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片想い
想いを募らせたのは 僕がまだ小学生の頃で
君はとても年上だった だけどずっと 想い続けていた
君は僕より背が高くて 長い睫毛が特徴だった
しっかりものの君だからこそ 駄目な僕が惹かれていった
その隣にいるのはいつだって 僕だけだと思って寄り添って
君は小さい僕の頭を笑いながら 優しく撫でてくれた
いつだったか僕が君より 背が高くなって嬉しくて
今でもまだ君が好きだった 前よりずっと好きだった
その隣にいたのはいつだって 僕だけだと思っていた頃は
もうないのかと思わせるような 絶望が僕に刺さる
いつからかは知らない 君の目は他の誰かに向かって
それはまるで僕が君を見てるときのような輝きで
とても綺麗だった……
想いは伝えきれずただ笑い 祝福するフリでもしていた
戻れるものなら戻りたい 君より小さかったあの頃に




