終焉の真実 前編詩
長くなったので二つに分けました。
最終詩 序章[遺された鍵]
終焉の黒嵐が
無慈悲にもたらしたもの
それは
その世界の扉を
開けるために必要な鍵
その鋳造の廃棄だった――
第一幕 [紡ぐ者]
想造主は物語を描き綴る
留まることなく
白紙に羽ペンで
心の中に描いた物語を
心を写し取る魔導書が
記した言葉を
ただ書き写し続ける
それが想造主のやり方だ
だが、いつまでも
そうしてはいない
想造主も疲れを覚える
そんな時は
紅茶を飲み
疲れを取るのだ
第二幕 [鍵と扉]
想造主は思い出した
かつていた世界のことを
その世界に至る方法を
想造主は長テーブルにある
小タンスの中にある
一つの古びた鍵を
手に取った
それは、かつて己がいた
世界の扉を開く
唯一の鍵
想造主は鍵を持つと
立ち上がり
指を一度だけ鳴らした
すると、想造主の身体が
この場から消え
別の場所へと現れた
そこは、一つの扉だけが
ぽつんとある小部屋だ
想造主は
鍵を扉に差し込み
長らく閉まっていた
扉を開けた
第三幕 [懐かしき部屋]
扉を開けると
そこは、すべてが木で作られた
ログハウス風な空間が
懐かしき来訪者を
待っていた
そこに合ったのは
本が棚いっぱいに
ぎっしりと
詰められた本棚
見るからに柔らかそうな
真っ白い布団が
かけられたベット
白紙のページが
開かれたままの本と
インク壺に
刺さったままの羽ペン
その二つが置かれた
素朴なテーブル
たったそれだけが
部屋にあった
それが想造主が
かつて物語を紡いでいた
部屋である
第四幕 [かつての名]
想造主は本棚から
いくつか本を取り出した
その本たちの
一部の作者名は
かつて六つに分けた
魂のうちの一つの名
それは
[愚かしき吟遊詩人]の意味を持つ名
想造主が[愚者]にして
[罪人]であることを
忘れぬための名でもある――
後半からは、[滅んだ世界]で紡がれた私が書いた以外の「二度と読めない物語」にも触れます。




