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片想い  作者: 夜風
27/33

暖かいとは なんですか?


それは私も 感じられますか?


君の手が私の手を 溶かしてしまう間


痛いとか苦しいとか そんなものはなくて


ただざわざわとするのです


ただざわざわとするのです



見渡す限り一面が 真っ白で眩しい季節に


私は立って動いた 人の形をしていた


君の手が赤くなるくらい 私の手は冷たかったけど


それを優しく握って どこかへ連れ去ってくれた



走って笑って転ぶ君は 口から白い息を吐く


その少しの熱でも 私は溶けてしまうことを


焚き火を囲んで話す その中には入れない


あの子たちと君が帰れば 私は雪に戻るの



ねえ 君はどうして 私に声をかけるの


気がついてないから そう この冷たい体さえ


ねえ 君はどうして そんなに笑っているの


今にも凍えそうなんだ ここで 走って暖まる体



もしも君が 気づかなくて


私に火を灯すのなら


私はねえ その火に


溶けて消えてしまいましょう


だから君は そこにいて


春が来れば忘れるから


私はそう 一人で


消えない記憶を辿るの



ざわざわとするのです 君の怒る顔を見ていても


君の体温は私を 心から溶かしていくのです


ざわざわとしますか? 春が来る前に見せた涙は


目の前で溶けていく 私を見た君の体温



暖かいとは なんですか?


それは私にも 感じられますか?


君の手が最後の 私の手を溶かす間


痛いとか苦しいとか そんなものじゃなくて


ただざわざわとするのです


ただざわざわとするのです





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