表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
片想い  作者: 夜風
3/33

感覚のない人


庭で焚き火をしているのを見つけて その中に両手を入れる


私は両手に火傷を負った


それでも痛みは来なかった



川で溺れている子供を見つけて 迷わず上から飛び込んだ


私は頭を打って子供を助けた


それでも痛みは来なかった



他人に喧嘩を吹っかけられて 街の真ん中で喧嘩をした


私は顔を殴られ右腹を斬られた


それでも痛みは来なかった



上に怒られ縁側に座っていたら 困り顔をした少年が来た


その少年は私の肩を乱暴に叩いた


少しだけ痛みを感じた



あるとき少年がここを出て行くと言い出した


私は先を知っていたから必死になって少年を止めた


それでも少年はここを出て行った



あるとき私は血だらけになった


体中は傷だらけでたくさん血を流した


それでも痛みは来なかった



あるとき少年が死んだと聞かされた


私は地面に泣き崩れた


死にそうなくらい 痛かった






その後死んだと聞かされた少年が 目の前に現れた


少年は私に気づいていない


思わず笑顔がこぼれて落ちた



少年に寄り添う可愛い少女が 私の目に映った


少年は私に気づかない


思わず涙がこぼれて落ちた





わからない温もりが残るはずもなく


隣にいるのは私ではなく


触れられた感触が知りたくて


泣き崩れることもせず


ただただ背を向け目を背け


心の臓が抉られる


そんな痛みに耐えるのみ




私は本当に愚かな生き物だ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