キミはきっと賢すぎるから知りすぎちゃったのさ。けど、僕達の邪魔はさせない。僕達は、あいつらの思う通りになんか、行かせないんだから。だから、キミにはもーしわけないけど、死んでもらうよ』
『アタシを殺しても、アンタの思う通りには行かないよ』
『あはは。それって、カートの事を言いたいのかな? あいつらの能力じゃ僕達は捜せない。だから、もう、僕達の思うとおりに事は塗り替えられるんだ。僕が、正義なんだからね』
銃声が爆発音のように大きく響いた。マリアは悲痛な声を上げた。
『じゃぁねー』
その後は、しばらく雑音が聴こえていたが、マリアらしき猫の息づかいが荒々しく聞こえMP3プレーヤーにたどり着くと、それのスイッチが切れ音が途絶えた。
「…………くしょう。畜生!!」
俺は強く握り拳を作り行き場のない怒りを、ビルの壁に思い切り叩きつけていた。
「アイツか!? あのクソガキ……」
「カートさん。それをお聞きになって、何か分かったのでしょう。あの……、私達あなたに使える猫からの情報なのですが……。あちこちの街の子供達が人々に親切な行為をしているのですが、それがどもう……」
「ソイツらからは、何か違う気を感じたか?」
俺が白猫に尋ねると、彼女だけではなくその場にいた猫達が首を横に振っていた。
「ごく、普通の子供達でした。けれど、一人だけ違う感じの子供が居て、その子が他の子達にあれこれ指示を出していたそうです。それは、マリアさんが亡くなる少し前に私にお伝えくださった事です」
「どんなことか、そこまでマリアは言っていたか?」
白猫は横に首を振ったが、その周りにいた猫が思い当たる節をおずおずと話し始めた。
「あのう……。僕が見たのは、カートさんと同じ気配のした青い目をしたそばかすだらけの男の子が、『これからここを通る男に、“お兄さんの彼女はクライヒト。仕事も行かないでお家にばかりいるんだよねー”と、からかって来いって』って指示をだしてました。丁度、この先のマンションの近くでした」
それ……もしかすると、こないだのカイとか言う男の事だ。そう言えばマットのヤツ、あの時変な気を感じていたとか言っていたが、あれは俺を騙す為のデマだったんだな……。
「私も。こないだ、その男の子が子供達を数人集めて、『良い事を人にしてあげよう』って、でも変でした。『この先行くと、スリに遭ってお財布を取られてしまうから、あっちの道に案内してあげて』とか、まるで予知しているみたいで……その子、人間の気配とは違った感じで……なんとなく、カートさんに近いような……そんな感じでした」
猫達は、思い当たる節を次々聞かせてくれた。どれも、本来起こるべき俺達の仕事を覆す事だった。アイツは、一体何を企んでいる……?
「カートさん……」
白猫が不安げに俺の顔を見上げていた。
「私達も、我が身が心配です。中には乳飲み子を抱えた母猫もいます。どうか、私達をお守り下さい」
…………。猫達はすがるような目で俺を見ていた。マリアの死は俺にとってはこの人間界での唯一の友達みたいな関係だった。その彼女を慕う猫達をマリアと同じようにさせる訳にはいかない。
「よし。俺にいい考えがある。聞くが、俺の手伝いをしていた猫以外に、マリアを慕ってたのは、これで全員か?」
白猫は近くにあったドラム缶の上に飛び乗り、猫達を確認した。
「はい」
「よし。少しばかり手荒だが、俺のやり方だ。お前達を“安全な場所”に全員連れて行ってやる。けど、それは、一時的にな。事が済めばまた元の暮らしに戻れるから。少し、辛抱してくれよな」
猫達を連れて行くのは俺一人では到底無理だった。それに、天界じゃなくここで話をしたほうが良さそうだと思った俺は、天界にいるフリッツをここから呼んだ。
「お前らに言っておく。今から、ここにすげー怖そうなヤツが来るが、心配するな。確かに今は死の使いだが、お前らを殺しに来る訳じゃない。ただ、元から淡白で冷淡なヤツなだけだから」
俺が目の前に居る猫達に言い聞かせていると、猫達は目を丸くして、身を後ろへ背けてその視線は俺の後ろに集中していた。
「……誰が、淡白で冷淡だと? 人間界に呼びつけやがって。俺を宅配扱いするな」
俺が振り向くと、既にフリッツは死の使いの装いで現れていた。手には、俺が依頼した天界で着ている服を持っていた。
「サンキュー。助かった」
「何だ? この猫どもは?」
「マリアと俺の仲間さ。そして、有力な参考猫だ」
フリッツは明らかに俺を見て呆れていた。
