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a終わる世界 3t

今回はオンラインゲームの、個々のエリアを舞台にしました。

青年は終焉を迎える世界を駆けていた


嘆きの始まりへと向かう旅は

消えゆく物語たちを巡るもの


〈――こっちだよ……――早く来て……――あの娘のもとへ……〉


紡がれざる物語たちは

世界の意思が嘆き叫んだ

その始まりへと誘う


世界の意思の孤独を

青年が癒やすことを

信じているから


「早くしなければ……!!」


青年は駆ける

かつて管理者たちが生み出し

放棄した世界の地平を


かつて花々で彩られていた〔芸術の都〕は荒れ果てて

草木に満ちた〔高原〕も

熱砂が支配する〔砂丘〕に覆われた


森の主が住まう〔密林〕も

澄み渡るように綺麗な〔湖〕も

美味しい葡萄を作る〔沼地〕も

強烈な陽光に焼かれ続ける〔大地〕の暴威に荒野と成り果てた


亡くしものが集うはかりの〔山〕も

大魔法にて穿かれた〔地溝〕も

灼熱の〔火山〕の噴火に巻き込まれ

かつての遺跡のある〔草原〕と

古代の戦争に使われた〔街道〕は

もはや見る影を永遠に喪失した


湖底に造られた〔幻都〕も

天高く堂々と聳える〔岳〕も

管理者という神にて砕かれた〔巨塔〕も

音無く流れる〔迷いの森〕も

大戦にて滅んだ〔城〕も

各地を繋いでいた〔丘陵〕も

のどかな〔風車の都〕も

山々に建てられた〔頂の都〕も


来たるべき滅びを

抗うこともせずに

あるいは出来ずに

静かに待っていた


あまりにも

閑寂過ぎる静けさは

ある種の諦観と悲哀が

身体を包み込むかのよう


それでも青年は

世界の意思へと

歩み駆けていく


「嗚呼……滅びが近づいてくる……最期まで独りきりは……いやだ……」


終焉の黒嵐は退行をしない

管理者たちによる滅びは

世界の意思の嘆きで

歩みを止めたりなどしない


嗚呼、青年は嘆きの始まりへ

世界の意思が孕んだ

孤独を払うために

止まることなく駆けていく――


丘陵だけ最後なのは、後から気づいたためです。

(本当は、最初のほうになるはずだったのを、面倒くさいからそのまま、という理由です)

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