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片想い  作者: 夜風
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全力疾走

それぞれの顔が傷ついて それぞれの腕が傷ついて


まだやるの? まだやるよ


彼らの選んだ時代と道は 死と死の隣り合わせで


私に何ができますか? 見てることしかできない



自分の一生の中で考えたら ほんの一瞬のことだけど


笑う顔 暖かい手 これはただの幻想


鬼の目をしたあの子も 傷つけたあの子も


結局すべて人の子で あいつと同じ人間で


私と同じ人間で 私とは違う人間さ



走り走って走り続けて 追いかけ追って追い続けても


届かないや 追いつけないや もう疲れた


息切れした私にすら 君らは気づかないんだ


まだ行くの? まだ行ける また走る



目の前にあったあいつの笑顔 もう二度とないとわかってる


傷ついた顔 血まみれの手 これはただの現実


悪戯好きなあいつも 優しかったあいつも


優秀だったあいつも よく笑ったあいつも


私と同じ人間で 私とは違う人間だ



隠して隠し隠し続けて 悩んで迷って悩み続けても


同じになれない 悲しいや 私は転ぶ


泣いてる私にすら 君らは気づかないんだ


まだ行くの? まだ行かせて



好きで好きでずっと好きで 笑って笑い笑い続けて


走れないや 走れないよ!


転んで一人傷ついて 泣いて泣く泣き続けて


走れない もう走れない 足がもう動きゃしないよ



悪戯好きのあいつが 私の顔見て笑った


優柔不断なあの子が 私に優しく笑った


大好きだったあいつが 無邪気な笑顔を見せた


いつも笑ってたあいつが いつもみたいに笑った





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