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夢ゆめ


目が覚めた。

見えたのは薄暗い天井だった。


「夢、か」


夢だ。そうだ。当然だ。

私が彼と話すなんて、そんな事現実に起きるのだろうか。

いや、ないだろう。

それは私が行動に出ることはきっとないから。

意気地無しなどではない。

現に私はそれで満足していたはずだ。

けれど、この夢を見る限り、私の本心は違ったようだった。


私は欲望の塊だ。


寝ても覚めても、彼の事ばかりだ。

馬鹿みたい。

気持ち悪い、まるで病気だ。

自分でもそう思う、のに、

私の頭の中から彼が離れなくて、離れなくて。


ただ、話すだけ。

そんな素朴な夢だった。


「幸せだったなあ……。」


私は仰向けのまま、夢うつつに呟いた。


彼の顔は見えないまま。

本物の彼も知らないで。

なのに、夢の中の彼は……。


私は欲望の塊だ。


私は体を起こした。

そしていつも通り支度をして、いつも通りに一日を過ごすのだ。


私の知らない彼も、また彼通りの一日を過ごすのだ。


それと同時に、私の中の彼も蠢くのだ。


交わらない。

それが、いつまでも続くのなら。


また彼の夢を見る、きっと。

その時、私はどちらに恋をしているのだろう。


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