「そう、呆れるな。わざわざお前をここに呼んだのには訳がある」
「それなりの重要さが、あるんだろうな?」
「あぁ。実は、マリアが3日前に殺された」
俺は身体を少し動かし、マリアの眠るダンボールをフリッツに見せた。
「マリアが……。殺されたとは?」
「マリアは、“能力者”に殺された」
「能力者だと……」
「あぁ。俺達は一生懸命能力者について調べ上げてたよな。あの過去の書物も全ては、俺達の祖先が作り上げた代物だ。俺は、マリアを殺した能力者が何者か知って、ある事に気がついたんだ」
「能力者が見つかったのか?」
フリッツの問いに俺はすぐ答えを出した。
「能力者は、人間なんかじゃない。俺達と同じ天界のヤツだったんだ」
「まさか、そんなことがあるか」
「あるだろ。俺達が見たあの本の絵がまさにそうさ」
フリッツは思い出しながら考えていた。
「あの絵を描いたのは、幼い子供が後に画家になって書いたもの……しかし、あれは人間界にあるぞ?」
「いや、人間界にあの絵も画家も存在しない。あたかもそうあるかのように、見せかけてたんだ。きっと子供の逸話も、人間ではなく天界のでの出来事だ。それも全て俺達天界のヤツらに目くらますためだ」
フリッツは少し考え込んでいた。
「じゃぁ、もしかするとその絵を描いたヤツは天界に居る……だとしたらおかしいだろ。もう既に天界にいないはず」
「輪廻だ。ソイツの生まれ変わりがいるんだ。これを聞いてくれ」
俺はフリッツにマリアに預けていたMP3プレーヤーを差し出した。フリッツはそれを掌に乗せると音を聞き取った。
「この声……あのうるさいガキか?」
「あぁ。そして、ここにいる猫達が、マットが人間界の子供を使って俺達の仕事を大きく狂わせる指示出ししているのを、見ていたんだ」
「何てことだ。あのガキが俺達や神まで恐れた能力者だと言うのか……」
「あの本にも書いてあった。能力者となった子供の言った言葉。『難しく、複雑に考えすぎ』て、俺達は事をあたかも大きな力を持った恐ろしい人間を作り上げていた。けど、違う。俺天界や人間界を大きく狂わせようとしているただの愉快犯にしか過ぎないんだ」
「あぁ。そうだな。しかし、あのガキが能力者だとしたらお前がこの間見た依頼書や死の使いに扮したヤツは一体誰なんだ?」
俺は空を仰いだ。クソ重たそうな灰色の雲を見上げ睨みつけた。
「共犯か。もしくは、ソイツ自身何か企んでいるかもしれない。あの時、俺が一人で仕事をしようとしたが、ショーンがマットを連れて行くよう勧めたんだ」
「……ショーンなのか?」
俺は首を少し傾げた。
「不確かだけどな。けど、上層部に必ずいる。この猫達は、マットの行いを見ている。このままだと身の危険が大きい。それに、フリッツ神は彼らの声なら信じてくれるだろう」
「まさか、カート。それじゃぁ、この猫どもを天界に連れて行く気か? 正気か?」
「あぁ。俺は正気さ。こいつらまでマリアみたいに無残に殺されてたまるか。狂ってんのはあのガキと、偽善者の仮面つけているヤロウだ」
俺はフリッツが持ってきてくれた俺の服を広げ、そこに猫達を乗せた。
「布でくるむみたいなもんだ、少しの間窮屈かもしれないが、我慢してくれよな」
「大丈夫ですよ。私達は身を寄せ合い、暗く身を寄せ合う事は好きですから」
白猫の声が中から聞こえ、俺は少し安心した。
「カート。だから、俺にお前の服を持ってこさせたのか……」
俺はフリッツを見てニカッと笑った。
「何だ? その何かを企んでいそうな笑みは。それに相変わらず野暮ったい人間だな」
俺はフリッツに言われ、少し顔をしかめた。
「余計なお世話だ。俺は、とても気に入ってんだ! さ、フリッツさん、一緒に天界まで運びましょうね」
俺はフリッツに笑顔を見せて優しく話しかけた。
「!! 俺も一緒に運ぶのか?」
「あぁ。その為にも呼んだんだ。協力してくれよな」
フリッツは渋々俺の服に手を掛けた。
「即効、上のヤツらに見つかったらただじゃ済まないぞ?」
「なるように、なるって」
俺達は猫達を連れて、天界へ戻って行った。
カート達が能力者の真相に気がつき、猫達を連れ天界へ……。
能力者と共犯の行く末は?
お話の途中で、作者の過去の作品『靴擦れ』からあるキャラクターが登場しました。ちょい役でしたが。
次回、いよいよクライマックスです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。ラスト1話も是非ご覧下さい。m(__)m